VST Effect レビュー

Techivation AI-Clarity レビュー 気付かないほど自然に、不快な音を除去する。

rainysongame
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TechivationからAIシリーズ第2弾 AI-Clarityが発売となりました。

元になったのは、不快な音を除去するM-Clarityです。AIの力で自動的に不快な音が除去できるようになりました。

  • ボタン・フェーダー一つの簡単操作で、耳障りな音を除去
  • 濁り・箱鳴り・あらさを感じるサウンドが最小限に。
  • 使用することで、ユーザーの耳を育てる。

サウンドを聴きながら、AI-Clarityに迫っていきましょう。

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Techivation

AI-Clarityの使い方

まず、耳障りなトラックにAI-Clarityを差します。

すると、「Learnボタンを押してね。」という画面が現れます。

AI-ClarityのLearn

トラックを再生しながらLearnします。

AI-ClarityのCapturing

すると、3.5秒ほどで解析が終わります。

AI-ClarityのClarity画面

この時点で、既に不快な響きは軽減されます。

ただ、かなりジェントルな効きですので、最初は「え?かかってる?」と感じるほどかもしれません。しかし、ON・OFFボタンで比較すると、確かに不快な音が軽減されているのが分かります。

気付かないほど自然に、不快な音を抑えているのです。

Clarityの値で、不快な音をどれだけ除去するかを操作しますが、実際には、100%にしても、全く無理のない程度の効きです。元からの素材を活かす範囲での動作と感じますね。

それでは、実際にサウンドを聞いてみましょう。

AI-Clarityのサウンドを聞く。

ここでは、AI-Clarityの元となったM-Clarityの記事で使ったサンプル素材を使ってみます。

ピアノ素材

わざと中低音域が濁りやすいような音域で打ち込んだピアノです。

AI-Clarityのピアノ設定
①Bypass
②AI-Clarity(100%)を使用
③M-Clarity使用(前記事の音源)

②AI-Clarityが、どれだけ自然に箱鳴りを抑えているか、お分かり頂けたでしょうか?

こうして聴き比べると、私が以前検証のために設定した③M-Clarityの音源は、不快な響きを押さえすぎていたことが分かりますね。

いかに優れたツールがあろうと、耳が育っていなければ、③のように不快な響きを削りすぎてしまって、元の音源のニュアンスまで損なってしまうこともあり得るわけですね。(私は、自分の至らなさを公言するタイプの人間です……。)

しかし、AI-Clarityがあれば、不快な響きを除去できるのはもちろん、耳を育てることが可能です。これは、地力では中々育めない能力だと感じます。

アコギ素材

続いては、マイクの近接効果で、もこもこしたアコギ素材です。

AI-Clarityのアコギ処理
④Bypass
⑤AI-Clarity使用
⑥M-Clarity使用

⑤AI-Clarityは100%で使用していますが、やはり効きはとてもジェントルです。④の質感を残しながら、箱鳴り自体はキレイにおさまっているのが分かります。

しかし、まだ低域量が多いように思うので、ダイナミックEQやM-Compressorなどを使って、コントロールする必要はあるかと思います。

⑥M-Clarityは、AI-Clarityより強く除去することができます。そのため、他にEQ処理が必要ないくらいまで除去できていますね。より強く意図を持って素材をコントロールしたい場合は、M-Clarityを使うのが良さそうですね。

参考

⑤の素材を、M-Compressorで低域に対してコンプレッサーをかけてみます。

M-Compressor
⑦AI-Clarity→M-Compressor

かなり自然に、低域のリダクションができていますね。

こうした低域・高域のコントロールについては、M-Compressorが得意分野です。

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AI-Clarityの機能

diff(差分)リッスン機能

画面下部にあるdiffボタンを押すと、除去した成分を聞くことができます。

AI-Clarityのdiff
⑧アコギのdiff

こうして聞くと、箱鳴りだけなく、高域の耳障りな部分をも除去してくれているのが分かりますね。

M-Clarityの時の設定では、下記のように20~350Hzで設定していました。

M-Clarity アコギ設定
⑨M-Clarityのdiff

音源で聞いても分かりますが、高域の耳障りな部分は、除去していません。

つまり、(また自分の至らなさを白状しますが)耳が育っていない場合は、M-Clarityでも耳障りな音を除去しきれません。

AI-Clarityであれば、適切に処理してくれる上に、自分の耳が育つのにも役に立ってくれるでしょう。

Enable Mid/Side

メニューでは、MS処理のON・OFFが選択できます。(デフォルトはOn=Enable。)

Enable Mid/Side

つまり、デフォルト状態では、適切にMS処理してくれていることになります。これまたM-Clarityで自分で操作するには、中々難しかった処理ではないでしょうか。

以下、マニュアルを引用します。

Mid-Side処理を無効にすると、プラグインは左右のチャンネルを独立して処理します。トラックのステレオ・バランスを維持する必要がある場合は、処理をMid-Sideモードに切り替えてください。

AI-Clarityマニュアルより

というわけで、ステレオ素材のピアノを使って、聴き比べます。

②AI-Clarity(Mid-Sideモード)
⑩LRモード

私は⑩に、若干の気持ち悪さ・居心地の悪さを感じました。(左右の独立した処理が影響しているのでしょうか?)

基本的には、デフォルトのMS処理を使って問題ないと考えています。

参考

TechivationのCEO Amin氏に、どういった状況でDisable Mid/Side(=LR Mode)が役立つか伺ってみました。

左右のチャンネルに大きな違いがある場合(例えば、ハイハットが片方のチャンネルにしかないドラムキットのバスなど)、Mid/Sideを無効にすると、プラグインが左右のチャンネルを独立して処理するので、より正確な結果が得られるかもしれません。

しかし、その場合、トラックのステレオバランスが変わる可能性があります。これは、Mid/Sideを有効にすることで回避可能です。

Amin氏からの回答をDeepL翻訳

つまり、左右差がある素材に関しては、Disable Mid/Sideにした方が、結果が良くなる場合があるということですね。

Copy State・Paste State

AI-Clarityは、読み込ませる場所によって、若干数値が変わる場合がありますが、大丈夫です。プラグインの状態をコピペできます。

これにより、同じ音源の尺違いのプロジェクトなどへも、状態をコピーし、同じ処理ができるようになっています。

CPU負荷

3~5%ほどです。M-Clarityは2%ほどだったので、若干高くなってしまいましたが、許容範囲でしょう。

PC環境
  • OS:Windows10 64bit
  • CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core] 
  • メモリ:96GB
  • DAW:Studio One6.6
  • サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
  • バッファーサイズ:1024samples
  • オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4

まとめ

以上が、AI-Clarityのレビューです。

効きはかなり穏やか。
しかし、クリティカルに問題を解決してくれるのには驚きました。

また、耳が育っていないと、良いプラグインも十分に働かせることはできないというプラグインの欠点を、AIの力を使って解決したのには驚きを隠せません。

何より、使用者の力量を育てるプラグインは、積極的な導入の価値があるでしょう。

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Techivationの他のプラグインが気になった方は、全プラグインレビューも参照下さい。

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プロフィール
渡部絢也
渡部絢也
子ども向け音楽の作曲家・歌うたい
こどもの日常に、うたを。
秋田の山あいで暮らす二児の父。

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