Toontrack Drumopolis SDX レビュー 録音で完成しているドラム音源

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Toontrack Drumopolis SDXは、伝説的プロデューサー Tony Visconti(トニー・ヴィスコンティ)が監修したSurperior Drummer3の拡張音源です。
- 一見地味だが、アンサンブルに入れた瞬間に完成するドラム音源
- ミックスで作るのではなく、録音段階で音像が設計されている。
- Hi-Fiではないのに心地よい。ルーム感を活かしたい曲にぴったり。
サウンドを聴きながら、Drumopolis SDXに迫っていきましょう。
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Drumopolis SDX 私見
今回、Drumopolis SDXを触ったはじめの印象としては、State of the art SDX・Stockholm SDXなどと同様に、「一見すると派手さがない音に感じる」というものでした。
くすみつつ、濃厚。
どちらかというと、暗めな印象のサウンドです。
私がよく扱う、Stories SDX・Hitmaker SDXなどと違って、明確にHi-Fiではない方向性で音が作られています。
そんなDrumopolis SDXですが、サンプル曲をいくつか作ってみると、驚くほど使いやすい音源だということが分かりました。
それは、Tony Viscontiという伝説的プロデューサーの音作りの哲学のもとに作られている音源だからです。この記事では、実際のサンプル曲を交えた感触と、Tony Viscontiについて深堀っていきます。
Drumopolis SDXのサウンド
Tony Viscontiが有名なのは、T.REX、David Bowieといった、グラムロックのプロデュースです。これについては後述するとして、Lo-Fiで退廃的な香りが漂うロックと言うと想像しやすいかもしれません。
まずは、そちらのアプローチでサンプル曲を作ってみました。
グラムロック風
最初は、「胸が沸き立つようなサウンド」には聞こえなかったのは正直な所。
……ですが!!
ドラムのMIDIグルーブを鳴らしながら、エレキを繋いで鳴らした瞬間、
「あ……!!!」と瞬時に理解できました。

エレキ・ベースを加えて、アンサンブルにした時に、何もせずとも完成した状態のMIXになっているのです。
これはグラムロック風の楽曲を作りたい人には、ファーストチョイスになるサウンドでしょう。
ミックスでなんとかして音を作るのではなく、録音の段階でここまでのサウンドを作り出しています。事実、Tony Viscontiのプリセットには、ほぼエフェクトがかかっていません。

この手の音楽を作るのであれば、非常に創作意欲を掻き立てる音源です。
ロック系
ギターの音色を変えて試したいと思ったのが、以下のサンプルです。

適度な抜け感があり、耳心地良いですね。
とはいえ、やはりHi-Fiというわけではなく、耳の痛い帯域はありません。
キックも、ドンっと太い帯域が強調されつつ、高域の硬さはなく非常に好みです。
クラッシュはおとなしめですが、連打したりしても邪魔にならないでしょう。
アコースティック系
それでは、ロック系しか合わないのか?と思い、ピアノをあててみたのが次のサンプルです。

これは、Drumopolisに含まれる2種類のルームの内、Drumopolis ISOで収録されているプリセットです。こじんまりとした部屋ながらも、しっかりとルームも収録されており、印象的な仕上がり。
Drumopolisのルーム感に馴染ませるため、ピアノは、音源のルームマイクを足してみました。ベース・シンセも、リバーブでルーム感を演出してます。
このようなルーム感を大事にしたい楽曲を作る場合には、本SDXは非常に役に立つでしょう。特にドラムのMIXをいじらずとも、非常に心地よい音です。ドラムの音作りに全体のMIXを寄せていく方向性というのは、楽ですし、今までの自分にないニュアンスを取り込む優れた方向だと改めて感じました。
また、Drumopolis SDXは、シズルシンバルが収録されており、このサンプルでもクラッシュにチェーンが付いたサンプルを使っています。これによりチェーンのシュワーンとした音が追加され、高域をテクスチャ的に彩ってくれています。(*ただ、GUIでチェーンは表示されないので、名前を見て判断する必要があります。)
Tony Viscontiとは?
T.REX、David Bowieの音楽プロデューサーとして有名なトニー・ヴィスコンティですが、具体的に楽曲を聞いていくと、どういう音が本SDXで演奏可能かが分かりやすくなると思います。
このエピソードは、Eventide Tverbのレビューの時にも見たことがありました。
実際の所、Heroesを聴きながら、Drumopolisを鳴らしても、全く違和感なく調和して聞こえます。これはすさまじい……。
分かりやすい解説です。
空間も含めて、完成形として最初から録音されたSDXというのが、Drumopolis SDXを語るのに相応しい言葉なのではないでしょうか。
Drumopolis SDX 特記事項
今作のレコーディングエンジニアを務めたLiam Nolan(Adele「25」を担当したエンジニア)のプリセットも収録されています。
同じサンプルを使っていても、EQ・76系コンプを使用して、わりとタイトでアグレッシブな音でまとめられている印象。
以下、同じキットのTony Visconti・Liam Nolanの違いです。
Liamのプリセットをみると、EQで高域が足されたり、76系コンプでパンチを演出しているのが特徴的です。

一応、Ambientと名の付いたプリセットなのですが、Tony Viscontiのプリセットに比べると非常にデッドに聞こえますね。
そこで、Drumopolisで特におすすめのマイクをご紹介します。それが、Stone Roomです。

このスペースにはドラムセットは設置されていませんでしたが、石壁の表面で音が反響して生まれる独特の残響を捉えるため、ステレオのリボン型ルームマイクが設置されていました。ミキシングの際に加えるのに最適な、豊かな自然なアンビエンスが得られました。

このように、タイトなキットに簡単に残響を足したりもできます。
また、Periscope Compというマイクは、Periscopeというキャラクターが強いマイクに強めのコンプをかけたチャンネルで、こちらも手軽に荒々しさを加えられます。
CPU負荷
中のエフェクト次第でCPU負荷は変わりますが、トニー・ヴィスコンティのプリセットは、ほとんどエフェクトがかかっていないので、軽いです。

- OS:Windows11 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:96GB
- DAW:Studio One7.2
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:1024samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上が、Toontrack Drumopolis SDXのレビューです。
自分が、「Hi-Fiで繊細なドラムに惹かれていた」のは自認していましたが、逆にDrumopolisには「高域の情報量だけが繊細さではない」と、教えられました。
触った直後と、実際にサンプル曲を作ってからの印象が、これほど変わった音源は私には珍しいです。Hi-Fiなドラム音源をEQなどで丸くして作り上げるのではなく、最初から空間を含めて仕立て上げられた音源として、最高峰なのではないでしょうか。
事実、私は最初は色褪せてくぐもって聞こえていたはずなのに、今は様々なマイクをフェーダーで動かすだけで、その美しさに唸り続けているレベルです。
他のSDXも、もちろん空間のマイクもいくつもあるのですが、どうフェーダーを動かしても破綻しないDrumopolisの懐の深さと信頼感は、非常に頼もしいものだと感じています。
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