Vir2|MOJO: UPRIGHT BASS レビュー 緻密な打ち込みが可能なウッドベース音源
Vir2|MOJO: UPRIGHT BASS は、表現力に優れたウッドベース音源です。
- マイキングを用いた幅広い音作り
- 豊富なサンプル&アーティキュレーションを用いた緻密な打ち込みが可能
- ビブラートはサンプル or シミュレートを選択可
- 8・16分音符の反復のための特別なアーティキュレーション
- 自動設定が可能なハンマリングやスライド
ウッドベースの打ち込みを一段階上げたい方におすすめな音源です。
サウンドを聴きながら、MOJO: UPRIGHT BASSに迫っていきましょう!
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サウンドを聴いてみる。
早速、サンプル曲を聴いてみましょう。
太く、適度なステレオ感を感じるサウンドだと思います。
MOJO: UPRIGHT BASSは、6つのマイクバランスを変更して、音作りすることができます。今回は、0から、私好みのバランスを作ってみました。
ミキサーバランス・EFFECTSチェーンを駆使したプリセットに関しては、画面上部から読み込ませることができます。
試しに、プリセットから、いくつか選んで聴いてみましょう。
②は、奥まったサウンドになっていますね。
③は、弦がフレットにあたった時に出るバズと呼ばれるノイズを加えることによって、荒々しいサウンドを作っています。
紹介し切れないほど、様々なパラメーターを変化させることができ、狙い通りの音作りが可能なのが特徴の一つとなっています。
収録エフェクトは8種類です。
MOJO: UPRIGHT BASSの特徴
多様なアーティキュレーション
この手の楽器専用音源には付きものですが、様々なアーティキュレーションが収録されています。
特に、素晴らしいポイントをお知らせすると、
- SUSTAIN:ノンビブラート・ビブラート2種類
- PERFORMANCE REPETITON:反復(8分・16分)
この2つのアーティキュレーションが、特に私が素晴らしいと思ったポイントです。
SUSTAIN
ノンビブラート・ビブラートあり、どちらの奏法も選べます。
通常は、ノンビブラート(C0)で打ち込みます。CC操作すると、実際のビブラートに似た挙動のシミュレートビブラートをかけられます。
ビブラートさせたい時には、サスティンビブラート(C#0)も選べます。こちらは、ビブラートさせたサンプルが流れる仕組みです。
聴き比べてみましょう!
実際のビブラートを収録しているサンプルは、弦を震わせている時の空気感も収録されているのに対して、ノンビブラート+シミュレートビブラートは、ビブラートの揺れ自体は似ているものの、ノイズが少なく、演奏者の空気感は感じないでしょうか。
ノンビブラート+シミュレートビブラートは、CCのかけ具合によって、ビブラートの強さも変化させられるのが強みです。
使い分けられるのは、素晴らしい仕組みだと思います。
PERFORMANCE REPETITON
PERFORMANCE REPETITONは、8分音符・16分音符を繰り返す特別なサンプルで、細かなフレーズを弾く時の音を再現するアーティキュレーションです。
特に最後の小節に違いがあるでしょうか。
全部SUSTAINで打ち込んだ⑤も、違和感はほとんどないと思いますし、「通常のベース音源ってこうですよね。」といった具合のサウンドだと思います。
しかし、④PERFORMANCE REPETITONありのバージョンでは、早いパッセージを演奏する時の指に引っ掛けるような、少しバタバタとした感触が収録され、実際に演奏されているかのように聞こえてきますよね。
これだけでも、リアルに打ち込みたいDTMer・作曲家にとっては、涎が出そうなくらい素晴らしいアーティキュレーションだと思います。
ハンマリング・プリング・スライド
Legato Onの状態で、ノートを重ねて打ち込むと、音程に応じて、自動的にハンマリング・プリング・スライドが演奏されます。(もちろん、強制的にそれらの奏法を発動することも出来ます。)
ハンマリング・プリング・スライドは、かなり打ち込みやすいです。
リリース音の選択
ノート終わりに、リリース音を選択して鳴らすことができます。
これによって、リズムを強調した演奏を再現することもできます。
リリース音の大きさは、設定できます。
パーカッション
ウッドベースを叩いたパーカッションのアーティキュレーションも収録されていますが、キーC6~A6にも別途収録されており、他のアーティキュレーション選択時でも演奏可能です。
リリース音と組み合わせて、サンプル曲では、リズムを強調しています。
ここまで、緻密に打ち込めるのは、大変ありがたいです。
Studio One用キースイッチマップ配布
- Studio Oneで、上記キースイッチマップを使う方法
-
上記ファイルをダウンロード後、解凍(展開)します。
その後、Studio Oneをインストールしているフォルダに移動し、
StudioOne\Presets\User Presets\Key Switches
に放り込みます。
Studio Oneを起動して、右にあるブラウズから、「プリセットの索引を再作成」をします。
ピアノロール→サウンドバリエーションから、MOJO: UPRIGHT BASSを選択します。
CPU負荷
6%ほどと、音源としては通常の負荷です。
- OS:Windows11 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:96GB
- DAW:Studio One6.6
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:1024samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上が、Vir2|MOJO: UPRIGHT BASSのレビューです。
ご紹介していない部分で言えば、
- MIDIパターン収録(打ち込み方を学べる)
- ハンドポジション&カポ&弦指定
- アーティキュレーション:コード
などの機能があります。
内蔵エフェクトは、Kontakt内の機能のため、例えばコンプレッサーのリダクション量が見られないなどで不満がある場合は、外部エフェクトを併用するのも一つであるようには思います。
本プラグインのうりは、マイキングを用いた幅広い音作り・演奏を緻密に再現できる豊富なサンプル&アーティキュレーションでしょう。アコースティックベースにとことん説得力を持たせたいという方におすすめな音源です。
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