辞書を作る人のこと、考えたことあった?ー三浦しをん「舟を編む」

今日は最近読んだ小説の感想を。2012年の本屋大賞で1位となった三浦しをんさんの「舟を編む」です。今更読んで感想を書くのも少し恥ずかしいですが。

舟を編む


ひとことで言うと、この小説は「辞書作り」を書いた小説です。辞書って当然のように言葉の解説が乗っているわけですが、その解説を作っている人がいるんですよね。今まで考えたこともなかったけれど。

冒頭では「犬」という言葉が、動物の犬だけじゃなく敵対する組織から送り込まれたスパイや、犬死では無駄という意味になることを紹介しています。立ち読みしてその部分を読んで、この小説の購入を決めました。自分は歌詞を書く人間なので、やはり言葉にすごく興味があります。一つの言葉に色んな意味が込められているのだと改めて考えてみたら、何だか一気に世界が開けたような気がしました。

登場人物である「まじめ(馬締)」がとてもいい味を出しています。名前の通り真面目な男で、物語の舞台である玄武書房の辞書編集部に入ってからはエース的な立場になります。(というか、辞書編集部の中ではたった一人の社員となるわけですが……。)物語の中では彼がまた不器用な恋愛をします。漢文を交えた恋文を出したりと、小説を読みながら笑いを堪えられないような展開に。辞書一筋の男の生き様を見ていると、自分も音楽にまっすぐにならなければと心が洗われる気持ちですね。

三浦しをんさんの小説を読むのははじめてですが、読みやすい文体を意識されているのか、かなりさらさらと読めます。本屋の店員さんが選ぶ本屋大賞に選ばれたのは納得な気がします。この小説を読んで、小説にはまる人は確かに出てくるでしょうね。

「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」という印象的な台詞が出てきます。言葉の海を難なく渡るためにも、改めて辞書を手元に置きたいと思いたくなるような、そんな小説でした。オススメです。

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