VST Effect レビュー

sonible prime:vocal レビュー マイルームで録音した歌声をスタジオクオリティに!

rainysongame
【広告】本記事は、レビューのためにsonible社から製品を提供頂いた上で執筆し、
アフィリエイト広告を利用しています。本記事が参考になった方は、ぜひリンクをご利用下さい。

sonible prime:vocalは、録音環境に関係なく、一流のスタジオで録音されたボーカルにブラッシュアップするためのソフトウェアです。

  • スタンドアローン版・ARA版(*beta)がある。
  • ボーカル・スピーチのブラッシュアップ専用
    • ノイズ低減
    • 部屋の反響低減
    • 歯擦音・破裂音低減
    • ダイナミクスの調整(コンプ・音量等)

気になるのは、音質の変化がいかほどかだと思います。サウンドを聴きながら、prime:vocalに迫っていきましょう。

>sonible prime:vocalの金額を確認する

prime:vocalの使い方

スタンドアローンの場合は、ファイルをドラッグ&ドロップ。ARAの場合は、イベントFXで立ち上げます。

sonible prime:vocal 読込中

ファイルを読み込み始めると、読み込み終えた範囲については、即編集が可能になります。ちなみに私の環境では、4分18秒のファイルに対して、5分40秒の時間がかかって全てを読み終えました。(歌いだしまでに空白が多いファイルだと、結構気になるかもしれませんね。)

主なパラメーターは5種類です。

  1. Noise Reduction:ノイズ低減。
  2. Room Reduction:部屋鳴り低減。
  3. Vocal Clean-Up:歯擦音・破裂音の低減。
  4. Spectral Balance:トーンバランス調整
  5. Dynamics:Level Ridingで声の平均化。Compressionで、大きい音量を下げる。

①~③までは、周波数域で効きを調整できます。

sonible prime:vocal の周波数の重み付け

メインのノブが100の場合は、すでに効きがMAXなため、この重み付けで100以上にしても効果がありません。(メインのノブが100以下の時に、重み付けで100以上にした帯域への効果が強くなるということですね。)

Spectral Balanceは、レゾナンスサプレッサー的な動作ではなく、EQ補正的なさりげない変化に聞こえます。「warm・natural・bright」と選ぶことはできますが、どれを選んでも、声の温かい(悪く言えば、Mud:泥の)帯域はカットされる傾向にあり、モダンな印象に変化する印象です。その上で、natural→bright、となるにつれて、高域が立っていきます。

サウンドを聴いてみる。

生身の声

検証用に歌いました。

声検証条件
  • ファンヒーターを付けたまま
  • マイクの位置を50cmほど離して収録しました。
①Bypass
②prime:vocalを読み込み後、無調整

冒頭のファンヒーターやマウス操作の音は、見事に消えていますね。若干入っている部屋鳴りも消えており、より近い位置で聞こえるようになっています。

0:11は、ノイズ除去と一緒に声も削れているので、ここは調整が必要です。
0:29の「きみさ」の「き」も、取り切れず気になる所。

そこで、改善を行ったのが次の調整です。

sonible prime:vocal の調整
③prime:vocalで調整

0:11は、声への影響が減りましたね。
0:29の「き」も、いい感じです。

ちなみに、私も愛用している同社のsmart:deessと比べると、smart:deessの方が、より過激にかけることができるので、激しい歯擦音がある場合は、prime:vocalはあくまで下処理と考えて良いかと思います。(ちなみに、「き」はsmart:deessなら、もっときれいに処理ができました。)

あわせて読みたい
sonible smart:deess レビュー 声に特化した簡単高機能ディエッサー
sonible smart:deess レビュー 声に特化した簡単高機能ディエッサー

ちなみにオケと混ぜた場合、次のようになります。

④prime:vocal 不使用
⑤prime:vocal 使用

今回の素材の場合、特に顕著に分かるのは、Dynamicsの有用さだと思います。④は、声の小さい部分が前に出てきていませんし、大きすぎる部分もあります。

Dynamicsでは、「Level Ridingで小さい音声を上げる。Compressionで、大きい音量を下げる。」と両方を同時に行ってくれます。

sonible prime:vocal のDynamics

後段で、また別のコンプレッサーはかけていますが、コンプ前の下処理として非常に役立ちそうな印象です。

Synthesizer Vに使うとどうなる?

Synthesizer Vなどの歌声合成ソフトでも、何か良い効用があるか気になるところだと思います。

予想としては、あまり効果がないのではないかと思ったのですが、効果がありました。

⑥Synthesizer V:bypass
⑦Synthesizer V:prime:vocal使用(立ち上げた直後)

⑥素の状態では、もっさりと聞こえています。
 マイクの近接効果がかかっているような印象の声ですね。

⑦prime:vocalを使うことで、すっきり聞こえ、音像自体が近くになったかのように聞こえています。(ちょっとハイが痛い気もしますが。)

というわけで、歌声合成ソフトの音声の下処理でも役立ちそうに思います。これらを「EQ・コンプ・レゾナンスサプレッサーでできないか?」と言われると、実際にはできますが、「知識があまりない方・楽をしたい」という方は重宝すると思います。

VSTプラグインとしてリアルタイムでかけられたら、なお最高なのですが、現状は歌声合成ソフトの音声をエクスポート後に、ARA or スタンドアローンで処理する必要があるのは、少し残念な所です。

