Heavyocity Damage2 レビュー 破壊力のあるパーカッション
Heavyocity Damage2は、シネマティックなサウンドを得意とするパーカッション音源です。
- 分厚いサウンドを突き抜ける圧倒的なサウンド
- 奥行き感&マイクバランスの調整が簡単!
- 3種類のエンジンで隙がない。
劇伴制作にはマストとも言えそうな、おすすめプラグインです。
Damage2のサウンドを聞いてみる。
ありなしで比較!
次のサンプルは、元々Spitfire Audio Air Studio Reverb用に作った曲です。
Damage2を入れた場合と入れない場合で、聴き比べてみましょう。
②は、音に深みがありますよね。
分厚いオケを支えるためには、Damage2の野太い音が必要なのです。
私自身、Damage2を使用する場合は、他の音源にレイヤーして、響きをゴージャスにしたい場合に使います。
ちなみに、ソロだとこんな感じ。
↑①~③の音源は、元々リバーブレビュー用で、マイク設定がCLOSEのみになっていました。試しにリバーブを切って、他のマイクも足してみましょう。
ド迫力……!!
うなるような低域が、いい味を出しています。
実制作物の中での使用例
私が実際に、制作物で使った例としては、次の作品があります。
0:04~0:25の間です。
かなり抑えめの使用ですが、舞台でスピーカーで聴いた時に、低音の出方があり・なしでかなり変わってきますので、大変信頼感が強い音源と言えます。
ちなみに上記動画の楽曲では、Cinesamples CinePercもレイヤーしていますね。
Damage2
Damage2は、3つのモードに分かれています。
D2 Ensemble Designer
Emsemble Designerは、Damage2の華。
5チャンネルのマイクを混ぜて使えます。
- CLOSE:近いマイク
- ROOM:部屋の響き
- HALL:ホールの響き
- LFE:低い帯域のマイク
- CRUSH:歪むほどにコンプレッションをかけたマイク
サンプル一つ一つの位置調整も、↑の画面からマウスのドラッグで行えます。
マイク調整&サンプルの位置調整で、サウンドの遠近感や余韻を調整でき、これが大変便利です。
下のタブを切り替えると、奏法切り替えの画面も。
この画面にあるPERFORMANCEボタンでは、クレッシェンド・ロールなどの奏法を切り替えて、自然な連打を作れます。
また、エフェクトとして別売りもされているPunishも、Damage1から引き続き採用されています。ボタン一つで飽和感や歪みを足すことができます。
D2 Kit Designer
Kit Designerは、ドラムマシンのようなモードです。
Ensemble Designerの場合は、マイクバランスを変えると、キット全体のバランスをいじることになりましたが、Kit Designerは、サンプル一つ一つにマイクバランスを適用させることができます。
反面、Ensemble Designerのように、奥行きなどの調整はできません。
D2 Loop Designer
ループ素材を演奏するモードです。
C1~B1キーを押すと、3つのループを一度に演奏できます。
劇伴の緊迫した場面は、こうしたパーカッションのループだけの場合もありますから、重宝しますね。
Loop Designerでは、Send FXのモジュレーションが可能です。下記の設定では、一部分だけセンドを入れています。
途中で、Delayが大きくかかっているのが分かりますね。
シリーズ紹介
Damageを冠として付いた製品が多数発売されています。Damage Guitarを除いて、Damage2と同じエンジンを使っています。
Damage Drum Kit
2022年6月発売。
ハードロック、メタル系のドラムサウンドをパワフルに収録しています。
UNCHARTED 88
2023年2月発売。
ピアノを分解した弦・鉄板・木枠などを使ったパーカッション音源です。
Damage Guitars
2023年5月発売。
ヘビーなギターサウンドが特徴。他のDamage2の分厚いサウンドに負けないエレキを求める場合にどうぞ。
Damage Rock Grooves
2023年5月発売。
Damage 2 Loop Designerのエンジンで作られたロックドラムのループ集。
ANALOG HYBRID DRUMS
2024年4月発売。
アナログシンセと生ドラムの融合サウンドが特徴。
CPU負荷
選ぶDesignerによって、大きくCPU負荷が変わります。
一つ一つにマイク設定できるKit Designerは、高めになっていますね。
- OS:Windows11 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:96GB
- DAW:Studio One6.6
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:1024samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上が、Heavyocity Damage2のレビューです。
分厚いサウンドを支える破壊力のあるパーカッションで、信頼感も抜群です。劇伴を作る方には、なくてはならないプラグインと言っても過言ではないでしょう。
迫力のあるパーカッションが欲しいなら、ぜひお試し下さい。