Techivation M-Clarity2 レビュー AI進化!最短最速で中低音域をスッキリ!
Techivationから、まさかの製品が発表となりました。
日本においては、2023年5月のM-Clarityの発売後から評判を得たTechivationですが、2024年6月にはAI-Clarityを発売し、大きな話題となりました。
そして、2024年10月、M-Clarity2の発売です。
- 不快な音を、AIを使って自動設定で除去
- AI-Clarityは微調整が効かないが、M-Clarity2は調整可能。
「AIの自動設定の中身が見たかった!」という方もいると思いますが、M-Clarity2なら可能です。
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●新製品レビュー:M-Clarity2
M-Clarity2の使い方
オーディオを再生しながらMix Assistボタンを押すと、オーディオを分析して、自動的にパラメーターを設定してくれます。
その後、音を聴きながら、各種設定をいじればOK。
毎度、どういう意味だったっけ?となりがちな、2つパラメーターを記しておきます。
- Intensity:値が低ければ、細かい(狭い)ピークを抑制。 値が高いほど、より広いピークを抑制する。値が低いほどカット具合がとんがる。
- Focus:値が低いと弱いレゾナンスにも均等に反応。 値が高いほど、強いレゾナンスのみに反応するように。
M-Clarity2・AI-Clarityとの音の違い
AI-Clarityも、十分すぎるほどに良い音質でしたが、M-Clarity2との違いを聴いてみましょう。両者とも、キャプチャー後に数値をいじっていません。
①Bypass状態では、全体的にもたつき感を感じますね。
②③は、もう遜色がつかないくらい音のバランスは整っていると思います。
AI-Clarityをお持ちの方は、M-Clarity2は必要ないのか?という疑問に行き着くかもしれません。
M-Clarity2の利点
AI-Clarityになくて、M-Clarity2にあるのは、様々なパラメーターの微調整です。
Attack・Release
下記は、キックに対してM-Clarity2をかけたものです。
Attack・Releaseによって、音がどう変化するかを聴いてみましょう。(キックが適切な素材か否かということではなく、音質がどう変化するかの例として聴いて下さいませ。)
⑤⑥を聴き比べると、Attack最速にしたことが影響して、⑥の頭の音が若干丸くなっているのが分かると思います。
このように、音の立ち上がりにも影響できるパラメーターを、M-Clarity2が持っていることになります。またReleaseの使用については、下記マニュアルにもヒントがあります。
- Attack:スペクトル抑制の開始を遅らせ、最初のトランジェントをそのまま通過させます。
- Release:抑制のトリガーとなったピークがなくなった後でも抑制を長持ちさせ、リンギングやエコーのレゾナンスを調整する完璧なツールとなります。
より意図を持った抑制が可能
下記は、近接効果で、アコギの低音が強く出過ぎてしまった素材です。
AI-Clarityは効きがジェントルで、調整できるパラメーターが少ないため、100%でも濁りを取り切れない場合がありました。
M-Clarity2では、調整することで、よりクリティカルに問題を解決できる場合があります。
⑪であれば、他にプラグインが必要のないレベルまで濁りを押さえられていると思います。
こういった、より大胆な調整が可能なのが、M-Clarity2の良さでしょう。調整後に余計なノイズを感じることもなく、音質が極めて優れているのも見過ごせません。
CPU負荷
レイテンシーはあるものの、軽いです。
- OS:Windows11 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:96GB
- DAW:Studio One6.6
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:1024samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
元々、M-Clarity自体が素晴らしい製品で、それにAI機能が追加となれば、素晴らしくないわけがありません。
ただ、AI-Clarityとの棲み分けは、少し難しくなったように思います。AI-Clarityの上位互換がM-Clarity2とも考えられるからです。
今回の製品リリースにより、今後他のMシリーズの続編も期待できるようになりましたね。楽しみです。
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