【Waves Japan寄稿】Signature Series Vocal向けプラグイン比較記事
Waves Japan様にて、Waves Series Vocal向けプラグイン比較の記事を書きました。
本記事では、レビューしたプラグインに対する感想を補足的に解説します。
忖度なしで、私が感じたままに書かせて頂きます。
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Maserati VX1
元々私が愛用していたプラグインです。
高音域が浮き上がり、埋もれないボーカルを簡単に作れます。
少し難しいのが、中低音域がスッキリしすぎてしまい物足りない場合、BASSコントロールだけではうまくいかない場合があることです。
私の場合は、Wavesfactory Spectreなどのエンハンサーで、物足りない帯域を補助します。
CLA Vocals
CLA Vocalsは、幅広い音作りができるのが特徴ですね。
一つのプラグインで色々な音作りをしたい。という場合は、CLA Vocalsがおすすめです。
リバーブ・ディレイも処理として面白く勉強になる所です。CLA Vocalsを勉強ツールとして使うのも大変良いと思います。
Butch Vig Vocals
見た目以上に色々な音作りができます。プリセットも多いです。
2種類あるサチューレーションも、かなりエゲつないかかり方をします。
少し歪ませたい時に使うのではなく、わざとらしく歪ませたい時に使うのが良いですね。
このプラグインも勉強になる部分がたくさんあるので、研究しがいがありそうです。
Eddie Kramer Vocal Channel
どう調整してもアナログ感のある、どっしりとしたサウンドになるのが特徴。
この手の音を手っ取り早く出したいなら、変えが効かないかも。
ただ現代的なスッキリとしたボーカルを作りたいなら、出番は中々少ないかもしれません。
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Greg Wells VoiceCentric
ワンノブでダイナミクスを調整できるプラグイン。ルーティングは次の通り。
ディエッサーが自然だと思います。
ただ、相当録り音が良くないと、このプラグイン一つで完結は難しいと思いました。
解析ソフトを使った所、ワンノブに含まれるEQが、10,000Hzを持ち上げる動作のみだったので、低音の処理は他のプラグイン必須です。
>Greg Wells VoiceCentricの金額を確認する
JJP Vocals
Waves Japanへの寄稿記事の中では、一旦全てのフェーダーを0状態にすることを強く勧めました。
というのは、私にとっては、プリセットからの調整がかなり難しく感じたためです。
解析ソフトを使いながら、フェーダーを紐解きました。闇雲にフェーダーを動かすよりは、大体の動きを把握していた方が私は使いやすいです。
- MAIN:元の信号に、左下のEQ・ディエッサー・コンプがかかったもの。
- MAGIC:超高音域。抜ける音になる。
- SPACE:空間系。
- ATTACK:出だしが強調されたコンプ感を感じるサウンド。
- ATTITUDE:低域。サウンドを支える度合い。
- PRSNCE:4,000Hz辺りが強調されたサウンド。
癖が強く、使いこなすまでには時間が必要かもしれませんが、慣れてくれば理想のサウンドを一番早く作れるのはこのプラグインかもしれません。
特に、日本の音楽によくある、音数が多いアレンジで、ボーカルを抜けて出すのが難しい場合には最適でしょう。
まとめ
- 私はやっぱりMaserati VX1が好き……。スッキリ。色気たっぷり。
- 色々な音楽のボーカルミックスをするなら、CLA Vocals・Butch Vig Vocals。
- 音数の多いアレンジのボーカルミックスなら、JJP Vocalsがおすすめ。
本ページで紹介したプラグインを使うと、良いボーカルサウンドを簡単に作れるわけですが、結果的に耳が成長し、最終的には他のプラグインを使っても同じようなサウンドは作れるようになります。
良い音がどんな音か、適切なコンプ感はどれくらいか、耳はどんどん磨かれていきます。(逆に耳が磨かれないと、中々良いミックスには至れないと思います。)
こうしたブラックボックス的プラグインを使うのに抵抗のある方もいるとは思うのですが、ミックス初心者~中級者こそ、時短をしつつ、耳を成長させると良いと思います。
ただし、エッジの立った音にし過ぎてしまうなど副作用的な所もあります。
時間をおいて聴き直したり、SoundID Referenceなどのモニター音改善プラグインを使うことを、ぜひおすすめします。
下記、Vocalバンドル(4つ収録:Maserati VX1・Eddie Kramer VC・CLA Vocals、JJP Vocals)も値段的におすすめです。
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