UVI Toy Suiteレビュー CM・劇伴にドハマりする音源集!
- アコースティックトイ(トイピアノ・シロフォン・リコーダーなど)
- エレクトリックトイ(おもちゃの鍵盤が多め)
- 8bitシンセ(ファミコン的サウンド)
アコースティックトイ
私的には、Toy Suiteの一番の魅力であるアコースティックトイ。
まず、サンプル楽曲はこちらです。のどかな田舎の風景的な音楽です。
アコースティックベースだけTririanを使っていますが、他は全てToy Suiteの音を使っています。
- リコーダー
- ベル
- シロフォン
- エックシェイカー
- 各種SE(サイレン・フレクサトーン・羊・犬)
どの音もモダン過ぎず、若干ゆるいイメージの音で、まさしくこういった気の抜けた音楽を作りたい場合には、Toy Suite一択!
一口にトイピアノ・シロフォンなどと言っても、それぞれ何種類も収録していたり、執拗なまでのこだわりを感じます。
トイピアノは、15種類以上。シロフォン・グロッケンも20種類以上。雰囲気の違うものが欲しくなる時でも、選び放題です。
今回はリコーダーを使っています。
口で吹く楽器(Blow Toys)だけでも25種類以上登録されています。
サンプル楽曲の中に、羊や犬の鳴き声が入っていましたよね。
ああした鳴き声のおもちゃから、赤ちゃんのガラガラ(ラトル)など、効果音にも使えるありとあらゆるトイ楽器が収録されています。
また、意外と良いのがBaby Drumです。
チープなのに太いドラムの音!! ファミリー向けの音楽に物凄くハマる時があります。
小粒に使えるプリセットがたくさん入っているのが、Toy Suiteのアコースティックトイです。
エレクトリックトイ
続いては、エレクトリックトイです。
こちらは電池を入れて音を鳴らすおもちゃが収録されています。
こちらは、全てエレクトリックトイのプリセットだけで作りました。
幼い頃、親戚や友人の家にあった小さな鍵盤……。
(自分は欲しくても「買って」と言えないたちだったので羨ましかった……。)
あれで多重録音するとすれば、こんな感じになるのでしょうか。
アコースティックトイに比べると、劇伴などでの出番はあまりなさそうな音源ですが、レトロなゲーム音楽などには激ハマりするのではないでしょうか。
この何とも言えない安い音色って、中々無いですよね!
8bitシンセ
最後は、8bitシンセです。
ビンテージコンピューター・ビデオゲームっぽい音を集めたライブラリです。
サンプル楽曲は、チップチューンではなく、EDM的なものに仕上がりました。
思い切りチップチューンっぽい音が収録されているかというと、どうなんだろう?
もう少しモダンな音に仕上がっているプリセットが多いように感じます。
サンプル楽曲のようにEDM的な音も多いですし、ピコピコ・キラキラなシーケンスも多く収録されているので、音ネタとして使える機会はありそうです。
少しTips的な話をすると、サンプル楽曲のPad02のトラックでは、LFO SPEEDに対してオートメーションを書きました。
これにより、ボリューム・フィルターのLFOスピードが変化して、おもしろい変化になっています。(ただ、サンプル楽曲の場合は、音の厚みがあるのであまり聞こえないけど。)
Toy Suite Tips
FXタブのディレイ・リバーブは切ってお好みのものを。
立ち上げると、最初からディレイが効いているプリセットが多いです。
エレクトリックトイ・8bitシンセの場合はともかく、アコースティックトイの場合は、FXタブに移動して、ディレイを切ったほうが使い勝手が良いと思います。
またUVI Sparkverbは、どちらかというとシンセに親和性が高いリバーブなので、私は切って他のルームリバーブを使う方が多いです。
私的に、ルームリバーブのおすすめは、Eventide TverbやCinematic Roomsです。
Impulse Resoponseが素晴らしい!
Impulse Resoponseと言えば、IRリバーブが有名ですが、Toy Suite内では、おもちゃやラジカセ、電話などの質感を再現できます。
これにより質感がガラリと変化するため、非常に使い勝手が良いです。
IRを使っている、笛・シロフォンに注目して聴いてみましょう。
②は、あっさりとしているのが分かりますでしょうか?
IRを使っている①は、少し古く生感を感じる質感になっています。
音作りにおいて、非常に役に立つので、ぜひお試し下さい。
Falconがあると、より深くエディット可能
例えば、エレクトリックトイ・8bitシンセのディレイを、ピンポン以外に変えたい!という場合、Toy SuiteのFXタブではディレイ方法を変えることが出来ません。
Falconを持っていると、中身を見ることが出来、FXをいじることができます。
外部のディレイを使っても良いのですが、Falcon内製だとCPUを節約出来ます。
無料のUVI Workstationでも立ち上げられます。こちらはエフェクトが一覧表示で見られます。
キット内の音量・ベロシティ感度を変えるのもFalconから。
例えば、Baby Drumのセットの中から、「シェイカーの音だけ小さくしたい。ベロシティにもっと追従するようにしたい。」という場合、Falconの中から行います。
ベロシティセンスは、デフォルトで75%くらいになっているプリセットが多いようですが、95%くらいにすると、ベロシティが如実に反応するようになります。
Workstationでは、上記のドラムキット内の個別の楽器の音量調整等は出来ないので、何トラックか立ち上げてボリューム違いにして使う。などの対処が必要な場合もあるかもしれません。
ちなみに、一つの楽器のベロシティセンスを変えるだけであれば、すぐに対応できます。
CPU負荷
UVIのソフトは、基本的に大変軽いです。
特に、アコースティックトイ・エレクトリックトイは、CPU使用率が0~2%。
8bitシンセはもう少し複雑な処理をしているので、0~10%ほどです。
かなり軽快で、全く負担を感じません。
●PCスペック
- OS:Windows10 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:64GB
- DAW:Studio One5.5
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:512samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上が、UVI Toy Suiteのレビューです。いかがでしたでしょうか?
私はアコースティックトイの優秀さに何度も助けられています。
多少値段の張るライブラリではありますが、CM・劇伴・レトロなゲーム音楽を作る作曲家の方々には、大変役に立つ音源です。超おすすめ!