Techivation M-Leveller レビュー オートレベラーの欠点と向き合った意欲作

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Techivationから、オートレベラーM-Levellerが発売されました。
- 音量変化が多いトラック(特にボーカルなど)の音量均一化を自動で行う。
- パラメーターが工夫され、より直感的になった。
- サイドチェイン対応で、従来のレベラーでは難しかった変化にも対応。
サウンドを聴きながら、M-Levellerに迫っていきましょう!
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従来のオートレベラー
オートレベラーと言えば、Waves VocalRiderが先駆けでしょうか。
コンプレッサーでは、潰した所で特に音色変化が生じます。そのため、音量差があまりにも大きい素材では、コンプだけでは全体の質感が統一できないこともありました。そのため、コンプレッサーの前段階でオートレベラーを使うことで、コンプの効きを調整する目的でオートレベラーが使われることが多いのです。

私自身は、Wavesの製品以外では、今まではNuroAudio XRiderなどを使ってきました。

NuroAudioは、日本ではあまり有名なメーカーではないと思いますが、シンプルなUIと音色の方向性が、私はわりと好きなメーカーです。
ただ、XRiderだけでなく、オートレベラー系のプラグイン全般は、手軽に音量合わせができる反面、欠点を抱えていました。
- 自動であるがゆえに、不自然な音量変化もある。
- オートメーションなどを書くのが面倒でオートレベラーを使っているのに、結局オートレベラーのオートメーションを書く必要がある。
- パラメーターの設定がかなり難しい。
- 設定が非常にシビアで、ある場所ではOKなパラメーター設定が、他の箇所ではNGなこともよくある。
- セクションごとに、音量差があるような楽曲では使いづらい。
- 文脈を読んでくれない。 Aメロのオケが小さく、サビのオケが大きな楽曲などの場合は、やはりオートメーションが必要。
つまり、楽をしようとしても、楽にならない場合が良くあるのですね。従来のオートレベラーがそういう欠点を持っていることを念頭に、話を進めていきましょう。
M-Levellerの場合
自動設定とMixパラメーター
M-Levellerは、Mix Assistを搭載しています。AIが自動で設定をしてくれますが、この設定は、特にポップス向けで最初から最後まで一定のレベルが欲しい場合に有効だと思います。


今回サンプルとして、ギター・ボーカルのみのトラックを作ってみました。
サビの声を張る部分でMix Assistを使う場合、Aメロでは、+10dB以上のブーストがされました。 反面、サビではブーストするところでも+2dBくらいにとどまります。

音源を聞いても分かる通り、Aメロでは過剰にボーカルが大きくなる部分があり、サビの特に大きく声を張った部分では、過剰に抑えつけられているように聞こえます。
こういった現象は、他のオートレベラーでも起こるのですが、XRiderの場合は、この問題を解消するために、上下のブースト・カット範囲を決めることができます。

M-Levellerの場合は、Max値・Min値ではなく、全体的な効きをMixの値だけで決めることが出来ます。
下記は、Mixの値を50%にした例です。

これだけで、かなり聴きやすい音源になったと思いませんか? この後、コンプレッサーをかけて、より聴きやすく調整していくことになりますが、過剰な圧縮を防ぐことができますね。
ちなみにバイパスにした場合だと、聴きやすさが全く違います。特にサビの耳を突く痛さは、Bypassでは顕著で、これでは曲を聞いてる場合ではありませんね。
サイドチェイン機能
M-Levellerを語るうえで欠かせないのは、サイドチェイン機能ではないでしょうか。
要するに、オケをM-Levellerにサイドチェインで送ることで、オケと声の音量を相対的に判断し、声が埋もれない音量に変化してくれるものです。
これは、2MixとVoをミックスするMix師の方々には特に有効な機能なのではないかと予想します。
使い方は簡単で、DAWごとのサイドチェイン設定を行った後に、Match Sidechainボタンを押すだけです。オケの音量に合わせて、レベル調整の目安の値が自動変化するのが分かります。

サイドチェインの有無で挙動はかなり変わります。特に、セクションごとに音量差があるような楽曲では、本SideChain機能が有効に働く可能性がありますね。
CPU負荷
CPU負荷はかなり低いです。その反面、レイテンシーは発生しますね。

- OS:Windows11 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:96GB
- DAW:Studio One7.1
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:1024samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上が、M-Levellerのファーストインプレッションです。
今まであった「パラメーターの煩雑さ」「文脈を読めない」という欠点が改善された意欲的な製品になっていると思います。
これから、本格的にボーカルミックスに使っていこうと思いますが、今までは仮で使っていたレベラーを、本MIXでは結局外すことも多かったので、M-Levellerではどうなるか楽しみな所です。
また、本記事では触れなかったPerceputual Filterなどの機能も、どれくらい役に立つか気になる所。また、新たな知見があり次第追記していきます。
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Techivationの他のプラグインが気になった方は、全プラグインレビューも参照下さい。

