Native Instruments Komplete14レビュー:おすすめプラグインピックアップ!
Native Instruments Komplete14は、ほぼすべてのジャンルを網羅する総合音源・エフェクト集です。
Komplete14は、4種類のグレードに分かれています。
- KOMPLETE 14 SELECT
- KOMPLETE 14 STANDARD
- KOMPLETE 14 ULTIMATE
- KOMPLETE 14 ULTIMATE Collector’s Edition
各グレードの収録プラグイン一覧は、Native Instrumentsの公式ページを見ると便利です。本ページでは、各グレードごとのおすすめ・有名どころのプラグインを紹介していきます。
本記事は、Komplete13を自費で購入の上、執筆しています。私自身は、まだKomplete14の導入をしておりませんが、Komplete14においても、参考になるはずです。
KOMPLETE 14 SELECT
まずは、一番お値段の手頃なKOMPLETE 14 SELECTからご紹介。
【ディレイ】REPLIKA
上位のグレードだと、Replika XTというのもありますが、無印でも十分働いてくれます。
RREPLIKAの何が良いって、Diffusionという、ディレイとリバーブが混ざったようなモードです。これとピアノの相性が抜群です。
神秘的な音を作りたい時には、かなりおすすめできます。
【オルガン】VINTAGE ORGANS
VINTAGE ORGANSが良いのは、プリセットがジャンル毎になっている所です。
あまりオルガンに詳しくなくても、音選びが出来るので、とても重宝しますね。
他に良いオルガン音源を持っていなければ、十分満足の音源です。IK Multimedia Hammond B-3Xを購入するまでは、私もよく使っていました。
【グルーコンプ】SOLID BUS COMP
グルーコンプというのは、いまいちまとまりがないバス・マスターにかけると、まとまった感じの音になるコンプレッサーです。
ドラムだと、私がBFD3を使っていた時には、SOLID BUS COMPをよく使っていました。
SSL系コンプの身がつまった感じのサウンドへの変化を感じましょう。(とはいえ、ドライ音をかなり混ぜているので、聴き取るのが難しいかなぁ。)
画像の右側にある、OutPutがコンプを通った音で、Dryが原音です。2つの音を混ぜて音作りします。
SSL系コンプを他に持っていなければ、使えるエフェクトだとは思います。(が、何にでも無理やり使わなくても大丈夫。身のつまったサウンドにしたい時に使いましょう。)
私個人的には、今はBFD3ではなくSuperior Drummer3を使うようになり、そもそもドラムに対するグルーコンプの必要性をあまり感じなくなりました。(最初から、まとまりのある音ですし、内部エフェクトも充実しているので。)
また、バスやマスターでグルーコンプを使う時はPulsar Muを使うため、あまり使うことがなくなりました。
【シンセ】MONARK
Minimoogというアナログシンセをエミュレートしている音源。
単音モノしか出せませんが、太いベース・リードは魅力あり。
REAKTOR6の中から開くので、存在を忘れがちかもしれません。たまに思い出してあげましょう。
【ウェーブテーブルシンセ】Massive
Massiveは、ウェーブテーブルシンセとしてかなりの有名所で、一昔にはよく使われていた音源。ですが、今は出音がちょっと古く聞こえますね。
Tipsビデオや記事がかなり多いので、Massiveでシンセを学ぶと、他のシンセでも勉強にはなります。
でも今からなら、他のシンセで勉強しても良いですね。
私的には、シンセ超初心者がシンセを学ぶなら、公式ビデオが充実しているANA2がおすすめです。ソフト内にマニュアルもある、Pigmentsも良いですね。
Native Instrumentsで直接買うこともできますが、ポイントが付くショップで買った方がお得になります。
KOMPLETE 14 STANDARD
KOMPLETE14 STANDARDは、使えるプラグインが一気に増えます。
【サンプラー】KONTAKT 7
KONTAKT FACTORY LIBRARYという、色々な楽器が入った音源集が付いてきます。Komplete14になって、ライブラリ自体も強化されました。
DTMを始めたばかりだと、色々な楽器の音が一度に手に入るので重宝するでしょう。
