The Him DSP NinjaABレビュー PSRを時間軸で可視化できる革新的アナライザー

rainysongame
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The Him DSP NinjaABは、PSR(音の起伏)を時間軸で確認しながら、リファレンス音源とAB比較できるアナライザープラグインです。

  • PSR(音の起伏)を時間軸で可視化できる。
  • リファレンス音源とのAB比較が一瞬でできる。
  • 帯域別の密度感まで比較可能!

画面の見方も、簡潔丁寧にご紹介します!

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NinjaABとは?

リファレンス音源とのABテストといえば

NinjaABは、リファレンスのサンプル音源を用意すれば、ボタン一つでABテストができるアナライザープラグインです。

主に、Master段や、Studio One(Studio Pro)などでは、リッスンバスに挿して使います。

……こう聴くと思い浮かぶのは、Plugin Alliance MetricABでしょう。

MetricAB

リファレンス音源とのABテストといえば、このプラグインです。

ただ、NinjaABには、MetricABにはない、大きな優位性もあります。

その1つが、PSRを時間軸の流れを視認できることです。

PSRの流れが見られる!

Peak・RMS・PSRの説明

PSRは、クレストファクターの仲間で、簡単に言えば、「音がどれくらい呼吸しているか。ぎゅうぎゅうに圧縮されて、息苦しくないか。逆に密度が足りていないか?」といった指標になります。

参考

クレストファクターは、PeakとRMSの差。

一方、PSRは、Peakと3秒間のラウドネス値(LUFS)との差です。

低域過多・超高域過多の時に、人間はそのエネルギーをRMSほど大きく感じないという特徴があります。

LUFSは、人間の聴覚上の仕組みが反映されているため、最近ではPSRの方が指標として役立つとされているようです。

それでは今度は、「PSRが時間軸で見られたら、一体何なの?」という疑問が湧く人もいるかもしれません。

セクション間のPSRの違いを確認する。

例えば、同じ曲の中のセクション間を、PSRで確認すると、次のような思考に至ります。

BのPSRは、A3より高い。つまり、Bの方がダイナミクスが広く、息がしやすい感じ。続くセクションに向けて、一旦、音に余裕がある感じなのは良い感じ!

D1のPSRは、C3と大体同じ。D1はサビなので、もう少し差があってもいいか?Cまでをもう少し、全体的に音量を下げて、リミッターにかからないように
してみようかな……?

つまり、曲全体のダイナミクスを、目で見て考えられるわけです!

リファレンス音源との差が分かりやすい。

そもそも、「PSRをどう考えていいか分からない。」という方も多いでしょう。

そういう方こそ、リファレンス音源を見れば良いのです。

NinjaABには、DAWプロジェクトの音源とリファレンス音源とのラウドネスを揃えるボタンが付いています。

ラウドネスを揃えるボタン

ラウドネスを揃えた状態で、A/Bテストをすると、聴感上の大きさを揃えて聴き比べられます。(*細かいことをいうと、3秒短期ラウドネスの最大値を揃えるという意味です。)

そして、左下のA/Bボタンを押せば、PSRをすぐ比較できます。

ダンス音源ということもあって、全体的に、かなりPSRが低い。特に、サビであるDropでは、極端に低くなっている。

この例では、ジャンルがそもそもぜんぜん違うので、PSRの差がありすぎますね。

作るジャンルと同じリファレンスを用意すれば、自分の楽曲との差を客観的に確認できます。

参考

そもそも参考音源をどう用意するかが、知らない人にとっては鬼門かもしれません。

購入したCDの取り込み・ダウンロード音源購入が、正規のルートです。配信サービスの楽曲を分析目的でループバックなどで取り込むことについては、各サービスの利用規約や著作権法の解釈が関係します。利用する場合はご自身で確認してください。

