Toontrack Superior Drummer3 レビュー 生ドラム音源の頂点
Superior Drummer3は、Toontrack社の誇るハイエンドドラム音源です。
- 音質は、まさに最高品質。
- MIXER画面は実用的かつ、学びの宝庫!
- 音質オバケの拡張音源SDXを使えるのは、Superior Dummer3だけ。
一旦触れば、虜になること間違いなし。
サウンドを聴きながら、Superior Dummer3に迫っていきます。
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Superior Drummer3の音を聞く
Superior Drummer3の音は、とにかく高音質です。
サンプリングレートは、24bit / 44.1kHzとのこと。普段48kHz以上で作業している方は不安に思うかもしれません。しかし、その不安は、音を聞けばあっさりと解決するでしょう。
さまざまなジャンルで。
Superior Dummer3のプリセットは、オールジャンル含まれます。
プリセットカテゴリはー、下記画像からご覧ください。
いくつかプリセットを聞いてみましょう。
ロック系1
若干、ルームマイクやリバーブを下げて使っています。
Superior Dummer3のコアライブラリーは、わりと残響が長いプリセットも多いです。ルームマイクの音量を調整し、楽曲との質感のバランスをとるのが大事です。
ロック系2
厚いオケの中でも、立って聞こえてくる音ですね。
また、美麗なGUIも、使っていてテンションが上がる理由の一つです。
ポップス系
アコースティック系ポップスに合わせてみました。
作られた音ではなく、録り音のまま提供してくれるため、アコースティック系のサウンドにもよく合います。中々この質感が出る音源は少ないと思います。
ファンク系
ドライでパツンとしたスネアの感じが気持ち良いですね。
気になったプリセットがあったら、MIXER画面でどのようにミキシングしているかも確認できます。
エフェクトの設定値も見られますので、知見の貯まり方が全く変わりますね。
実際に制作楽曲に使った例
私が作曲してリリースした曲の中に、アコースティック系のナンバーがあります。
↓以下、再生箇所からSuperior Dummer3を使っています。
アコースティック系の繊細な音色ですね。
これはSuperior Drummer3のコアライブラリーを監修した名エンジニアGeorge Massenburgのプリセット「Ayotte」を元に、SD3内のMIXERでEDITしたものです。
リバーブにはコンプレッサーもかけていますが、サイドチェインをかけられるので、実音に反応して、リバーブの音を引っ込めることもできます。
Superior Drummer3のコアライブラリーで、私が特に良いと思っているのは、繊細な楽曲に合う音が出せることだと思っています。
Toontrackが販売しているもう一つのドラム音源EZ Drummer3は、もっと加工された音が収録されています。ロック・ポップス系の楽曲にはすぐ使える音ですが、アコースティック寄りの楽曲には、その加工された感じがトゥーマッチな場合があります。
私とSuperior Drummer3
Superior Drummer3との出会い
Superior Dummer3を買う前、私はBFD3をメインに使っていました。
自分で加工しなければ望む音が出せないBFD3は、ミックスに時間がかかる大きな要因にもなっていましたし、inMusicへの移管後は認証が外れる不具合も多く、大きなストレスがありました。
そうして、清水の舞台を飛び降りるような気持ちで、Superior Dummer3に手を伸ばしました。
初めてSuperior Dummer3を触った時には、笑いが止まりませんでした。
あまりのきめ細やかなサウンドに、歓声を上げるばかり。
BFD3は、どちらかというとドライな音源で、自分で残響を足していかなければかっこいい音になりません。しかし、Superior Dummer3は空間マイクが多く収録されており、部屋の規模やリバーブ感を簡単に調整できました。 しかも、BFD3で時間をかけて調整するよりも、圧倒的に説得力の高いサウンドになります。
また、MIXER内の画面も非常に操作しやすく、Superior Dummer3内のエフェクトでドラムミックスを完結することも可能です。
使いやすさ&音質の良さ。ドラム音源に求めるのは結局そこです。
以降、Superior Dummer3に絶大な信頼を持って、拡張音源を追加し使い続けています。
最大のメリットは拡張音源を使えること
