作曲依頼の流れ。トラブルを避け、クオリティの高い楽曲を!
進めている企画の中で作曲を依頼することになり、不安に思われる企業担当者様も多いことと思います。
「依頼した曲と出来上がった曲が想定と違った。」「クオリティが低い。」などのトラブルを避けるため、楽曲を依頼する側からの視点で、作曲依頼の流れをご紹介します。
- CMBGMやイベント、テーマソングなどの楽曲制作の依頼を考えている方
- 企業の企画・広報担当者
- 広告代理店にお勤めの方
にとって、有益な情報をまとめました。
作曲依頼の流れ
この記事では、作曲依頼を6段階に分けて解説していきます。
- 企画を立てる
- 依頼楽曲の大枠を決める
- 作編曲家を選ぶ
- 作編曲家にコンタクトを取る
- ラフ制作・完成音源を受け取る
- 金銭授受とその後
企画を立てる
種類 | 具体例 |
---|---|
コンセプト (目的・ターゲット) | 誰にどうなって欲しいか。 例)ママ世代(20代~40代の女性)に興味を持ってもらう 例)大学生に会社を周知し、リクルート志願者を増やす |
使用する場所 (露出媒体) | ・TVCM ・WEB(自社サイトやSNSなど) ・店頭 ・イベント |
スケジュール | 企画全体のスケジュールを決める。 ・完成楽曲はいつまでに必要か? |
予算 | 企画全体の予算計画を立てる *楽曲制作の費用については下記を参照 |
楽曲制作にかかる費用
細かく分けると、下記のようになります。
- 作詞料
- 作曲料
- 編曲料
- 録音料&演奏料(生で音楽家に歌唱・演奏して貰う場合)
- ミックス料(メディアに合わせて楽曲を整える作業にかかる経費)
- 著作権譲渡料
上記のように分けて見積る方もいれば、全てをまとめて作編曲料として見積もる方もいます。作編曲家それぞれによってかかる費用は違います。後述しますが著作権契約をどうするかによっても変わります。
想定しやすい考え方としては時間給の考え方があります。
例えば、1分の曲を作るのに、構想から完成まで3日かかるとします。実労働時間が18時間だとしたら、時給換算すると、大体の金額が見えてきますよね?
ただし、駆け出しの作編曲家は仕上がりに時間がかかるが時給が低く、ベテランの方が早く仕上げられ時給が高くなる傾向があります。
依頼楽曲の大枠を決める
楽曲イメージを確立する
目的・ターゲット・露出方法が定まれば、だいぶ曲調が定まってきたはずです。
- 明るくて口ずさみやすい楽曲
- ラップ調の曲
- アニソン風の楽曲
など。イメージに近い楽曲があれば、既存の曲をリストアップしましょう。歌もの場合なら歌詞を書くか、歌詞が書けない場合は入れたいキーワードを箇条書きでまとめます。
楽曲の長さを決める
使用メディアに合わせて、大体の楽曲の長さを決めます。
TVCMの場合、15秒や30秒などの枠があります。企業のサウンドロゴがある場合は、逆算して12秒・27秒になりますね。
楽曲の長さによって、制作料金も変わります。4分のフルアレンジより、1番のみ1分30秒作る方が安くなります。
制作楽曲の著作権をどうするか決める
著作権を曖昧なままにしておくと、後々トラブルの原因となることがあります。著作権を譲渡契約をする場合は、譲渡料が発生します。著作権の譲渡が必要かそうでないかは、下記のフローチャートと記事を参考にして下さい。
作編曲家を選ぶ
作編曲家の選び方
実績を見て、得意ジャンルを知る
作編曲家には、それぞれ得意なジャンルがあるものです。
今まで作ってきた楽曲の実績を公開している作編曲家も多いため、まずはそれらの楽曲を聞いて把握しましょう。
自分の強みを知り、得意ジャンルを公言している作編曲家は信用できます。
私自身で言えば、明るくポップで耳に残る楽曲が得意です。ファミリー向けのコンサートを全国で開催してきたため、特に子育て世代に訴求するTVCMなどをお引き受けしてきました。
