SubLabレビュー サブベース専用音源 うなる低音を。
VST音源 レビュー

SubLabレビュー サブベース専用音源 うなる低音を。

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SubLabサムネイル画像
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Future Audio Workshop(FAW)のサブベース専用音源SubLab

サブベースとは、約60Hz以下の低音域で奏でるベースで、地を這うようなサウンドが特徴です。HIPHOP・Trapなどのジャンルでは定番の音色で、EDMでも使われる楽曲があります。

サウンドを聴きながら、Sublabの特徴に迫っていきましょう!

また本記事では、拡張サウンドパックの音を全部ご用意しました。ぜひご参考下さい。

*Sublabの強化版であるSublab XLのレビュー記事も公開しました。

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Sublabの特徴

おもしろいプリセット機能

プリセットの仕様がおもしろいので、先にご紹介します。

SubLab:最初からサウンドパックが複数登録されている。

収録されているのは、基本的には全てサブベースなのですが、作った人やサウンドコンセプトによって、サウンドパックが分けられています。

最初から入っているのは6種類+無料追加1種類です。

  • Analog Machines:12個 温かいアナログサウンド
  • Crushed:10個 ヘビーにディストーションされたサウンド
  • Divine Bass:10個 Trap制作者向けの教育者が作ったサウンド
  • Hits DNA Vol.1:15個 ヒット曲の再現サウンド
  • Pure Subs:12個 キックドラムがある時にレイヤーできるピュアなサウンド
  • Richie Souf:10個 アトランタのプロデューサーによるシグネチャー
  • Best of Bundle(無料パック):全ての拡張パックから選ばれた12個のプリセット

以上、81のプリセットが最初から入っています。(*無料パックは追加の必要あり。)

中でもおもしろいと思ったのは、Hits DNAですね。

SubLab:ヒット曲のサウンドを再現したプリセットを収録。

Youtube上で13億回を超えるDrake – God’s Planを再現したサウンドであったり、8億回超えるKendrick Lamar – HUMBLE.など、実際の曲名をプリセット名として採用しています。

サブベースを使っているヒット曲の逆引きをして、使い方やサウンドを学んだりするのにも使えますね。

後から詳しくご紹介しますが、追加の有料のサウンドパックもあります。10$と安価なため、サブベースを多用する制作者にとっては、魅力的だと思います。

サウンドを聴いてみよう。

今回は検証用に、4小節の楽曲を2曲制作しました。

音源の下に書いてあるのは、プリセット名です。

Hits DNA vol.1:Mask Off を調節
Crushed:Face Lift

Sublabをヘッドホンで鳴らすと、脳天が揺れるような野太い音が最初から聞こえ、まずそこに驚きましたね。密度が十分にあり、音は大きく感じるのに、なめらかで心地よいサウンドなのです。

最初から使える音が出る上に、エディットも簡単で、効果が見えやすいです。

他のシンセサイザー、例えばFalconにはBass-Subというカテゴリがありますが、ことサブベースに関してだけを比べれば、出音の迫力は圧倒的にSublabの方が良いと感じました。

サブベース専用音源で、ヒット曲の再現サウンドも収録。サブベースならSublabを使えば間違いない!という安心感がありますね。

Sublabの中身解説&音作り

Sublabは、動画マニュアルのみで、PDFマニュアルがありません。

本記事をマニュアルのように使って頂けたら幸いです。

3つのエンジン

Sublabのエンジンは3種類です。

SubLab:3つのエンジン(Synth・Sampler・X-Sub)ミキサーで音量バランスをとる。アイコンをクリックで、オン・オフ切替。

Synth

波形(sine・triangle・saw・square)を選ぶ簡単なシンセサイザーです。

SubLab:Synthセクション

OctaveとTune(半音単位の変化)を操作をして、リード楽器的に使うことも可能ですし、高域に特徴のあるベースを作ることも出来ます。

上段のグラフ部分は、Vol・Filter・Pitchの操作が可能です。ADSRなので、シンセの基本が分かればすぐに使えます。↑の写真で説明すると、

  • Vol:音量操作。上の写真は、出だしが大きくなるアタックのある設定。
  • Filter:周波数変化。下記別途説明します。
  • Pitch:音程変化。上の写真では、最初に音程が一気に上がって、元の音程に戻る変化。これにより音にアタックが生まれます。

若干分かりづらいのがFilterですね。

SubLab:Filterの説明
つまり、音の出だしだけカットオフが上がって、高域が強調される動きに。

下部のFilterセクションに入る量が100%で、amountが0の場合、Filterのモジュレーション変化はなくなり、ただ1.1kHzのローパスがかかった状態になります。

Sampler

収録されているサンプルから選ぶことも可能ですし、PCから波形データをドラッグして放り込んでもOK。(ちなみに、約250種類の波形データが一緒に付いてきます。)

