Cinesamples Piano in Blue レビュー 叙情的なピアノの音が欲しいなら。
Cinesamples Piano in Blueは、アンニュイな雰囲気を表現するのにぴったりなピアノ音源です。
- 丸みのある叙情的なサウンド
- ポップスより、劇伴などで心情を表現するのが得意
サウンドを聴きながら、Piano in Blueに迫っていきましょう。
サウンドを聞いてみる。
サンプル曲です。
私自身はピアノを弾けないので、MIDIキーボードとマウスの打ち込みということを念頭に聞いて頂ければと思います。
リバーブも、全部Kontakt内のものを使っています。
丸みを帯びた叙情的なサウンドですよね。
少しレゾナンスがかったようなサウンドで、普通のピアノ音源しか触ったことがない方は驚きかもしれません。
鍵盤を離した時のリリース音も粘っこい感じ。後に残りますよね。
Piano in BlueのGUI
Piano in Blueは、画面遷移がなく、1画面で完結しています。
マイクは3本で収録されており、これらのバランスを取ることで、質感を変化できます。
ちなみにデフォルトでは、ペダル音が物凄く大きいです。
画面下には、ダイレクト音(Neve)or テープで収録された音の切り替えスイッチがあります。3本マイクを使った状態でテープにすると、音を重ねると結構な大きさでサーーーーという音が鳴ります。そのため、無音の所でもノイズがのるように、ノイズノブもあります。
テープの方がより丸っこく良い感じに聞こえますが、ノイズは好き嫌いがあるでしょうね。
Snapshotには、いくつかプリセットも用意されています。
音源比較
他のピアノ音源と比べてみましょう。
まず、Piano in Blueがこちら。
VI Labs Ravenscroft 275
私のメインピアノ音源Ravenscroft275です。
クリアという印象ではないのですが、実際に楽器を演奏しているような感覚のあるピアノ音源です。ハーフペダルにも対応している数少ない音源。
Spectrasonics Keyscape
ちょっと暑苦しい音がするキーボード音源。
低音過多な場面も多く、曲ごとに結構な調整が必要な感触があります。
Soniccouture Hammer Smith Pro
透明感がたまらないピアノ音源。
3つのマイクがありますが、それぞれの場所のマイクが2本ずつあり、計6本を組み合わせられます。
Native Instruments NOIRE
Kompleteの中にも入っているピアノ音源ですね。良い評価も、ちょこちょこ見かけます。
叙情的なサウンドは、Piano in Blueと同じ方向性かと思いますが、Piano in Blueに比べると雑味が少なく、よりスマートな音だと思います。
NOIREの場合は、パーティクルエンジンというディレイに似て非なる機能がついており、よりクリエイティブな音作りにサウンドを振ることができます。
Heavyocity Ascend
クリエイティブなピアノ音源と言えば、Ascend。
今回は、普通のピアノ音源として鳴らしていますが、エコー機能やリズミカルなコンボレーションリバーブなどで、物凄く神秘的な音を出せます。
素のピアノ音源として使うより、クリエイティブなサウンドを求める方が向いている音源だと思います。素のままだと、ちょっと面白みにかけるかな、と。
Piano in Blueに立ち戻る
Piano in Blue用に書いたMIDIデータということを差し置いても、やはり叙情的で染み入るサウンドだと思います。
明るい歌モノポップスにガンガン使うという感じでは決してありませんが、劇伴などでは使える場面が多いピアノ音源だと思いますね。
Musio1との比較
CineSamplesが現在ものすごい勢いで推しているのが、Musioです。
70種類以上のタイトルが手頃な値段で一気に手に入るのですが、Kontakt版との違いはどうでしょうか?
Musio1では、Piano in BlueのようにマイクMixを変えることはできません。
というか、そもそも音が全く違います。
Kontakt版の方が雑味や、もっと言うと、複数のマイクがそれぞれに持つ旨味がいい具合に出ていると思います。音の存在感ですね。そもそもの容量もKontakt版が12GB、Musio版が2GBほどと、全く違いますから。
Musioは、初心者・中級者に向けて、たくさんの音源を深いことを考えずとも直感的に操作できることを目標に作られたものであり、細かな設定は逆にできないようになっています。
ピアノ音源やオーケストラ音源を持っていない方々が、初手で買うには大変良いサービスだと思います。反面、音質を求めて色々なライブラリを買い揃えて行く段階の方には、Musio1では痒いところに手が届かない……と感じる方もいるのではないか?というのが、私の所見です。
CPU負荷
とても軽いです。
●PCスペック
- OS:Windows10 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:96GB
- DAW:Studio One6.5
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:1024samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上が、Cinesamples Piano in Blueのレビューです。
アンニュイ。叙情的。しっとりと雨に濡れたような。
少しうつむき加減の心情を表現するのには、Piano in Blueはぴったりなピアノ音源です。
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