また、近年はミュージカル舞台を手掛け、歌詞が届く歌を作ることに定評があります。歌を歌うため、歌ものは一人で完結できるのも強みです。
今まで制作してきた楽曲は、CLIENT WORKSよりご覧ください。こちらから依頼申し込みも可能です。
著作権について明記している作編曲家は信用できる
著作権のことをよく知らない作編曲家は、経験が浅くクオリティを担保できない可能性があります。また、後々トラブルの原因となる可能性があります。
作編曲家の探し方
WEB経由
オーソドックスな方法です。ただ星の数ほどWEBサイトが出てきますので、なかなか一人に決めかねるのが難点です。
広告代理店を通す
TVCMやイベントで楽曲制作をしている広告代理店では、いつもお願いしている作編曲家を数人は抱えています。映像を含めて、広告代理店にお願いしても良いでしょう。
地元のミュージシャンにお願いする
もし地方の企業などであれば、その土地で頑張っている地元ミュージシャンとのコラボもありでしょう。ただし、クオリティの高い楽曲を作れるかどうかは十分吟味する必要があります。
作編曲家にコンタクトを取る
依頼楽曲についての情報をまとめ、連絡する。
- 企画内容(ターゲット・使用目的・使用媒体)
- 楽曲について(イメージ・参考楽曲・長さ)
- 想定の予算
- 納品希望日
- 著作権の取り扱い(譲渡契約の有無)
上記の内容をメールに記載し、作編曲家にコンタクトをとります。作編曲家によっては、メールフォームで聴きたい情報をまとめています。私自身もそうです。
作編曲家から見積りをもらう
上記でまとめた内容があれば、作編曲家はだいたいの作業量を把握し、見積りを立てることができます。打ち合わせを求められた場合は、メールや電話、ビデオ通話などで詳細を詰めていきます。
紙の見積書が必要な場合は、郵送をお願いしましょう。
委託業務契約(著作権譲渡契約)を結ぶ
楽曲制作を進める前に、委託業務契約(著作権譲渡契約)を結びます。経験のある作編曲家であれば、契約書の雛形を持っています。契約書の雛形を見せてもらい、不安であれば弁理士に相談した上で、委託業務契約を結びます。
ラフ制作・完成音源を受け取る
ラフ制作楽曲から方向性をすり合わせる
制作楽曲のラフは必ずもらい、方向性をすり合わせます。
歌ものであれば、歌詞とメロディーが決まった時点で、弾き語り音源・ラフアレンジ音源などをもらい確認します。
弾き語り音源から完成音源を想像するのは、なかなか難しい場合もあるかもしれません。その場合は正直に伝え、アレンジ途中で再度ラフを提出をお願いすることも一つです。
歌手・演奏家の生録音などが必要な場合、録音後に変更するのは難しくなります。修正のないよう、すり合わせを怠らないようにしましょう。
完成楽曲を受け取る
完成した楽曲を受け取ったら、社内で検討し、直しがある場合は作編曲家にお願いします。完成の場合は、委託契約を結ぶ際に決めておいた形式でファイルを受け取ります。
- wavファイルのメール納品
- CD-R納品
などです。
金銭授受とその後
フリーランスの作編曲家であれば、源泉徴収が必要に。
作編曲家がフリーランスの場合、源泉徴収して支払うことがほとんどです。
会社によっては、請求書の書き方に決まりがあり、請求書の再発行が必要になる場合もあります。そのため、社内の経理担当に確認した上で、あらかじめ作編曲家に請求書の記載について指示を出します。
契約に基づき楽曲を使用する
委託業務契約(著作権譲渡契約)に基づき、楽曲を使用します。不明なことがあれば、推測ではなく、作編曲家に直接聴いた上で使用するのがトラブルを防ぐことに繋がります。
まとめ
この記事では、作曲依頼の流れをご紹介しました。企画の成功のため、少しでもお力になれたら幸いです。
私への楽曲制作依頼についてのご相談も、いつでもお待ちしています! ご一緒に良いものを作れたら嬉しいです!