SubLab:Samplerセクション

データを解析して、音程を自動判断してくれます。

また、ループボタンを押すと波形をループできるのですが、スタート・エンド位置が良い位置に自動で吸い付くようになっており、途切れないベースサウンドが簡単に作れます。波形部分を上下にドラッグすると、波形の拡大縮小も可能。

ループボタンの横のtrackボタンを押すと、鍵盤によって音程が変わります。キック素材を使う場合はオフにした方が良いです。

右下部分で音を調整可能です。

  • impact:マキシマイザーをかけて、音を太くする。
  • delay:時間分だけ送らせてから発音させる。
  • lo-cut&hi-cut:フィルターで音の調整。

音量・フィルターのADSRに関しては、Synthでの設定が共有されます。loopをさせた場合に、リリースを調整したい場合はSynthセクションで行います。

X-Sub™

サブベースは特性上、スマホのような小さなスピーカーでは再生しがたく、通常は歪ませたり、倍音を追加する手法がとられます。

Sublabは、外部のエフェクトに頼ることなく、あらゆる環境で安定したサウンドが得られる独自のX-Sub™テクノロジーを生み出しました。(と、めっちゃ仰々しい書き方ですが。)

どういうことかは、下のアナライザーを見ると分かりやすいですね。

SubLab:Masterセクションのアナライザー
紫がX-Sub・緑がSynth

Synthエンジンの音より低い位置を、X-Subエンジンが補強しています。

かなり低い音域のため、通常は小さなスピーカーでは存在が皆無になります。X-Subでは、ハーモニクス(倍音)を混ぜることにより、存在感を高めている。ということです。

SubLab:X-Sub説明

harmonicsは左右ドラッグで倍音の種類を変化させ、上下ドラッグで量を変化させます。

X-Subの音自体は派手な音ではなく、混ぜると全体的にどっしりとして、腰が据わった音になります。

X-Subの音量ADSRも、Synthエンジンのものと共通です。

エフェクト

SubLab:エフェクト説明画像

エフェクトは2つ。サブベース専用音源らしく潔いですね。

distortion

SubLab:Distortionに送る量

distortionの種類は、個性が立っている4種類です。下記は私の感想です。

  • darkdrive:音の印象はそのままに太くなる。
  • overdrive:darkdriveより明るい音色変化
  • grunge:キテレツで、大変おもしろい歪み方。
  • tube:真空管的な格好良い歪み方。

distortionに送る量は、ミキサーの音量も関係しています。激しく歪ませたい場合は、ミキサー側を大きくして、distortion側のgain(最終的な出音量)を絞ればOK。

compressor

SubLab:compressorに送る量

s-chainはサイドチェイン機能です。Sublab内で、Samplerエンジンの音をトリガーにして、synthエンジンにコンプをかけられます。

使い方は、s-chainをONにして、Synth:100%・Sampler0%に設定すればOK。

下記Videoで解説しました。

Glide

グライド設定は、画面の左下から可能です。

グライドは、音程のノートを繋ぐ時に、ピッチを緩やかに変化させることです。

SubLab:Glide画像

グライドタイムをDAWのテンポに合わせることが出来る機能が付いています。便利だ。

レコード機能

おもしろい機能に、作った音を波形化できるボタンがあります。

SubLab:Sample(レコード機能)現在の音をレコーディングして波形化できる。

これにより、作った音をSamplerセクションにドラッグして、素材として使えます。

この機能は音作りのVideoでも活用しています。

Masterセクション

かなり考え抜かれており、思わず私が感嘆の声を上げた部分です。

SubLab:Masterセクション(全体の音量調整・マキシマイザー・ステレオ感調整)

マキシマイザーをかけると、一体感が出たり、迫力が増したりします。(加減はその都度しましょう。)

サブベースなのにWidth!?と驚いたのですが、低音域はモノラルのまま、中高域に広がり感を出すという処理になっており、びっくりするほど立体感が生まれます。

一つのプラグイン内で、サブベース作りを終えられます。マジですごい。

【Video】0から音作り

0から音作りをしてみた例を、ビデオにしてみました。

かなり快適に、新しい音を作ることができるのが分かると思います。

参考

ビデオ内で、Widthをウィドスと読んでいますが、正式にはウィッズと読むそうです。気をつけましょう、俺よ。

プリセット・サウンドパック

サウンドパックの追加の仕方

サウンドパックの追加は非常に簡単。

SubLab:サウンドパックの追加の仕方

私はPlugin Boutiqueから、Sublabを直接ダウンロードしましたが、Zipファイル中に無料追加パックが最初から同封されていました。

上記の方法で、Best of Bundleを追加しましょう。

【音あり!】有料拡張サウンドパックの紹介

前述したとおり、10$で追加のサウンドパックが購入できます。

使えるサブベースの音色が簡単に増やせます。2022年2月現在のラインナップは次の通り。

プリセット名個数特徴
Crushed II15ヘビーで歪みと圧縮の効いた808のコレクション第2弾
DECAP – 808s That Knock32DECAP(JAY-Z、Nicki Minaj、Niall Horanなどをプロデュース)が作ったサウンド
Divine Bass II10ヒップホップ、トラップ、フューチャーベースなどのジャンルのサウンドデザインをするSean Divineのプリセット第2弾
Hits DNA
Vol. 2
17DaBaby, Megan Thee Stallion, A$AP Ferg などの楽曲から808サブを緻密に再現
Hits DNA
Vol. 3
15Travis Scott、Pierre Bourne、Rick Ross などの楽曲から808サブを緻密に再現
Richie Souf
Vol. 2
10アトランタのプロデューサーによるシグネチャー第2弾
リンクをクリックで、私のレビューに飛びます。

