クニマスミュージカルを終えて、今、思うこと。

9月17日、仙北市民会館で行われた「愛・クニマス 音楽と語りで綴る叙事詩」
大入り満員、大盛況の内に幕を閉じました。

kunimasu

第1部「伝統文化をなくさない努力」では、小澤俊夫先生や
沖縄、福井、和歌山からいらした語り手の皆さんによる、
土地言葉による昔ばなしの朗読が行われました。

お客さんの中には地元の小学生が多かったのですが、
開演中に私語や立ち上がって騒ぎ立てるようなことはありませんでした。
聞く人の心を掴んで離さない素敵な朗読だったのだと思います。


第2部はクニマスのミュージカル「クニマスの色は いのち色」コンサート。
完成したら、2時間を越える長編ミュージカル「クニマスの色は いのち色」。
その中から話の流れをかいつまむような形で、1時間にまとめたものが
今回上演したものとなります。コンサートと銘を打っているのはそのためです。
とは言っても、台詞もあれば歌もある。動きは最小限とは言えミュージカルなのです。

17日の本番を終えてから、3日経ったわけですが、
未だあのステージが続いているかのような余韻の中にいます。
頭のなかではクニマスミュージカルの中の曲が回っている。

今回は本当に時間が少ない中で、このミュージカルの準備は進んでいきました。
本番後のパーティーの中でも、関係者一人ひとりからの挨拶を伺っていると、
皆それぞれにドラマがあり、それぞれが必死になって作り上げ、
ようやく実ったものが今回のミュージカルなのだということが分かりました。

普段一人で曲をかき、一人で歌ってばかりだと、こんな風に大勢で何かを
作り上げることの素晴らしさは滅多に味わうことはできません。
今回思ったのです。大勢で一つの何かを作り上げることは、
個々人が大勢の中の小さな歯車になるということだと。

社会人時代、そんな歯車になることにぼくは抵抗感を覚えていました。
毎日の繰り返しの中で自分を失ってしまうような気がしていました。
でもそれは、組織の中の大切な歯車になりきる、
決意や意思が足りていなかったからなのだと思います。

歯車として動くことは簡単じゃないし、楽しいことばかりではない。
でも個々の歯車の思惑が別々の方向を向いていたら、全体が上手く回らない。
自分の欲や利益のためじゃなく、皆のために動いた結果、
最高のものを成し遂げられたなら、それが何にも代えがたい大きな喜びになります。
自分のためにだけ動くなんて、大したことじゃないんだ。きっと。

私的なことを言えば、たくさんの悔いがあるということもまた事実です。
「もっと○○していたら、もっと○○できていたら、もっと良い物になったはず。」
なんて思いが際限なく湧いてくる。でも、それはそれとして、
今回出来たことを、まずは認めてあげようとも思います。
その上で、今後また同じような機会がもしも頂けるのであれば、
今抱いている不満なんか蹴散らして、楽しんで出来るようになりたいです。


最後に、感謝を記しておきたいと思います。
今回は様々な方からたくさんの刺激を受けました。
ソリストのお三方(菅原久美子さん、奈良陽平さん、松田千明さん)や、
歌唱指導の長谷川留美子先生は声楽がご専門で、
完全にぼくとは畑違いだったのにも関わらず、ためになるアドバイスを下さり、
歌に対する真摯な姿勢を学ばせて頂きました。

歌って、本当に深いです。
息の使い方、発声の方法、強弱の付け方。今までおろそかにしていた部分を、
改めて考えさせられるきっかけを頂いたこと、本当に感謝しています。

作曲の鳥井先生には、素晴らしい楽曲を歌わせて頂きました。
練習以外の時にも頭のなかで鳴り響く楽曲の数々。
曲を作るもののさがでしょうか。「悔しい!!」と思ってしまうほど良い曲!
(ぼくなんかが言うのはおこがましいことですね。)
演奏9割、作曲1割というお話でしたが、もっともっと鳥井先生の曲を聞きたいです。

演出の栗城先生には、演技指導で多くのアドバイスを頂きました。
台本を読むということは、ストーリーを追う。台詞を読む。ということだけじゃなくて、
登場人物の感情や気持ちの移ろいを読むことなのかな。と感じました。
ただ”それなり”に台詞を読むんじゃなくて、登場人物がどういう気持ちで、
どういう意図でその言葉が出てきたのか自分なりに考えること。
そこから演技が始まるんですね。

脚本の福田金作さん、そして実行委員長の西村社長。
今回のクニマスミュージカルが作られるきっかけとなるお話を伺って、
こんなにも深く強い思いで制作にあたっていたのかと、頭が下がる思いです。

田沢湖に玉川毒水が入ることになったのは、国策です。
食料自給率を上げるため、たくさんの水と電気が必要になったからです。
しかしその背景を知らずに「クニマスが絶滅したのは秋田の人間のせいだ。」と、
思っている県外の方々もたくさんいることでしょう。この物語の中は、
そうしたくなくてもそうせざるを得なかった不条理を生々しく描いています。
今回ミュージカルを見た仙北市の小学生たちの中には、
クニマスを田沢湖に戻したいと考えてくれる子が絶対にいると思います。

ナレーションの塩田さん、素晴らしい語りでミュージカルの雰囲気を作り上げてくださいました。
地元の合唱団や吹奏楽の皆さんも、楽曲やミュージカル自体に説得力を持たせてくれました。
幕が上がった時のどよめき、すごかったですよね。エンディングもあそこまで豪華にやると、
お客さんもノリノリ。手拍子の中、ぼくは踊りだしそうになってしまいました。

また、今回の音響・照明などの裏方の皆さま、
そして実行委員となって、開催まで動き続けて下さった皆さま。
今回のミュージカルが成立したのは、皆さまのおかげです。
こんなにも素晴らしい機会に、ステージに立たせてくださったこと、
心より感謝申し上げます。

このミュージカルに携わった全ての方々、
そしてご覧下さった皆さま、応援下さった皆さま、本当にありがとうございました。
この経験を活かして、今後の活動でお礼を返していけるように、日々、頑張って行きます。

余韻が冷めぬ中、また次のステージへ。
お聞き下さる皆さまに感謝を込めて歌ってまいります。

2 件のコメント

  • お疲れ様でした!
    やっぱり本番が一番良かった!
    グランドフィナーレで「踊りだしたくなった」その気持ちの動きが、「歌」の根源だと思います。
    ちょっとノックするとどんどん開いていくドアと引き出しの多さ。絢也さんすばらしいです!
    またお手伝いしたいです。

    • ケイコさん。お世話になりました~!
      右も左も分からない状態でしたが、
      アドバイスのおかげで、少しづつ光が見えてきました。
      またの機会にはもっともっと下調べをして臨みたいです~!!
      またご一緒できますように!

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