あと、色々な音源の母艦になるので、本格的にDTMをやるのであれば、正式版を持っておくのは損にならないと思います。
【ウェーブテーブルシンセ】MASSIVE X
Massiveの後継です。
出音がかなり良くなりました。
結構重たいので、複数立ち上げる場合は、フリーズ(Audio化)しながら使う必要もあるかもしれません。
1.4にバージョンアップして、プリセットが選びやすくなりました。シンセが分かっていれば、音作りはわりとしやすい音源です。
【電子系ドラム】BATTERY 4
ドラム系のサンプラーです。
元々膨大な音が入っていますが、KOMPLETE 14の中にはエキスパンションという追加音源も入っているため、途方もない数のサウンドが収録されます。
しかし、私的にはBattery4はキットを探しにく過ぎて、立ち上げることはほぼありません。XLN Audio XOで、Battery4のライブラリを読み込むと、物凄く快適です。
XOよりBattery4が優れているのは、
- 一度に8つより多い、複数の音を扱える。
- 一つの音に対して、細かくエディットができる。
などがあります。XOで音探しをして、Battery4で立ち上げて音作りをする。というのも良いかもしれませんね。
【電子系ドラム2】POLYPLEX
音がものすごく良いドラム音源です。その代わり結構重たいのが玉にキズ。
REAKTOR6の中から開きます。
各音は、4つのサウンドを重ねて作られています。
キック単独、スネア単独などでも立ち上げられます。
単独で立ち上げると音程に対応できるので、ハイハットで音程を変えたりしたい時に便利です。(ただし、Polyplex Percussionから、自分でハイハットを立ち上げる必要あり。)
ハイハットの音程変化を楽にしたいなら、ハイハットを立ち上げたもので、ご自身で一度プリセットを作ってもいいですね。
他社であれば、UVI Drumdesignerも便利です。
ピアノ音源色々
THE GRANDEUR
巷で定番のピアノ音源です。音に特徴がないのが特徴です。
ポップスに、普通に使える音源ですね。
私的にはあまりそそられる音ではありませんが、他にピアノ音源がなければ、かなり重宝すると思います。
NOIRE
こちらも人気のピアノ音源。
私的には音が柔らかすぎて、ポップスなどで使うのは、あまり気が進みません。
かなり雰囲気が出る音ではあるので、劇伴や、アコースティックよりのエクレトロだとか、アーティスティックな雰囲気の楽曲に向きそうだと思います。
Particleという、音を勝手に分散して弾いてくれるモードがあるのですが、雰囲気作りに使えますよ。
ただ長く鍵盤を弾いているだけで、音が細かく自動演奏されます。
UNA CORDA
各鍵盤が1本弦の変わったピアノ音源です。
幻想的な音作りをしたい時に、味方になってくれます。
設定の中にある、Reverseという項目をONにするとリバースディレイがかかり、ますます幻想的になります。
ノイズも様々な種類が収録されており、雰囲気が出ますね。
【カホン・ボンゴなど】CUBA
カホン・ボンゴ・コンガなど、打楽器が充実している音源です。
私はアコースティックギターを弾きますが、軽く打楽器を付けたい時は、CUBAのカホンが大活躍しています。
この音源のギターは、同じくKOMPLETE14に収録されているSTRUMMED ACOUSTICを使っています。
Cubaは、KOMPLETE14の中では、特におすすめの音源ですね。
KOMPLETE 14は、歌モノをやるには十分な音源が入っています。
KOMPLETE 14 ULTIMATE
KOMPLETE 14 ULTIMATEでは、シネマティック音源なども一気に増えます。
劇伴も任せろ!って感じになるのは、ULTIMATE以上からですね。
【ピアノ】ALICIA’S KEYS
ALICIA’S KEYSも、人気のピアノ音源として見かけることがある音源です。
私も以前はかなり愛用していました。特にバラードに合うサウンドです。
先に紹介したThe GRANDEURと比較してみましょう。
ALICIA’S KEYSの方が角がなく、柔らかい音がしますね。
こちらもALICIA’S KEYSです。
少し引っ込んだピアノを表現するのに適しています。
【ブラス】SESSION HORNS PRO
ポップスに合うブラス音源で、近くてきらびやかな音なのが特徴。
扱いやすく、私もよく使う音源です。
ピッチベンドを下げた状態で、鍵盤を離すとフォールにできます。おもしろい。
【シネマティックリズム】ACTION STRIKES
シネマティックなリズムパターン集。