Toontrack社のEZ Drummer3も、とても良い音源だと思います。特にDTM初心者には、自動でドラムMIDIを出力してくれるバンドメイト機能があるEZ Drummer3を勧めます。
しかし、打ち込みに慣れ、ある程度音質を追い求める方には、Superior Dummer3を強くおすすめします。
それは、Superior Dummer3の拡張音源SDXが使えるからです。
この記事を読んでいる方は、大抵がSuperior Dummer3を購入前の方だと思いますので、「本体を買う前から拡張音源の話かよ」と思われる方がいるかもしれません。そのご意見もごもっともです。
それでも、
Superior Dummer3の拡張音源は、
本当にヤバいです。
音質オバケです。
普段私は、フォントサイズを変えることは少ないですが、大きな声で言いたい。
コンセプトがあり、ジャンル特化しているものも多いので、「このジャンルならこれ!」といった音が、読み込んだらすぐに使えます。
手間暇かけて音作りをせずとも、そこに最高の素材があるのです。
これは作曲家にとっては、大変贅沢なことでしょう。
拡張音源SDX紹介
せっかくなので、SDXも紹介します。
私からご紹介できるSDXは、以下6つ。
- Decades SDX
- The Rooms of Hansa SDX
- Fields of Rock SDX
- Hitmaker SDX
- Stockholm SDX
- Stories SDX
Decades SDX
Decades SDXは、伝説のエンジニア故Al Schmitt氏が監修。
出音がすごくまろやか。ブロードウェイミュージカルで使われるようなキットが収録されているので、ジャズ、ビッグバンドなどの楽曲を書きたい人にとっては、喉から手が出るほど欲しいはず。
The Rooms of Hansa SDX
The Rooms of Hansa SDXは、ハンザスタジオで収録された拡張音源。
EZ Drummer3も同じ場所で収録されていて、傾向は似てますが、The Rooms of Hansaの方がキメ細かく気持ちが良いです。(「音質には差がない」という記載も見かけることがありますが、私はやっぱりこちらの方がきめ細かく聞こえます。)
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Fields of Rock SDX
Fields of Rock SDXは、荒く野太いサウンドが特徴です。
ジャンルは結構幅広いです。メタル系ではなくインディーロック的なサウンドであったり、音数の多い日本のポップスでも抜けるサウンド。ディスコに向くキット(私のお気に入り!)、あとModern Studio Kitでは、比較的オールマイティなサウンドも。
私的には、分厚い伴奏の中で、突き抜けるようなスネアが欲しいときには、Fields of Rock SDXを選択することが多いです。パーカッションが収録されているのもポイント。
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Hitmaker SDX
Hitmaker SDXは、芯があり硬めの音が特徴で、特にミディアムテンポのポップスに向いた拡張音源です。クリアで押し出しの強いサウンドが魅力です。
下記、私が担当したミュージカルの楽曲で使ったのが、Hitmaker SDXです。(制作秘話はこちら。)
ライドやシンバルの音が美しくて、浸ってしまいます。
また、80’なゲートリバーブを使ったプリセットもお見事。
プリセットが逸品すぎる……。
80’に現代の感覚を織り交ぜた、素晴らしい質感だと思います。
詳しいレビューはこちらから。
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Stockholm SDX
Stockholm SDXは、重心が低くザラッとしたサウンドが特徴。インディーロック系は特に合います。
派手さはありませんが、汎用性が高く堅実な黒子的な仕事をしてくれます。BPM120~145ほどのドラムパターンも、これまた汎用性が高く、触るほどに好きになる拡張です。特に、ドラムが主張し過ぎない方が良い楽曲には、本SDXはかなり向いています。
詳しいレビューはこちらから。
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Stories SDX
Stories SDXは、オールマイティなライブラリです。4つのライブラリに分かれており、得意ジャンルが違います。
- Stories – Main(プリセット数 63):ロック系
- Stories – Iso A(プリセット数 26):ミュージカル
