CineSamples CinePerc レビュー 明瞭で力強いパーカッション
![](https://watanabejunya.com/sw/wp-content/uploads/2024/02/0_Thum_CinePerc-1-1024x576.jpg)
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CineSamples CinePercは、丁寧に収録された明瞭で力強いパーカッション音源です。
- 分厚い伴奏も突き抜ける迫力のサウンド
- 好みに応じたマイクMix
- ロールの強弱は、Modホイール(CC1)を使って行える。
サウンドを聴きながら、CinePercに迫っていきましょう。
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サウンドを聴いてみる。
パーカッションだけで聴く。
CinePercとHollywood Orchestra Opus Editionのパーカッションとを聴き比べてみます。
短いサンプル曲ですが、曲終わりの余韻にも、違いを感じられると思います。(どちらも音源内のリバーブを切って、外部リバーブ:Liquid Sonics Cinematic Rooms をかけています。)
![CinePerc打ち込み画像](https://watanabejunya.com/sw/wp-content/uploads/2024/02/01_01_CinePerc_track-1024x603.png)
比較に行く前に。
まず、前提として、①Hollywood Orchestra Opus Editionの定価は13万円で、オーケストラの総合音源です。パーカッション以外にも様々な音源が入っています。
一方、CinePercはパーカッションだけで定価11万円の製品です。(どちらの製品も50%オフセールは多いですけどね。)
CinePercのプリセットには、オーケストラパーカッションの他、民族楽器・トイ楽器なども含まれ、幅広いラインナップとなっています。
①Hollywood Orchestra Opus Edition
![Hollywood Orchestra Opus Edition](https://watanabejunya.com/sw/wp-content/uploads/2024/02/01_02_Opus-1-1024x687.jpg)
迫力がありますよね。
ホール感を感じるサウンドで、Closeマイクを足しても、余韻が含まれます。完全なドライにはできません。
オーケストラに馴染むようなサウンドで作られているので、他の楽器と混ぜた時に調和が取れたサウンドになります。
②CineSamples CinePerc
![CineSamples CinePerc](https://watanabejunya.com/sw/wp-content/uploads/2024/02/01_03_CinePerc.png)
②CinePercを聞くと、その迫力と、まるで楽器が目の前で奏でられているかのような生々しさに息を飲むレベルだと思います。
マイクMixを変えられ、芯を後ろに引っ込めた、空気感を含むサウンドにもできます。
が、私の使い方としては、厚いオケの中で、ドカン!!と地を這う大太鼓や、壮大なゴングやシンバルで、より派手に聞かせたい場面でCinePercを使うことが多いです。ティンパニの評価が高いのも見かけることがあります。
CinePercは、他の音源に負けない厚みがあります。私にとっては、かなり信頼感が高い製品です。
ポップスでの使用
私が、子ども向けに作った楽曲「ダンゴムシのうた」でも、CinePercのマリンバを使っています。
![CineSamples CinePerc マイクMix](https://watanabejunya.com/sw/wp-content/uploads/2024/02/01_04_CinePerc_Pops.png)
マイクMixは、CLOSEマイクをメインにして、近い音にしてます。
このようなキッズ向けの楽曲では、CinePercにも収録しているシロフォンやマリンバの他、ビブラスラップ・フレクサトーン、トイ楽器などもよく使われますよね。
③の音源のように、親密で密度の濃いを音を出してくれるので、非常に頼りになります。
CinePercのプリセット
プリセット一覧
CinePercは、7種類のカテゴリに分けられています。
![プリセット一覧](https://watanabejunya.com/sw/wp-content/uploads/2024/02/02_00_CinePerc_Preset.png)
詳しい楽器内容が知りたい場合は、下記クリックしてご覧ください。
[ac-box01 title=”プリセットの中身を見る”]
![01 Orch Perc & 02 Melodic](https://watanabejunya.com/sw/wp-content/uploads/2024/02/02_01_CinePerc_Preset-3-1024x456.png)
![03 Woods & 04 Metals](https://watanabejunya.com/sw/wp-content/uploads/2024/02/02_02_CinePerc_Preset-1024x404.png)
![05 Ethnic & 06 Big Perc](https://watanabejunya.com/sw/wp-content/uploads/2024/02/02_03_CinePerc_Preset-1024x753.png)
![07 Toys And More](https://watanabejunya.com/sw/wp-content/uploads/2024/02/02_04_CinePerc_Preset.png)
[/ac-box01]
【Studio One用】Pitch Names配布
以下より、Studio One用のピッチリストをダウンロードできます。
Musio1との比較
CineSamplesが現在ものすごい勢いで推しているのが、Musioです。
70種類以上のタイトルが手頃な値段で一気に手に入るのですが、Kontakt版との違いはどうでしょうか?
![Musio](https://watanabejunya.com/sw/wp-content/uploads/2024/02/03_01_Musio-1024x761.png)
Musio1では、CinePercのようにマイクMixを変えることはできません。
おそらく、CinePercのFull Mixマイクのサンプルを使っているものと思われるので、音質の良さは折り紙付きではあります。が、多少やっぱり音が違く聞こえ、Kontakt版に比べると、なんとなくMusioの方が軽い感じに聞こえるように感じました。(デモることをおすすめ。)
また、2024年2月現在では、CC64を踏んだ時にティンパニがロールクレッシェンドになるCinePercの仕様は搭載されていません。(が、キースイッチに少しずつ対応しているようなので、もしかしたらそういったアップデートも今後はあるかも。)
Musioは、初心者・中級者に向けて、たくさんの音源を深いことを考えずとも直感的に操作できることを目標に作られたものであり、細かな設定は逆にできないようになっています。
オーケストラ音源を持っていない方々が、初手で買うには大変良いサービスだと思います。反面、音質を求めて色々なライブラリを買い揃えて行く段階の方には、Musio1では痒いところに手が届かない……と感じる方もいるのではないか?というのが、私の所見です。
CPU負荷
CinePercの負荷は、かなり低いです。
![CineSamples CinePercのCPU負荷](https://watanabejunya.com/sw/wp-content/uploads/2024/02/04_01_CPU_CinePerc.png)
●PCスペック
- OS:Windows10 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:96GB
- DAW:Studio One6.5
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:1024samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上が、CineSamples CinePercのレビューです。
とにもかくにも、輪郭がはっきりとした大迫力のサウンドが魅力です。
少しばかり苦言を呈するとするならば、収録されているカホン・ドラムキットなどは、やはりオーケストラと合わせる時の質感になっているように思います。(ポップスなどでは、ちょっと重たく感じるキットもある印象。)
とはいえ、分厚い伴奏も突き抜ける力強いサウンドは唯一無二で、オーケストラや劇伴音楽を作りたい方にとっては、ヨダレもしたたるほどの素晴らしい製品だと思います。