マルチバンドでPSRを測ることができる。

こちらも神機能と言ってもいいでしょう。

クロスオーバー周波数が120Hz・2.5kHzの、3つのマルチバンド表示ができます。

Dはサビ。A~Bの平歌部分に比べて、低域に密度があり、良い感じ。

こちらも、考え方が分からない場合は、リファレンスを各帯域の密度の指標とするといいでしょう。

「なんだか、参考音源と低域の量がぜんぜん違うなー。」なんて思ったら、実際に見て確認すれば良いのです。

通常のアナライザーだと、どんどん数値が変わり続けるので比較が難しいですが、NinjaABであれば、PSRの線の高さを比較するだけなので、非常に簡単です。

セクションを自動的に切り替えて、ABテストできる。

そして、折角のリファレンス音源も、セクションを合わせて比較しないと意味がありません。なぜなら、「A・B・サビ」の各セクションで曲のダイナミクスが違うのは当たり前のことだからです。

そこで、NinjaABでは、リファレンス音源に切り替えて聴く時に、同じ名前のセクションに自動でジャンプする機能が搭載されています。

  

これによって、同じセクションの聴感上の違いを瞬時に判断できます。

ただ、各セクションの名前を入れるのは、手打ちでひと手間かかりますけど。

NinjaABの欠点

大変、便利なNinjaABですが、いくつかの欠点も見受けられます。

操作方法がトリッキー

リファレンス音源の特定の場所を聴きたい場合は、Shift+右クリックする必要があります。(おそらく誤動作防止。)

縮小・拡大は、Crtl+ホイールなのですが、私の感覚とホイールの方向が逆なのが気になります。ここの操作をいじれるようになったらいいんですが。

特殊なセクション構造の場合

セクション構造が決まっているような音楽ジャンルであれば、以下の悩みは全く関係ありませんが、一応記しておきます。

私は舞台音楽を作ることが多いのですが、舞台音楽の場合、次々とセクションが変わる変則的な構成のことがわりとあります。「A1→B1→サビ1→A2……」という流れにならずに「A→B→C→D……」といった感じでどんどん変わり続けるのです。

すると、リファレンス楽曲のセクションへの自動ジャンプを設定するには、名前を変更するなど、ちょっと手間がかかりそうな予感です。

拍子を変えると、ズレる。

四拍子を前提に作られていることもあって、途中で拍子が変わると、小節番号がズレてしまいます。

これも地味なストレスですが、入力できたらできたで、細かく入力するのが面倒くさいかもしれない……。

その他

そもそも、DAW上でもセクションを手で打ち込んでいるので、「自動的にセクション名を読み込んでくれたらいいのにー。」など。手間がかかるのは、致し方ないんですけど……。

上記、かゆい所に手が届かない所はありつつも、PSRを時間軸で確認できるという神機能の前では、正直小さなことだとは思います。

CPU負荷

軽いです!

PC環境
  • OS:Windows11 64bit
  • CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core] 
  • メモリ:96GB
  • DAW:Studio One7.1
  • サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
  • バッファーサイズ:1024samples
  • オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4

まとめ

以上が、The Him DSP NinjaABのレビューです。

アナライザーは得てしてそうですが、「見たらMIXがよくなる!」というわけではありません。 各値の意味を知って、参考音源と比較してどうなのかを考える必要があります。

とりわけ、曲のダイナミクスを判断するのであれば、NinjaABは超高性能な顕微鏡です。本記事で、NinjaABの画面の見方が大体分かったら、後はリファレンス音源という最高の教材から学び放題ですね。

最後に、リファレンス音源の選び方についてです。
絶対的に正解のリファレンス音源はありません。

大切なのは、あなた自身が「この音、気持ちいいな」と感じる音源かどうかです。「低域の出方、奥行き、広がり方、密度感……。」MIXとして好きだと思える音源を選べば、それがあなたにとって最高の教材になります。

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こんな作品、作ってます。

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プロフィール
渡部絢也
渡部絢也
舞台音楽・子ども向け音楽を手がける 作曲家&歌うたい
物語と日常に寄り添う、
伝わる音楽を。


秋田の山あいで暮らす二児の父。
舞台&子ども向け音楽の両分野で、
言葉や物語がきちんと届く音楽づくりを行っています。

・YouTube500万再生
・総再生14万時間超


舞台・企業・行政案件などの制作実績あり。

自分が歌い手だからこそ、 歌い手が心を込められる曲を書くのが得意です。
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