太鼓の音など、意外と和モノで使えたりもします。劇伴で使えることもあり、重宝します。
KOMPLETE 14 ULTIMATEに収録のDAMAGEも似たような感じの音源です。
他社であれば、UVI Asteroidもあります。
【シネマティックSE】RISE & HIT
ヒューーーーーンドゴォオオオオオオン!という感じの音源。
意外とポップスやEDMなどでも使える場面があります。
他社であれば、UVI Meteorも。
【オーケストラ】SYMPHONY SERIES
SYMPHONY SERIESは、オーケストラ音源で、ストリングス・木管・金管・パーカッションなど全部入っています。
音は、ウェットで遠いです。バリバリのクラシックを作るなら、この音源でも違和感なく作れるかと思います。
ポップスの中で使うなら、音が遠すぎてこの音源は使いにくいです。KOMPLETE 14以上に含まれているSESSION STRINGS 2がおすすめ。
私自身が現在、オーケストラ音源でメインで使っているのは、Hollywood Orchestra Opus Editionです。
【バイオリン】STRADIVARI VIOLIN
かなり生々しいソロバイオリン音源。
Virtuosoモードで、スタッカート・スピッカートを簡単に入力切替可能。
レガート(ノート同士を重ねた)状態で、強いベロシティにすると、ポルタメントをかけることができます。
音も操作性も抜群で、私的には大好きな音源です。
KOMPLETE 14 ULTIMATEがあれば、劇伴も十分対応可能になります!
KOMPLETE 14 ULTIMATE Collector’s Edition
最後が、KOMPLETE 14 ULTIMATE Collector’s Editionです。
【ソロ弦楽器】CREMONA QUARTET
こちらは、一つ上で紹介したSTRADIVARI VIOLINの兄弟たちが収録されている音源集。
- STRADIVARI VIOLIN
- STRADIVARI CELLO
- GUARNERI VIOLIN
- AMATI VIOLA
操作性&音良しのソロ弦楽器音源集で、私は特にチェロが好きです。このためだけにCollector’s Editionをおすすめしたいくらい大好き。
色っぺー!!
リバーブを深めにかけているので、上記音源は少し引っ込んで聞こえますが、かなりドライに収録されています。そのため、他のストリングス音源とレイヤーすることで、芯のあるサウンドにしたりもできます。
KOMPLETE 14 ULTIMATE Collector’s Editionで、ソロ弦も強化され、隙がなくなります。エキスパンションも大量に追加されるので、超巨大なサンプル集が一度に手に入ることになりますね。
良いところ・ダメな所
私自身は、Native Instrumentsのエフェクトプラグインは、REPLIKA以外はほぼ使わないに等しいです。音がなまる感じがしたり、効果に「?」を感じることもあり、あまり信用もしていません。
それでも、Komplete14には、余りある魅力があります。
それは、色々なジャンルに対応する色々な楽器の音源が一度に手に入る所です。
私は舞台音楽の制作を引き受けることもありますが、シーンに応じて様々な音源が必要です。アニメやドラマ・映画などの劇伴をやられる方もそうで、幅広い楽器の音色が必要です。
職業作曲家を目指す方は、最上位グレードまで揃えても損はしないでしょう。
変わった音源が必要な時にだいたい助けてくれるのが、Komplete14です。
ただし個別の楽器のクオリティが高いかは別で、専用の音源を買い足して行くことにもなるとも思います。その繋ぎの期間の力強い味方であることに、間違いはありません。
まとめ
以上が、Native Instruments Komplete14のレビューです。
一度に、KOMPLETE 14 ULTIMATE Collector’s Editionを買うのは多額の費用がかかりますので、安いグレードのものから購入しても良いと思います。
お金がたまったらアップグレードすればOK!
持っているだけで、安心感が違います。「どんな曲も任せろ~!!」って感じ。(*実際は、足りなくてチョコチョコ買い足すことになるけど。)
すでに色々な専用音源を持っている方は必要ないかと思いますが、私自身はDTM中級者の時に買って幾度となく助けられてきました。
もし持っていなかったらと考えると、少しゾッとするくらいです。ぜひ本記事をご参考に、ご購入を検討してみてはいかがでしょうか?