XLN Audio XOレビュー 創造性の扉を開くリズム総合音源
XLN Audio XOは、サンプルを手軽に管理できるリズム総合音源です。
宇宙に浮かぶ星のような点、その一つ一つがサンプルで、クリックするだけで簡単に音を聞くことができます。その動きは軽快そのもの!
そして何より素晴らしいのは、ワクワクと創造力が沸き立つサウンドが、簡単操作ですぐに飛び出してくること。
サウンドを聴きながら、創造性の扉を開くXOを体感してみましょう。
音を聴いてみよう。
プリセット=サウンド&パターン
XOのプリセットは、サウンドとリズムパターンがどちらも一緒に収録されています。
例えば、次のプリセットを選択すると、サウンド&リズムパターンがすぐに再生できます。
想像力が掻き立てられるサウンドですよね。
特定のジャンルというよりも、どうとでも調理できる幅広いプリセットが多く収録されているイメージです。
私はこのリズムパターンに対して、次のようにアレンジしてみました。
あなたならどんなアレンジを載せますか?
外部サンプルを一元化!
XOは、最初からサンプル素材が8700ほど収録されています。好感の持てるサウンドクオリティで即戦力です。
また、持っているサンプルをXOに追加することもできます。
私は、Native Instruments Komplete Ultimate13を持っていますが、正直エキスパンションはまるで使っていない状況でした。ビートメイクするわけではないのでMaschineは使いませんし、Battery4は各キットを読み込むのに時間がかかり、音探しに難航するためです。
そんなKomleteに収録されている大量のサンプルも、XOで読み込めば機敏に聞くことができます。
また面白いのが、XOのプリセットと似た別のサウンドを、すぐに読み込める機能です。
今まで眠っていたサンプル素材が、宝の山に変わります!
そして、自分じゃ選ばないようなサウンドが簡単に次から次へと出てくるので、マンネリ解消や、創造力がムクムクと膨らむのを感じます。
上記、リズムパターンに対して、私は次のようなアレンジにしました。
リズムパターンに刺激され、ジャジーなモード音楽が生まれました!
創造性の扉が開かれるXO。恐るべし!
とにかく使いやすい!こだわり抜かれた操作性
偶然性に乾杯!
既に説明したことでもありますが、別のサウンドパターンをすぐに試す方法が幾つもあります。
それがサンプルコンバイナーという機能です。
似たサウンドをランダムで変化させて聴くことで、偶然良い出会いが!
音選びの楽さ
XOの宇宙は、次のような法則で配置されています。
色でも種類が把握でき、例えば赤:キックです。同じキックでも、上にあるキックはディケイが短く、下にあるキックはディケイが長めになります。
シーケンサーが高機能!
シンプルなシーケンサーに見えますが、相当練られています。
ナッジは前ノリ・後ノリを付けるための重要なパラメーター。こんなに簡単に設定できるとは。
また、リズムパターンに関しても偶発性が期待できます。それがビートコンバイナーの機能。
驚くほど簡単に、今までにないパターンが生み出せます。胸のワクワクが止まりません。
オーディオもMIDIも、即エキスポート!
気に入ったパターンが作れたら、DAWにエキスポートです。
オーディオでもMIDIでも行けます。
気に入ったサンプルは、宇宙画面からもCtrl+ドラッグでエクスポート可能です。
シンプルなのに高機能なミキサー&パラアウトも一発
各トラックにトランジェントシェイパー・フィルター・チルトEQ付きです。
パラアウトしたい場合も一発で可能!
これで、XOの1~9にパラアウトでき、XO1がFX BUS、XO2~9までが各キットの吐き出しになります。
またオープンハイハットとクローズハイハットのグループ化、リバースなども可能です。
他のプラグインとの比較
Native Instruments Battery4
他メーカーの競合には、Battery4があります。
細かなエディットやエフェクトは、Battery4の方が得意ですが、とにかく音探しが面倒くさいです。
XOの場合でもパラアウトして、外部エフェクトで細かくエディットすればいいだけなので、Battery4の優位性は正直あまりないように思います。
Battery4は巨大なサンプル音源集なので、XOで読み込むことで、存分に活かすことが可能です。
Waves Cosmos
XOに大変似ている見た目のWaves COSMOS。
XOがリズム制作に重きを置いているのに対し、COSMOSはリズムに限らず音程楽器も管理することに重点を置いています。
COSMOSで選んだサンプルを、CR8というサンプラーでDAW上で操作する……という流れで使用します。そもそもの守備範囲が違いますね。
CR8・COSMOSでリズム管理ができないこともありません。
しかし、リズムを作ることに限れば、XOの持つ偶発性の凄さ・ビートが即生まれる早さなどから見ても、XOは比較にならない便利でしょう。
CPU負荷
CPU負荷は、そこまで高くありません。
動作も大変軽いです。
●PCスペック
- OS:Windows10 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:64GB
- DAW:Studio One5.5
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:512samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上が、XLN Audio XOのレビューです。いかがでしたでしょうか?
機敏な動作と、想像力を刺激する偶発性。
電子ドラム的なサウンドを求めるのであれば、ファーストチョイスになり得る傑作プラグインです。