AcousticSamples VHORNS レビュー 楽な打ち込みでリアルな表現を!
AcousticSamples VHORNS Brass Sectionは、サンプリング・モデリングのハイブリッドなブラス音源です。
- トランペット・フリューゲルホルン・トロンボーンを、各2種類ずつ収録。
- キースイッチでの面倒な切り替えが少ない、楽な打ち込み!
- 深い所まで設定できる柔軟性!
何と言っても注目は、楽な打ち込み仕様です。
キースイッチでの切り替えは必要最小限で、スタッカートやグロウル、グライドなどを調整しながら打ち込めます。
サウンドを聴きながら、VHORNSに迫っていきましょう!
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VHORNSの概要
サウンドを聴いてみよう!
VHORNSのトランペットを使ったサンプル曲を作りました。
注目頂きたいのは、グロウル(唸らせる奏法)が継ぎ目なく自然に入ってくる所です。
キースイッチで奏法を切り替えるタイプの音源だと、切り替えた途端、急にグロウルするのですが、VHORNSの場合は継ぎ目がありません。
これはVHORNSの打ち込みが、キースイッチに頼っていないことに由来しています。
下記は、打ち込み画像ですが、CC73をグロウルに当てています。
演奏させたいように、自由に柔軟に打ち込めるのが、VHORNSの魅力ですね。
VHORNSの打ち込みの仕方
ここではかいつまんで、打ち込み方法の幾つかを紹介します。
音量操作
強弱については、エアフロー(空気量)を【CC1:Modホイール】で付けます。
ただし、実はベロシティとも関連しています。
エアフロー【CC1】の値を70に固定し、ベロシティが20の時と、80の時を比べます。
ベロシティがエアフローの値より低い時は、自動的に音の立ち上がりが小さく始まっているのが分かりますか?
アタック感を出したい時にはベロシティを上げればOKです。
レガート&グライド
レガート(ノートを重ねた)時にもベロシティが関係します。
なめらかに繋げたいのか、そうでないのかで、ベロシティを決定すると良いですね。
ちなみに、上記画像の設定だと、レガート時にベロシティが20より下回ると、グライド奏法になります。
スタッカート
スタッカートは、ただ短いノートにするだけでOKです。
フォール
ブラスの打ち込みで良く使うフォールも、大変便利な仕様です。
フォールはキースイッチで作動しますが、キースイッチのノートの長さに応じて、フォールの長さ(スピード)が変化します。
直感的で大変便利ですね!
VHORNSのこんな機能が素晴らしい!
ダイスでランダム変化を付けられる。
設定画面には、ダイスマークが付いている値があります。
0~ダイスマーク横の設定値の間で、ランダムに変化をつきます。自動的にヒューマナイズできるということです。
過激な値に設定すると、出だしのピッチをわざと調子っぱずれにさせて変化をつける、なども可能です。
例えば、子ども向けの間が抜けている音楽に使えそうじゃないですか?
バーチャルスペース
バーチャルスペースを使うことで、パンでは再現できない奥行き感まで再現可能です。
MIC PAIR TYPEも5種類あり、曲馴染みに変化を加えることができます。
MIX画面
マイクの位置・音量の設定からEQ、リバーブなどの設定が出来ます。
マイクの組み合わせによって、音馴染みが結構変わってきて面白いですね。
ただ私的には、リバーブの質感があまり好みではないので、Eventide Tverbなどのルームリバーブを使って、馴染ませることが多いです。
VHORNSのキースイッチ一覧
キースイッチを多用せずとも、ほぼほぼ打ち込める音源ではありますが、キースイッチについても触れておきます。
●VHORNSのキースイッチ一覧
- C1:音を切る
- C#1:フォール
- D1:ドロップ
- D#1:ピッチを上昇させる
- E1:前に弾いていた音を繰り返す。 “スタティック・タンギング “
- F1:半音下のハーフバルブベンド
- F#1:半音上のハーフバルブベンド
- G1:ピッチを変えずにハーフバルブ効果を作る。キースイッチのベロシティは、現在演奏している音にどれだけハーフバルブ効果を加えるかをコントロールする。
Studio One用Keyswitchファイル
下記より、Studio One用Keyswitchファイルをダウンロードできます。
トランペット・トロンボーン用のファイルが入っています。
*フリューゲルホルンはトランペットと兼用。またトロンボーンは、キースイッチが一部効かないものがあります。
- Studio Oneで、上記キースイッチマップを使う方法
-
上記ファイルをダウンロード後、解凍(展開)します。
その後、Studio Oneをインストールしているフォルダに移動し、
StudioOne\Presets\User Presets\Key Switches
に放り込みます。
Studio Oneを起動して、右にあるブラウズから、「プリセットの索引を再作成」をします。
ピアノロール→サウンドバリエーションから、VHORNSを選択します。
CPU負荷
VHORNSは、UVI Falcon か UVI Workstation(無料)で動きます。
動作は軽く、負担は感じません。
●PCスペック
- OS:Windows10 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:64GB
- DAW:Studio One5.5
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:512samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
AcousticSamples VHORNS Brass Sectionのレビューは以上です。
キースイッチで奏法を切り替える従来の音源とは違って、とにかく柔軟に打ち込めるのが一番の特徴です。
サウンドの傾向としては、カッチカチのサウンドではなく、柔らかさを伴ったサウンドですが、ポップス・ジャズなどオールマイティーに使えます。
打ち込んでいて、楽しい気持ちになるブラス音源ですね。
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