- Stories – Iso B(プリセット数 26):カントリー・アコースティック系
- Stories – Percussion(プリセット数 5):パーカッション
本当に様々なジャンルに使えるキットで、Core Library2と言っても過言ではない内容。
繊細かつ芯があるサウンドが本当に魅力的です。
詳しいレビューはこちらから。
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State of the Arts SDX
State of the Arts SDXは、特にフュージョン・カントリーなどに合うライブラリです。
太く芯があり、でも暑苦しくはない。絶妙なバランスだと思います。
さすが、名前のとおり。State of the Art=最高水準(最先端)。
Stories SDXと比較すると、Stories SDXの方が作られた音、State of the Artsの方がナチュラルなサウンドに聞こえるでしょうか。
詳しいレビューはこちらから。
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Superior Dummer3を使う上でのTips
Superior Dummer3は優れたプリセットも多いですが、各楽器を差し替えたり、MIXERで自分の好きな音に調整して使うと真価を発揮します。
曲に合う楽器を選ぶ。
曲に合うプリセットを見つけても、「キックやスネアが、もう少し重心が高ければなぁ(or 低ければなぁ)」なんてことは良くありますよね。
Superior Dummer3には、各楽器が豊富に収録されています。
音を切り替えながら、曲に合う楽器を選びましょう。
ちなみに、違う拡張音源同士を組み合わせることもできますが、収録された部屋が違うと、MIXが難しくなるので、私は基本的には同じライブラリ内で選ぶようにしています。
ルームマイクの調整をする。
リバーブで音を作ることも当然ありますが、まずはルームマイクの調整をして、どれくらい空気感を含むかを調整しましょう。
ルームマイクを追加する場合は、下記画像のように行います。
逆に、反響が多すぎるプリセットも多々あるので、「ルームマイクを下げる。オフにする。」という選択も必要です。
基準を決めて、相対的に音量を決める。
これはSuperior Dummer3のドラムミックスに限りませんが、基準を決めて相対的に音量を決めることが大切です。
例えば、キックを基準とするのであれば、キックの音量を決めてから、相対的にスネアの音量を決めます。(その後、キックの音量を変えることは、よっぽどのことがなければしてはいけません。)
リファレンス音源などを聞いて、相対の音量感を真似るのも良いでしょう。
また、一つ一つの楽器の音色の作り方も同じです。例えばスネアにおいて、Topの音量を決めたら、Topの音量は変えずに、相対的に他のチャンネルの音量を変えて、スネア全体の質感を決めていきます。スネア全体の音量は、バスを作って上げ下げします。(要するに、全てのマイクの音量を変えてバランスを取ろうとすると、迷ってしまうということです。)
CPU負荷
私の環境では、大体10%程度です。
物凄く負荷が軽いわけではありませんが、動作は軽快そのものです。
●PCスペック
- OS:Windows10 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:96GB
- DAW:Studio One6.5
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:1024samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上が、Toontrack Superior Drummer3のレビューです。
記事内では触れていない機能にも、最後に少し触れます。
- Groove機能:MIDIグルーブを使える。かっこいいフィルの宝庫。
- Tracker機能:生ドラムをMIDIに変換。
私の場合は、頭の中にあるドラムパターンを自分で打ち込むことが多いので、Groove機能を使うのはフィルがほとんどです。自分の中の引き出しには限度がありますから、プロドラマーのフレーズを取り入れられる貴重な機能です。(同様の機能は、EZ Drummer3にもあります。)
EZ Drummer3と悩まられる方も多いと思いますが、最高の音質を求めるなら、SDXを使えるSuperior Dummer3一択です。
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