Minimal Audio Current レビュー 奇抜で新しい音を求めるあなたに。
Minimal Audio Currentは、一味変わったエフェクトプラグインをリリースしているMinimal Audioが満を持して発売したシンセサイザープラグインです。
- 練り込まれた自社製エフェクトが内蔵。
- 音作りのしやすいGUI・エンジン。
- クラウドで新しいプリセットを読み込める。
サウンドを聴きながら、Minimal Audio Currentに迫っていきましょう。
サウンドを確認する。
サンプル1:プリセットの使用
3トラックのサンプルトラックで、Currentを使っているのはドラム以外の2トラック。
ウワモノが2トラックだけというのは信じられないくらい、音が沢山入っているように聞こえるかと思います。
実際、コードを演奏しているトラックもシンプル。
Currentは、コード入力が充実しており、指一本でコードを奏でることができます。
右端で、スケールを入力すると、白鍵にコードが割り当てられます。このプリセットの場合は、9thも入力されるようになっており、おしゃれコードになっていますね。
このサンプル曲では、STRUMというツマミを回している影響で、分散和音で演奏されており、白鍵を演奏するだけで、かなり気持ちよく曲になります。
また、サンプル曲には声が入っていますが、これもCurrentの得意分野です。
Currentのグラニュラーエンジンは、かなりの逸品で、調整がしやすく狙った音を作りやすいです。色々なシンセのグラニュラーエンジンを触ってきましたが、制御しやすいと思ったのはCurrentが初めてですね。
ちなみに、Currentに含まれているエンジンは次の通り。
Currentのエンジン
- ウェーブテーブル2系統
- グラニュラー
- サブオシレーター(加算型)
- サンプル
- FM/AM
サンプル2:0から音作り
今度は私が音作りした例です。
音作りしたのは、次の音色。
これもグラニュラーエンジンを使ったものです。
普通のウェーブテーブルシンセでは作りにくい生感のあるサウンドですよね。
グラニュラーエンジンが優れているからだけではなく、エフェクトも充実していることが、Currentの音作りをしやすくしています。
その内、DISTORTIONはRift、EQはMorph EQ、DelayはCluster Delay、などエフェクトとして単品で販売されているものも含まれています。
エフェクトにはそれぞれプリセットも用意されており、選ぶだけで格好いい音になってしまいます。
プリセット選択
音色プリセットは、上部と左側の2箇所から選択できます。
まず、画面上部から。
タグ検索も可能ですが、もう少しタグが細分化されていたら選びやすいと思いました。2023年12月現在は、Pluck・Bellなどがすぐに検索できないですね。
どちらかというと、画面左側のSTREAMから検索することを勧めているようにも思います。
STREAMでは、クラウドからプリセットを読み込むことができます。プリセットは今後、徐々に増えていくようですね。
このSTREAMからは、プリセットだけでなく、ウェーブテーブル・オーディオサンプルデータもダウンロード可能です。これらを利用して、自分のサウンドを作ってね。ってことでしょうね。
【私見】音作りのしやすさ・サウンドの傾向
前述した通り、Currentは、大変に音作りしやすいシンセだと思います。
画面がギュッとつまっていて見やすいのはもちろん、充実したエフェクトが素晴らしい。
その反面、シンセで自分で音を作らない方にとっては、ちょっと敷居が高く思えるかもしれませんね。
プリセット数は、2023年12月現在は340ほどとまだまだ少なく、どちらかというと奇抜な音が多いです。
おすすめするのは、最先端のクラブ系楽曲を作りたいという方です。聞いたことのないサウンドがポンポン出てきますし、簡単に作れますから。
購入については、少し癖のある形態となっています。199ドルで永久ライセンスを購入でき、購入後1年間はAll Access可能です。
1年間は、追加されるエフェクト・プリセットを使い放題です。その後追加されるものは、ALL Accessを契約することで、期間中は使い放題に。また、ストアクレジットをもらえ、購入したりもできるようになるようです。
CPU負荷
使っているエフェクトやオシレーター数にもよりますが、CPU負荷は重めです。
オーバーサンプリング機能などもありますが、x4では、簡単に天井に到達しますね。
●PCスペック
- OS:Windows10 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:96GB
- DAW:Studio One6.5
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:1024samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上が、Minimal Audio Currentのレビューです。
奇抜な音・誰とも似ない新しい音を使いたい方におすすめできるシンセサイザーです。
今回、画面の見方等は詳しくレビューしていませんが、シンセをある程度触れる方であれば、簡単に操作できるはずです。