処理してみた感想

権利の関係で、Web上では公開できない素材に対して使ってみました。

部屋鳴り大・音質キンキン

「部屋鳴り大・音質キンキン」と、Mix師の方々もよくあるパターンではないかと思われる、困った素材に対して使ってみました。

Room Reductionについては、某・部屋鳴り除去プラグインと比べると、音痩せせずに使うことができ好印象でした。

Spectral Balanceについては、EQ補正程度にしか効かないため、キンキンとした音質は改善されませんでした。Spectral Balanceは、「warm・natural・bright」と選べますが、「warm」でも、キンキンは改善されません。これは、原音重視でさりげない変化を勧めるいつものsonibleらしい効き具合だと思います。

なので、あまりにもキンキンとした素材については、やはり別途レゾナンスサプレッサーが必要だという印象です。Techivation AI-De-Esserがやはり楽。

部屋反響そこそこ・歌の被りがある素材

歌を同時収録して、歌の被りが入っている素材に対して使ってみました。

やはりRoom Reductionが優秀で、マイクのそばで歌っているような感触に変化させてくれます。

クロストークを除去してくれるというNoise Reductionについてですが、歌の被りが大きい場合は、そこまで除去してくれません。 被りが大きすぎると、被りの声も収録している声だと判断するためだと思われます。小さな被りは、消そうとしてくれます。

Vocal Clean-Upについてですが、歯擦音と破裂音の軽減がメインの機能ですが、軽い口のクチャっとしたノイズは低減してくれます。 結構大きな音の場合は、除去しきれない場合も。また、私が観測した限りでは、マイクに息があたるボフッは除去が苦手なようです。

そして、Dynamicsはやはり好印象です。かなり自然に音量を揃えてくれるので、下処理として非常に有能です。Melodyneの編集で、「音量の大きなブロブを小さく、小さなブロブを大きく」といった処理をすることもあると思いますが、大幅にその手間が少なくなる可能性があります。

ARAについて

現在はBeta版

現在、ARAはBeta版で、URL先で公開されている既知の問題があります。(例えばStudio Oneでは、パラメーターやオートメーションが保存できず、プロジェクトを読み込み直すと設定が消えてしまいます。)

いずれアップデートされるので、それらは問題ないでしょう。

ARAの懸念

ARAは、1つのオーディオに1つのプラグインの起動しかできません。

つまり、Melodyneなどで音程矯正している場合、別途prime:vocalを立ち上げることができないということです。

そのため、prime:vocalを使う場合は、2通りの方法が考えられます。

  1. スタンドアローンで処理して、Wavをエクスポートする。DAWに貼り付け後に、Melodyneを使用する。
  2. ARAで処理後、レンダリングし、再度別のARA処理をする。
    • Melodyneが先の場合もありえる。
    • prime:vocalが先の場合もありえる。

上記にも書きましたが、prime:vocalのDynamicsノブが優秀なので、私が今後prime:vocalを使う場合は、②ARA版で読み込んで下処理をして、レンダリング後にMelodyneで調整という流れが良いように、現時点では感じています。

既にRXなどのノイズ処理ソフトを使っている方にとっては、スタンドアローン処理は、ワークフローが変わらず、慣れた方法と言えるはず。

サウンドを載せられず恐縮ですが、部屋鳴り除去がいい感じなので、「prime:vocalを使いたい!」という場合は、割と出てくるのではないかと思います。

CPU負荷

ARA版で読み込んだ場合の負荷は、2~4%ほどと、軽いです。

sonible prime:vocal のCPU負荷
PC環境
  • OS:Windows11 64bit
  • CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core] 
  • メモリ:96GB
  • DAW:Studio One6.6
  • サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
  • バッファーサイズ:1024samples
  • オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4

まとめ

以上が、sonible prime:vocalのレビューです。

音楽をしていると、困った音質のボーカル音源と向き合わなければいけない機会があります。部屋の改善ができずに、困っている方もいるでしょう。そんな方々のお供として、prime:vocalが今後役に立つ可能性は大いにあると思います。

特に優れていると思ったのは、Room Reduction・Dynamicsです。部屋鳴りを減らし、音量操作の下処理をノブ一つで可能なのは大きいです。Noise Reductionは、ファンヒーターのノイズについては、かなり綺麗に除去してくれました。その反面、ボフッ・ゴトッという突発的なノイズは残る所もありました。(sonibleに要望を伝えました。)

現状はARA版がBetaであり、DAW上での使用はレンダリングに限られる部分もありますが、今後の着実なアプデで、より検出・除去精度が上がることも期待しています。

>sonible prime:vocalの金額を確認する

こんな作品、作ってます。

previous arrow
おれたちバイキン ハッハッハッ!!
PlayPlay
シャッ・シャッ・シャーク~サメのうた~
PlayPlay
海の絵描き歌メドレー
PlayPlay
NPB日本野球機構「やきゅうたいそう だいいち」
PlayPlay
NPB日本野球機構「やきゅうたいそう だいいち」アニメVer.
株式会社林泉堂 野菜ざるラーメン TVCM
PlayPlay
アオハルするべ
PlayPlay
祭シアターHANA「パンデミック」
PlayPlay
Exist
PlayPlay
今この瞬間から
PlayPlay
next arrow
 
あわせて読みたい
【楽曲制作秘話】仕上げみがきが楽しくなる「おれたちバイキン」
【楽曲制作秘話】仕上げみがきが楽しくなる「おれたちバイキン」

プロフィール
渡部絢也
渡部絢也
子ども向け音楽の作曲家・歌うたい
こどもの日常に、うたを。
秋田の山あいで暮らす二児の父。

子どもが笑って歌い、
親子の毎日がちょっと変わる──

そんな歌をつくります。

YouTube430万再生|総再生12万時間超

NPB・舞台音楽など、企業・行政案件も多数制作。「こどもに伝えたい!」を歌にしませんか?
記事URLをコピーしました