マイクの使い方を知って、歌を上手に! 持ち方・テクニック・Q&Aも。
カラオケやステージで歌う時に使うマイク。使い方ひとつで歌の聞こえ方が全く違うって知っていましたか?
様々な種類のマイクがありますが、この記事では、カラオケで使われる手持ちのマイク(ダイナミックマイク)の取り扱い方をお伝えします。距離を使ったテクニックや、取り扱いの注意点まで、
- カラオケが趣味の方
- ステージでパフォーマンスをしたい方
- 会議などでよくマイクを使う方
に、役に立つ情報をお届けいたします!
マイクの正しい持ち方は?
持ち手部分を持つ
歌声をクリアに届かせるためには、マイクの持ち手部分を握りましょう。
マイクの先の網の部分(グリルボール)を手で覆うと、音がこもります。 周波数が乱れ、ハウリングの原因となることもあります。
口に向ける角度が大切
マイクは口に向けてまっすぐ持ちます。
テレビの司会者などは、見た目の良さからかマイクを下から口に向けていますが、歌ではあの持ち方をしてはいけません。声が遠く細くなるためです。
どれだけ音が違うのか?
正しいマイクの持ち方・間違ったマイクの持ち方で、それぞれ歌を収録してみました。
実際に聞こえ方を確かめてみてください!
正しい持ち方
グリルボールを覆った持ち方
下から口に向けた持ち方
正しい持ち方の方が、クリアにはっきり聞こえることが分かりますね。
間違った持ち方では、せっかくの歌声を損なってしまうことに。もったいないです!
マイクの距離を使ったテクニック
マイクの特性を知ろう!
マイクは、近くで音を集音するほど低音域が強調されます。つまり、太い音で集音されます。これをマイクの近接効果と呼びます。
マイクの距離によってどう集音されるか、実際に聞いて確かめてみましょう。
0cm(唇がグリルボールに触れている)
5cmの距離
15cmの距離
30cmの距離
こんなに違うんですね!
距離が近いほど太く大きく、遠いほど細く小さく集音されるのが分かります。
距離で存在感を調節する
近接効果を利用することで、歌い手は歌の存在感を調節することができます。
- 迫力のある声を出したい場合は、マイクを近づける。
- すっきり聞かせたい時は、マイクを少し離す。
- ロングトーンで徐々に距離を遠くすると自然な減衰を演出できる。
自分が表現したい歌とは何かを突き詰めていくと、その時々の微妙な距離の調整で、自分の歌を演出できるようになります。
たった5cmでも音は全く変わります。スピーカーから流れてくる歌を、自らの耳で判断して、距離をリアルタイムで変えるようにすることが大切です。
マイクの取り扱い注意点
スピーカーに向けるのはNG
マイクをスピーカーに向けるとハウリングが起こります。ピー!!キーン!!と甲高い音がして、最悪の場合、スピーカーやアンプが壊れてしまうこともあります。
「コツコツ叩く・息を吹きかける」もNG
マイクの確認のために、コツコツ叩いたり、息を吹きかけるのは止めましょう。マイクやスピーカー、アンプにダメージを与える可能性があります。
スイッチが入っているかを確認するには、短い声を出すのが良いです。
「ア」や「ハ」「ヘ」などを短く発して確認します。「マイクチェック」なども無難ですね。
【ステージ向け】声が小さい人は、距離0でいい。
声が小さい人がマイクを離して歌うと、ハウリングの原因となります。声の小ささから、音響さんがマイクの音量を上げすぎることで、音が回るためです。
ハウリングを恐れ、ますますマイクを遠ざける方もいますが、逆効果です。
声が小さいと自覚のあるボーカリストは、グリルボールに口をくっつけて歌いましょう。音響さんは近接効果を前提に、より歌が良く聞こえる音作りをしてくれます。
【ステージ向け】マイマイクは時と場所に応じて使おう
もしも、持参したマイマイクがマイナーなもので、音響さんが初めて使うとしたら、どうなるでしょうか。
一から音作りしなければいけないばかりか、経験の少ない音響さんだと、十分にマイクの性能を活かせない状態で本番を迎える場合もあります。
マイマイクを使いたい場合は、音響さんに「○○というマイクでやりたいのですが、大丈夫ですか?」と確認します。OKであれば、マイマイクでリハーサルをしましょう。
もしも難色を示された場合は、会場のマイクでリハーサルをしましょう。その上で、「低音をすっきりさせて頂けますか?」などのお願いをして、自分の理想の音を音響さんと一緒に作る時間にしましょう。
マイクQ&A
Q.スイッチがないマイクって、使いづらくない?
スイッチのないマイクは、本番中に間違って切ってしまう事態を防ぐためにあります。プロ用のパフォーマンス用マイクと思ってもらってもいいです。
ちなみにスイッチのついたマイクは、 司会の方が使う際、便利な場面が多いです。
Q.リハーサルのマイクチェックで、何を話せばいいの?
プロの音響さんは無口な方が多いですよね。だから、マイクチェックの時、どう振る舞えばいいのか分からないこともあります。
でも、音響さんはあなたのライブを支える一番の応援者です。ですから、リハーサルではどんどんコンタクトをとりましょう。
- リハーサル前に、セットリストを渡しておく
- リハーサル開始後すぐ、自己紹介&音響さんの名前を聞く。(*それ以降、音響さんを名前で呼びましょう。← 大事! )
- 「セットリスト○番の~~という歌を歌ってみていいですか?」など尋ねる
- 歌う間に、音響さんが調節してくれる。
- ある程度(1番くらい)歌ったら、「もう少し歌った方が良いですか?」と尋ねる。
- 音響さんの調節が終わったら、自分の要望を伝え、再度歌って調節する。
- 終わる時には、「〇〇さん、本番お願いします!」と挨拶をする。
音響さんを名前で呼ぶのは、私がプロとして様々な音響さんとやりとりして得た教訓です。
自分の歌を美味しく調理してくれる音響さんがいないと、ステージに立つことは出来ません。感謝の気持ちで接しましょう!
今回歌った楽曲はこちら。
まとめ
マイクの正しい持ち方は、持ち手の部分を持って、まっすぐ口に向ける。それだけです。
普通すぎて物足りないかもしれませんが、本物の感動を届けられるのは、変わった持ち方ではなく、正しい持ち方で届けられる美しくまっすぐな歌です。
あなたの歌がより美しく届くようになったら幸いです。