Pulsar Primavera レビュー 多彩な音作りが可能なスプリングリバーブ
Pulsar Primavera(プリマヴェーラ)は、多彩な音作りが可能なスプリングリバーブです。
- 6種類のスプリングリバーブ
- プリアンプ部も秀逸で、気持ちが良いサウンド。
- IRではなくアルゴミックを選択したことで、幅広い調整が可能に。
パラメーターが実にPulsar Audioらしい気の利き方で、うならされました。
サウンドを聴きながら、Primaveraに迫っていきましょう。
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Primaveraのサウンドを聞いてみよう。
トラック全体で聞いてみる。
3トラックのダブ風のサンプル曲です。
- ドラム:Primaveraを4種類使用
- エレキ
- ベース
スプリングリバーブ特有のピチョーンというサウンドが気持ちいいです。
一つずつ見ていきましょう。
エレキ
③を聞くと、歪みが足されていることに気付くと思います。これはPrimaveraのプリアンプを使用したことによる歪みです。
EGtを実際に弾く方は、ぜひプリアンプ部のDRIVEを上げた状態で弾いてみて頂きたいのですが、非常に気持ちが良い音です。
ちなみに、Driveを0にすると、次のようになります。
リバーブ自体もとても良い音に調整できたと思います。Primaveraを使えば、特にエレキの音作りはしやすくなりそうですね。
Primaveraの信号の流れ&各種つまみ
ちなみに、Primaveraの、信号の流れは以下のとおりです。(マニュアルを参考)
フィルターは、リバーブに入る前にかかるというのがミソですね。
見慣れないEXCITATIONというツマミは、マニュアルによると「楽器のアタックがプラグインを通過する際にアンプに小さな衝撃が加わるのをシミュレートします。」とのこと。
値が0と10を聴き比べてみましょう。
⑥では、高域のピチャピチャとした音が入っているのが分かるかと思います。
他には、
- Width:ステレオ感を調整
- Ducking:原音の大きさに応じて、リバーブ音を小さく出来る。
- Presence:リバーブ音の高域を強調する。(信号Signal上のどこで作用するかは不明)
などがあります。
スプリングリバーブで音作りをすると、Mixを50%以上にして、原音よりリバーブ音を大きくすることもあると思いますが、その後にVolumeノブで全体の大きさを調整できるのも素晴らしいです。
ノブの配置がとても合理的で、操作しやすいですね。
ベース
ベースに使っても、良い作用がありました。
⑧のベースのサウンドは、いい感じにイナタくすることができました。ダブ系の楽曲にはぴったりです。
ちなみに、Primaveraのプリセットは多く収録されています。
今回のサウンドは、エンジニアの方のフォルダの中にあったものを、微調整しました。
ドラム
ドラムは4種類のPrimaveraを使用しました。
このドラムを聞くだけで、彩り豊かなサウンドが出せることは分かるはず。
ピチョーン。ワァァン。パァァン。
モデルの差もそうですが、リバーブ部に送られる前のフィルターで、音がかなり変えられます。
- ローパスして、ピチョンという音が入りすぎないようにする。
- スッキリさせるためにハイパスする。(だけど、スカスカになりすぎない。)
6種類のリバーブモデルを切り替えながら、多彩な音作りが可能なわけですね。
他社プラグイン比較
- Amplitube5内のスプリングリバーブ
- Softube Spring Reverb
- Black Rooster Auido RO-SPR
- Boz Degital Recoil(私は、デモ途中)
辺りと、比較してみました。
IK Amplitube5
まず、Amplitube5のスプリングリバーブは、モノラルのため、ステレオ感を持たせたスプリングリバーブは作ることができません。
ダッキングができないので、Amplitube内で空間系を入れることは、私はほとんどありませんね。
Softube Spring Reverb
Softube Spring Reverbは、音の質感は私は好きですが、バリエーション自体は少ないのが玉にきずでしょうか。
ダッキング機能はないので、今回はTechivation M-Blenderを使って混ぜています。Softube Spring Reverbのメリットは、めちゃくちゃ安くなることがあること。
Black Rooster Auido RO-SPR
Black Rooster Auido RO-SPRは、Primavera以前の第1候補でした。こちらも、ダッキングはTechivation M-Blenderを使用。
悪くはないのですが、バネの感じがあまり出せないのが不満点の一つでした。
Boz Degital Labs ReCoil
Bozの新作で、気になってデモっていた製品です。
IRとアルゴミック、どちらも使えるのが特徴。EQはリバーブ成分に対してかけるものなので、サウンドの微調整に留まります。
どちらかというと、スプリングの種類を選ぶことにより、音作りの幅を持たせているようですね。
Pulsar Primavera
最後に改めて、Primaveraです。
機能を切り取ると、
- プリアンプが付いている。
- リバーブ前にフィルターが付いている。
- 6種類のリバーブとEXCITATIONの搭載
- ダッキング内蔵
辺りが、他の製品との違いになってきます。
他社製品に比べて、音作りの幅が広いのが、何よりのウリだと感じました。
CPU負荷
オーバーサンプリングなし、2・4・8倍と選択できます。
さすがに、OS8倍は高いCPU使用率となりますね。
●PCスペック
- OS:Windows10 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:96GB
- DAW:Studio One6.5
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:1024samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上が、Pulsar Primaveraのレビューです。
リバーブ前のフィルターで、音作りの幅がグンッと広がるのには驚きでした。(他のプラグインを使う場合は、センドしてリバーブの前にEQを挿すことで再現は可能。)
バネを感じるサウンドや、信号の流れに沿った合理的なノブ配置など、Primaveraは良いスプリングリバーブが欲しい方にとっては魅力的な製品だと思います。
相変わらず、GUIが美しいのもPulsar Audioならではですね。
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