それぞれの特徴を、サウンド・私の感想と共にご紹介します。

サウンド2小節ごとに切り替えて、プリセットを回しています。長いのでサンプルレートが低めです。ご了承下さい。

Crushed II

Crushed II

ヘビーで歪みと圧縮の効いた808のコレクション第2弾

少し派手目かつ使いやすい音が多い印象。
数個「どうやって使おう!?」というのもあるけど。

商品ページ


DECAP – 808s That Knock

DECAP – 808s That Knock

プロデューサーDECAPが作ったサウンド

癖がない音が多く収録されている上に、一番プリセット数が多い。

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Divine Bass II

Divine Bass II

Trap制作者向けの教育者が作ったサウンド 第2弾

キックは別に用意するのを想定しているのか、アタック感が少ない音が多い印象。

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Hits DNA:Vol. 2

Hits DNA:Vol. 2

DaBaby, Megan Thee Stallion, A$AP Ferg などの楽曲の再現

これがヒット曲のサブベースか~。と感慨に耽ることができる。前述した通り、元の曲で使い方を学べるのがありがたい。

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Hits DNA:Vol. 3

Hits DNA:Vol. 3

Travis Scott、Pierre Bourne、Rick Ross などの楽曲の再現

特徴的なサウンドも多く、どうやって活かしているのか原曲漁りがますます楽しくなりそうなサウンドパック。

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Richie Souf Vol. 2

Richie Souf Vol. 2

アトランタのプロデューサーによるシグネチャー第2弾

ピッチ変化で特徴のある音が多い印象。音作りの勉強になりますね。

商品ページ


併用推奨プラグイン

サブベースは、ミックスの中でも最も難しいと言っても過言ではないローエンドで鳴る音色です。

そのため、耳で十分にローエンドを確認できない環境にある場合は、音量を大きくしすぎて低音が飽和してしまうこともあり得ます。

適切な量の補正をしたい場合には、下記のようなプラグインを併用し、参考にすることをオススメします。(絶対ではなく、あくまで参考にしましょう!)

iZotope Tonal Balance Control2

ジャンルに合わせて、適切なEQ量を把握できるプラグインです。

以下の画像では、40Hz以下がオーバーしているので、低音量が多すぎることが分かります。

Tonal Balance Control2 参考画像

Sublabであれば、X-Sub™の原音部分の音量を小さくしても良いでしょう。

Mastering The Mix BASSROOM

こちらは低音専用のEQプラグイン。マスター段に使って、ジャンルに応じたEQ量を提案してくれます。

BASSROOM参考画像

この画像も、40Hz以下の量が出すぎていることが分かりますね。

BASSROOMは選んだジャンルによって、検知の量がかなり変化します。リファレンス音源があれば、読み込ませた上で使いましょう。

CPU負荷

SublabのCPU負荷はそこそこですが、シンセでは通常の範囲かと思います。

SubLab:CPU

画像処理の影響か、音を出しながらプラグイン画面を開くと、一瞬ノイズが入ります。ですが、プリセットの切替は一瞬ですし、各種ノブ操作も大変軽快です。

●PCスペック

  • OS:Windows10 64bit
  • CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core] 
  • メモリ:64GB
  • DAW:Studio One5.4
  • サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
  • バッファーサイズ:512samples
  • オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4

まとめ

以上が、Future Audio Workshop Sublabのレビューです。いかがでしたでしょうか?

サブベースを使うジャンルの楽曲を作る場合は、マストバイの音源です。

音源として優れているだけでなく、音作りやTrap・HIP HOPの楽曲制作の勉強にもなり、成長に繋がるプラグインですね。

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*Sublabの強化版であるSublab XLのレビュー記事も公開しました。

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プロフィール
渡部絢也
渡部絢也
作編曲家・シンガーソングライター
「地方にいながら、音楽でご飯を食べる」で早15年。東北秋田で田舎生活しながら、音楽にいそしむ。ミュージカル等の舞台音楽、CM音楽・ファミリー向け楽曲を手掛ける。

歌詞が伝わる歌を作るのが得意。

・音楽制作依頼(舞台音楽・CM楽曲等)
・ブログ運営(音楽理論&プラグイン解説)
・教材販売
・ファミリー向けの作品づくり
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