Techivation M-Blenderレビュー 簡単に混ざるサイドチェインプラグイン
Techivation M-Blenderは、なじまない音同士を簡単に馴染ませるサイドチェイン専用エフェクトです。
競合プラグインとしては、Wavesfactory Trackspacer・Oeksound Soothe2・Sonible smart:comp2などがあります。
本記事では、各エフェクトを比較しながら、後発であるTechivation M-Blenderのサウンドの感触を確かめていきます。
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使い方
M-Blenderなどのサイドチェイン専用エフェクトを使う手順は簡単です。
- サイドチェイン専用プラグインを、優先度の低い方のトラックに立ち上げる。
- サイドチェインのルーティングをする。
①例えば、キック・ベースの帯域がごちゃついて、馴染みが悪い場合。よりキックを目立たせたいとするのであれば、優先度が低いベースのトラックにM-Blenderを立ち上げます。
②サイドチェインの設定は、各DAWによって違いますが、Studio Oneで最初に立ち上げた場合は、次のようなヒントが立ち上がりました。(もしかしたら、各DAWで画像が立ち上がるかも?)
さぁ、実際に設定してみます。
それではサウンドで比較をしていきましょう。
サウンド比較をする。
ドラム・ベースの2トラックで試してみます。
キックとベースの馴染みに注目して聞いていきましょう。
リダクションさせてから、ゲインを上げていませんので、ご了承を。
まずはバイパスから。
バイパスはキック・ベースが重なり合って混雑し、キックが抜けてきません。
Wavesfactory Trackspacer
キックは聴きやすくなっていますが、32バンドのEQでのリダクションのため、ちょっと大味にかかるのが特徴です。Trackspacerは、「明らかに削ったな。」というのが分かってしまうことがままあるので、私は現在使うことはありません。
ただ、操作は楽ですし安いプラグインでもあり、レイテンシーは0msと、今回比較する他のエフェクトに比べると、最短です。(レビュー記事も書いています。)
Sonible Smart:Comp2
キックがかなり抜けて聞こえてきますね。ベースの音が若干硬く変化して聞こえるのも特徴かと思います。レビュー記事はこちら。
サイドチェインの場合は、AI自動設定があまり良くないと私的には思うので、設定値は自分で変化させる必要があります。この辺が面倒くさい方がいるかもしれません。
Oeksound Soothe2
Soothe2の場合は、よりリダクションしたい帯域を持ち上げることで、微調整できるのが売りです。ベースの音はそれほど変化がないように感じるでしょうか。(レビュー記事はこちら。)
Techivation M-Blender
M-Blenderは、全体的に音が馴染んでいるように感じます。キックも存在感があります。そして、ベースの音は、若干丸く甘いサウンドに変化しているように私は感じました。これは、前作M-Compressorでも感じた変化ですね。
Modo Bass2で打ち込んだ、わりと打ち込みっぽいベースですが、M-Blenderで処理した後の方が生っぽく自然に聞こえるかと。毎度ながら不思議です。
また、M-Blenderの設定はTrackspacer並にノブの数が少なく楽なのが特徴です。
そして、Softnessで質感変化できるのに、正直驚きました。今回の場合はSoftnessを上げると、よりキックのサブローの迫力が増して聞こえました。簡単操作で質感変化しながらダッキングできるというのは、M-Blenderの大きな特徴かと思います。
ちなみに前作M-Compressorでもサイドチェイン機能がありました。試しに比較してみましょう。
⑥M-Compressorでも、キックに合わせてベースをダッキングさせることができていますね。⑤に比べると、キビキビした音に感じますね。Release値で音の印象が結構変化しました。
M-Compressorはノブが多い分、良い所まで辿り着くのに、M-Blenderに比べると時間がかかるようには思います。
比較まとめ
こうして聴き比べてみると、各プラグインの特徴が見えてきます。
まず、ベース自体の音の変化が結構ありました。smart:comp2は、硬くなる。Soothe2は、印象があまり変化なく、M-Blenderは打ち込みのベースが柔らかく生っぽい質感になっていました。
*ただし、Soothe2は高域のリダクションがある場合、嫌な音質変化をする場合があることは、M-De-Esserの記事でも比較検証しています。今回は低域のリダクションのみだったので、そこまで音質変化を感じなかった……ということかな、と。(要するに適材適所ですよね。)
操作の簡単さは、Trackspacer・M-Blenderが2強です。しかし、M-BlenderはSoftnessというツマミで質感を調整することができるのがでかいです。キックのサブローの迫力がモリモリと湧いてきて、とても驚きました。これは実際にデモで試して頂きたい所。
また、M-Blenderはトラック同士を馴染ませるのが一番の効用ですが、Trackspacerは場所を空ける効用です。ナレーションに対するBGMのダッキングなどは、Trackspacerに軍配が上がります。楽器同士をMIXするのであれば、M-Blenderの方が優れていると私は思います。
M-Blenderは、Mixノブが他のプラグインに比べて大きく場所も相まって、変化させた音と原音を混ぜるのもワークフローの中で自然に試すように感じます。
CPU負荷
M-BlenderのCPU負荷は2%ほど。他のサイドチェインエフェクトと変わりありません。
レイテンシーが42.7msかかりますが、Soothe2とは全く同じ。smart:comp2は43.9ms。
●PCスペック
- OS:Windows10 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:96GB
- DAW:Studio One6.5
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:1024samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上が、Techivation M-Blenderのレビューです。
「簡単操作で混ぜられる」に加えて、Softnessで質感も変化できるダッキングプラグインということで、重宝する人は多いように思います。
Softnessの変化については、実際にデモって、ぜひ確かめて頂きたい所です。
追記(2024/5/13)
M-Blenderの発売以降、様々なシチュエーションで使っています。
M-Blenderはやはり、名前の通り混ぜるのに使える。という印象です。ノブの最大量を使っても、ドギづくはかかりません。
- 歌をサイドチェインに、伴奏に使う。
- ドラムをサイドチェインに、ベースに使う。
- 原音をサイドチェインに、リバーブ音に使う。
など、様々な場面で使えます。
一方、わざとらしくスペースを空けたいという場合は、M-Blenderでは豪快にかけられない分、Soothe2を筆頭に、他のプラグインに手を伸ばしています。(例えば、ベースに対するキックの抜けをかなり強烈にしたい場合など。)
既に、他のサイドチェインプラグインを使っている場合でも、どちらのプラグインも使う機会はありますので、M-Blenderは無駄にはなりません。(というか、M-Blenderの方が使う機会が多い。)
Techivationの中でも、かなりオススメできるプラグインです。
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Techivationの他のプラグインが気になった方は、全プラグインレビューも参照下さい。