Output EXHALEレビュー 創造的なボーカルサウンド音源
Output EXHALE(エクスヘイル)は、クリエイティブなボイス音源です。
- ボーカルチョップからシンプルなボーカルPADまで、幅広いサウンドを収録。
- 好みのサウンドに、マクロで手軽に音色変化可能。
- 広く深い!多機能なサウンドメイク
サウンドを聴きながら、EXHALEに迫っていきましょう!
Output:サマーセール一覧
EXHALEの概要
EXHALEを使った短いサンプル曲を2曲作ったので、聴きながら大枠を掴んでいきましょう。
3つの演奏方法がある
次のサンプル曲では、3トラックでEXHALEを使っています。
EXHALEには、3つの演奏方法があります。
- NOTES:MIDIで音程を奏でる(250プリセット)
- LOOPS:ボイスのループ素材が鍵盤に割り当てられる(150プリセット)
- SLICES:ボイスのスライス素材が鍵盤に割り当てられる(150プリセット)
LOOPS・SLICESの2つの演奏方法では、上部にあるキーボタンから、キーを最適化することができます。
これにより、どのプリセットでも楽曲のキーへと簡単に合わせられます。
しかもDAWのテンポに自動的に合うので、ボイスサンプルを自分で加工するより遥かに楽です。
NOTESは、自分で演奏するような感覚です。
一方、LOOPS・SLICESで鍵盤に割り当てられてる素材は、音程に関係なく割り当てられています。
耳で聞きながら、適当にタイミングを変えて格好良く仕上げるのが楽しいですね。
プリセットの読み込みが楽
こちらもEXHALEを3トラック使っています。
このトラックでは、SE的な使い方でも使用しています。
画面下部から、PERCUSSIVEと検索すると、リズム的なプリセットが一覧で出てきます。
プリセットはそれぞれ複数のタグ付けがされており、思い通りの音を探しやすい工夫がされています。
EXHALEをもっと深掘り
マクロ機能で、自分好みのサウンドに変化させる。
MAIN画面では、4つのノブにアクセスできます。
プリセットによって、割り当てられているパラメーターは違います。
各ノブに割り当てられているパラメーターを確認するには、MACROSボタンを押します。
画面下部にて、マクロが割り当てられているパラメーターがリスト化されていますね。
ただ、これだけ見ても最初は意味が分からないかと思います。
パラメーターをより詳しく知りたい場合は、ENGINE画面に進みます。
内部を見られるエンジン画面
画面上部からエンジン画面に進むと、下記の画面が現れます。
物凄く機能が凝縮されています。
上の画像ですと、Rhythmパネルではスクエア波(画面中央で上下交互に黄色の四角が表示されて)いますね。
Mod Effectパネルを見ると、VOLUMEの上に黄色く太い線が表示されています。
つまり、RhythmパネルのRATEのタイミングで、音量が上下する。という設定になっています。
このRATEのタイミングを自動で変化させるのが、RhythmパネルにあるFLUXというノブです。
④と⑤を聴き比べると、音量変化のタイミングが変わっているのが分かりますね。
Rhythmパネル・Mod Effectパネルにより、エフェクトに対して複雑なLFOを簡単にかけることができるわけですね。
マクロの割当
マクロを自分で割り当てたり調整する場合は、ENGINE画面上でMACROボタンを押します。
パラメーターの調整は、MAIN画面(EDIT画面)に戻って行います。
1から音色を作ってみる。
ここでは、INIT(初期状態)から、シンプルなボーカルPADを作ってみます。
ENGINE画面に進み、素材を選びます。
画面遷移すると、元になる声を選ぶ画面が現れます。
PADっぽくするために、ADSRからRELEASEを伸ばしてみます。
アタックに息の交じる感じが欲しかったので、SaurceBでそういった素材を選択してみます。
このように、演奏方法がNOTESの場合は、2つの素材を同時に使うことが出来ます。
ここからは、エフェクトやRHYTHMパネルも駆使しながら、仕上げていきます。
最終的に出来上がったのがこちら。
幻想的なサウンド!
最後にプリセットを保存しましょう。
これでいつでも自分のプリセットとして、すぐに読み込むことができます。
EXHALE所感
EXHALEはこんな人におすすめ
- ボーカル素材を利用するEDM系の楽曲を作る方
- 創造的な音から、曲作りのとっかかりが欲しい方
- 劇伴などでも使える柔軟なボーカル素材が欲しい方
EXHALEが気になっている方は、そもそもEDM系の曲作りをする方が多いのでは、と思います。実際向いています。
また、Output社の理念は「音楽製作に関わるすべての人のために、刺激的なサウンドと新しいインスピレーションを創造すること」であり、EXHALEも理念通りの音源ですね。
POPSに限らず、劇伴などでも使えるシンプルなボーカルPADや、怪しいボイス素材などもあり、意外と守備範囲が広いです。
EXHALEの欠点は?
EXHALEの欠点は、ズバリ2つ。
1)外部サンプルを使えない。
欠点は、自身の持っているサンプルを使えないことです。
ただ、EXHALEを使いたい人はそもそも手軽にボーカルチョップしたい人が多いと思いますので、素材が物足りなくなれば、エクスパンションを購入するのが良いでしょう。
2)内部エフェクトがKontakt依存
エフェクトがKontakt依存なので、質が物凄く良いわけではないです。
特に、ENGINE画面下部にあるInsert Effectsは、別途DAWでプラグインを立ち上げて使用するのが良いと思います。
特に歪み・空間系は、自分が好きなプラグインを使った方が、思い通りの音が作れるでしょう。
CPU負荷
Output EXHALEは、Kontakt5以上で動作します。
CPU負荷は、内部でのエフェクト使用の具合によります。
重いプリセットでは20%ほどになる場合もあり、物凄く軽いというわけではありません。
●PCスペック
- OS:Windows10 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:64GB
- DAW:Studio One5.5
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:512samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上が、Output EXHALEのレビューです。
クリエイティブなボーカル音源であることが、分かって頂けたと思います。
しかし、それだけでは言い表せないほど多機能で、音作りの幅が物凄く広いです。(とはいえ、その多機能を全て使いこなさなくても、良い音は最初から出ます。)
エキスパンションも豊富ですし、格好良いボーカルチョップを手軽に取り入れたい方にはかなりおすすめできる音源です。
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