Soundtoys Decapitatorレビュー ロックにハマる歪みを手早く!
Soundtoys Decapitatorは、繊細な倍音から激烈な歪みまで加えられるサチュレータープラグインです。
- 手数は最小限に、思い通りのサウンドに変化可能!
- エレキギター・ベース・ドラムなど、ロックな楽曲に特に向く。
- 分かりやすい変化なので、ハマる時はとことんハマる。
サウンドを聴きながら、Decapitatorに迫っていきましょう。
Decapitatorの概要
ロックな楽曲でサウンドを聴いてみよう!
まずはメタルな楽曲に使用して、Decapitatorの効果を聴いてみます。
エレキ・ベース・ドラムの3トラックのサンプル曲です。
GainMatchというプラグインを使って、エフェクト前後で音量を揃えています。
①も十分、分厚いサウンドではありますが、②Decapitatorを使用した音源は、耳に迫ってくるようです。全体的に豊満なサウンドとなり、繰り返して聴くと②の方が周波数全体が満たされているような印象を感じ取れるはずです。
Decapitatorを挿した後の調整も、本当に短時間。なぜなら、Decapitatorはトラックの音を思い通りにするためのノブが厳選されているからです。
Decapitatorの操作方法
Decapitatorは、2つ手順で考えると使いやすいです。
- 歪みの種類・量を調整
- 歪みを加えた後のサウンド調整
①歪みの種類・量を調整
歪みの種類は、画面下部STYLEから選択します。
DRIVEを2~4くらいに設定して、歪みの種類を変更していくと、素材に合う歪みが分かりやすいです。
その後DRIVEを調整します。極端な設定でなければ、DRIVEは0~5くらいの間で収まることが多いです。
- A:Ampex350テープドライブ – 温かみのあるサウンドに
- E:EMI TG Channnel(ミキシングコンソール) – エッジが立ったサウンドに
- N:Neve1057(プリアンプ・EQ)- まろやか。ギターに向く。
- T:真空管(三極管)- 強い歪み。
- P:真空管(五極管)- めちゃくちゃ強い歪み。じゃりじゃり!!
また、むちゃくちゃに歪ませたい場合はPUNISHボタンを押すと、インプットが+20dBとなり、音が大きくなり、過度に歪むようになります。
②歪みを加えた後のサウンド調整
歪ませた後は、サウンドの調整です。
LOW CUTは、そのままですね。その横にあるTHUMPは、レゾナンスを付けられる機能です。
TONEは、イメージとしてはチルトEQのような感じです。右に回すと低域が減り、左に回すと高域が減ります。
HIGH CUTも文字通りです。歪みやTONEノブで増えた高域を抑えることで、耳に優しいサウンドを作れます。緩やかなカーブなので、自然なサウンド。横にあるSTEEPを使うと、カーブが急になります。
OUT PUTは、ウェット音(歪み・音色調整した後のサウンド)の音量を変化させられます。AUTOはDRIVEに応じて自動的に下がる仕組みですが、OUT PUTが下がる以上にゲインが上がってしまうので、あまり参考になりません。
MIXは、ドライ音(原音)・ウェット音を混ぜる時に使います。「かなり歪ませて、10~20%だけ混ぜる……。」や「エッジを立たせたけど、耳に痛いから少し原音を加える。」などで使います。
ここまでのまとめ
Decapitatorは、ロック系のサウンドには、かなり頼りになります。
時短&サウンドが良い!
ロック系ならこのプラグイン!と迷いなく組み込めるのも嬉しい所ですね。
シンセ系のサウンドには向くのか?
プリセットを見ても、ベース・ドラム・ギター・ボーカルなどのサウンドに最適化されている印象があります。
Decapitatorは、シンセのサウンドには合うのでしょうか?
④は、少し音像が丸いというか、温かみのあるサウンドに聞こえると思います。こういった音を求めている場合は、Decapitatorも使えるとは思います。
シンセなど音作り命の楽器に関して言えば、Fabfilter Saturn2など、アタック(音の立ち上がり)だけ歪ませるアプローチも良いですね。
キレがあるサウンドに感じますよね。
また、周波数を選んで倍音を付加するプラグインとしては、上述のSaturn2の他に、Wavesfactory Spectreも優秀です。
CPU負荷
DecapitatorのCPU負荷は、2%ほど。軽い!!
●PCスペック
- OS:Windows10 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:64GB
- DAW:Studio One5.5
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:512samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上、SoundToys Decapitatorのレビューでした。
ロック向けのサウンドなら、一番先に手が伸びるサチュレータープラグインです。
役割がはっきりしているので、この手の楽曲を作る方なら、購入して損はないでしょう。
おすすめのプラグインです。