UVI Sparkverbレビュー:低CPU負荷&クリアな音質が持ち味
UVI Sparkverbは、低CPU負荷・クリアな音質なリバーブプラグインです。
- 軽いので、トラック毎にがんがんインサートで使用可能
- シンセに合う音質
本記事では、他のリバーブプラグインとの比較を交えて、UVI Sparkverbに迫っていきます。
Sparkverbの 音の特徴
Sparkverbは、クリアで透き通るような質感が特徴です。
元々UVIが開発しているシンセサイザーFalconの中のリバーブとして組み込まれていたものなので、シンセはとても馴染みます。
一方、生系の楽器に対して使う際には、少し物足りない印象もあります。
プリセットの中のシマーリバーブの質感は素晴らしく、エフェクティブな音作りをしたい場合には、大きな力になるでしょう。
それでは、実際に音を確かめていきましょう。
シンセサイザー
一番相性が良いであろう、シンセサイザーに使ってみます。
今回使うのは、SONIC ACADEMY ANA2です。
ANA2は大変使いやすいアルペジエイター・コード機能が付いており、使い勝手が抜群で、シンセ初心者には大変オススメのシンセです。(本家のYoutubeのレッスン動画もとても参考になる。)
ただし、ANA2内のリバーブの質感がいまいち良くないのが、私的には懸念点です。こんな時にSparkverbが便利ですね。
上記の画像のように、ANA2上ではDelayのみをかけた音源を基準に聴いていきましょう。
②ANA2付属のリバーブは、白くモヤがかかったような音になっているのと、高音の耳うるさいところが強調されているのが分かります。
一方、③Sparkverbの場合、耳うるさい部分は強調されていないのに、美しく音像が広がっているのが分かります。これは、Rolloffの設定で6,000Hzのハイパスフィルターをかけているのも、要因の一つです。
では同じようにハイパスフィルターをかけた、④Fabfilter Pro-Rはどうでしょうか。(Fabfilter Pro-Rも大変評判の良いリバーブプラグインです。)
プリセット選択後、ほとんど追い込んでいないこともありますが、少しくぐもって聞こえるような感じがしますよね。
また、初期反射音の音をいじりやすいのもSparkverbのメリットです。
Sparkverbは、シンセサイザーのサウンドメイクがとても楽、かつ美しい音作りが可能です。
ボーカル
Sparkverbのクリアな質感は、ボーカルでも分かります。
先程のシンセサイザーに、ドラムとボーカルを足した音源で試してみました。
この例は、シンセ・ドラム・ボーカルだけの実質3トラックです。
このように音の数が少ない楽曲で、なおかつゆったり長く聞かせるリバーブとしては、⑤Sparkverbはかなり有用だということが分かりますよね。
⑥Pro-Rの方はどうかというと、同じく美しいテールですが、濃密なリバーブ感が少し耳につくような印象。
濃密すぎて使いづらいという場面には、軽やかな響きのSparkverbの方が使い勝手が良い印象です。
ピアノ
ピアノは、SpectrasonicsのKeyscapeを使ってみます。
Sparkverbのパラメーターは次の通り。
上記は、私が作ったプリセットです。普通に聞く分には、これでも問題ない音ではあります。
しかし、Fabiflter Pro-Rのもっちりと濃密なリバーブを聞くと、ピアノのリバーブを選ぶなら、Pro-Rを選びたくなる方も多いように思います。少なくとも、私がピアノソロ系の曲を作るなら、Pro-Rを選択します。
シマーリバーブ
Sparkverbの中でも、私がかなり気に入っている点は、プリセットの中のシマーリバーブです。
シマーリバーブは、ピッチシフターとリバーブを組み合わせたエフェクトで、他社ではValhalla Shimmerなどがあります。(私の別記事でも紹介中。)
Sparkverbのシマーリバーブの美しさは、一線を画します。
⑩Sparkverbのプリセットの中の、Shimmer2が特にお気に入りで、延々とピアノを弾いていたくなる音色です。
⑪Valhalla shimmerは、濃い味付けになって、原音と干渉して、少しにじむようなイメージ。
Valhalla shimmerは、金額が5,000円。定価14,000円ほどのSparkverbと比較するのも、変な話かもしれません。
が、シマーリバーブ専用プラグイン以上のパフォーマンスを発揮するSparkverbの有用性が光ります。
Sparkverbの特徴まとめ
- CPU負荷は、ほぼ0。動作がとにかく軽い。
- クリアでスッキリとした味付け。
- 生系の楽器に使うには、ちょっと味付けが薄いと感じる場合も。
- シマーリバーブが超優秀。
こんな人におすすめ
- ラップトップPCを使っていて、CPU負荷をとにかく軽くしたい人
- EDM・エレクトロ系など、スッキリくっきりしたリバーブが活きるジャンルをやっている人
- シンセをよく使う人
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操作解説
ここからは、使っていて分かりにくいと思ったポイントや、特徴的な機能を解説します。
UVIは日本語マニュアルもしっかりしているため、「UVI Sparkverb マニュアル」で検索すると、わかりやすいマニュアルをすぐダウンロード出来ます。
見た目を大きくしよう
最初立ち上げると、画面がかなり小さく面食らいますが、サイズ変更も可能。
本当は自由にドラッグして、大きさを決められたら良いんだけど。
プリセットボイジャー
右上の不思議なアイコンをクリックすると、プリセットボイジャーという機能が開きます。
この星のような点が、ユーザーのプリセットを含む、全てのプリセットを表しています。
点や、点と点の中間地点をクリックすることで、直感的にイメージに近いパラメーターを選べます。
欠点は、画面内をドラッグして移動出来ず、あまり操作性が良くないと感じる所。
ただ、直感的に「これだ!」という所まで持っていくのには重宝するので、
- プリセットボイジャーでおおよそのパラメーターを決める
- 細かい部分は手で直す
という流れで、あっという間に値を決められるのは便利です。
まとめ
以上が、UVI Sparkverbのレビューです。
見慣れないパラメーターもあって、最初は戸惑うことも多いかもしれませんが、マニュアルを読んで操作に慣れると、サウンドメイクしやすいリバーブです。
リバーブプラグインにおいて、軽さは重要!
気軽にインサートに使えるSparkverbを、ぜひ導入してみてはいかがでしょうか。