AMPLE ETHNO BANJO レビュー 楽にコード打ち込みが可能なバンジョー音源
AMPLE SOUND「AMPLE ETHNO BANJO」は、コードのストラム演奏が非常に簡単に打ち込めるバンジョー音源です。
- コード演奏がかなり楽。
- バンジョーのコードフォーム等の知識は全く必要ない!
- 打ち込み方には癖がある。
サウンドを聴きながら、Ample Ethno Banjoに迫っていきましょう。
サウンドを聴いてみる。
今回のサンプル曲は、私のYouTubeチャンネルでいずれ投稿予定の楽曲「はたらくトラクターのうた」です。農業機器を彷彿とさせるオーガニックなサウンドが求められるため、バンジョーを選択してみました。
以下、楽曲の打ち込み内容です。
Ample Ethno Banjoは、鍵盤モード・ストラムモードがあり、今回はストラムモードで使用しています。
ストラムモードに入るためには、C#6のキーを、ヴェロシティ64以上で入力する必要があります。(63以下なら、鍵盤モードになります。)
こうした独自のキースイッチ仕様を乗り越えると、楽しいコード打ち込み作業が可能になります。
ストラムモードでは、C1~B2までの24個のコードを保存できます。
コードのポジション指定ができて、最高です。
例えば、上記の画像では、バンク1はCMaj2と書いていますが、コードCの2番目のフォームということを意味します。CMaj1ならば、よりローポジションの低い音が鳴り、Cmaj3ならよりハイポジションの高い音が鳴ります。
そして何より、ストラムの種類を選べるのが最高です。
弦ごとの単音弾きはもちろん、ダウンストロークも2種類あり、全弦を含めた高域まで鳴らすストローク・高域を鳴らさないストロークを使い分けられます。
これにより、「拍頭は一番低い弦だけを鳴らす。」「耳につく1弦の音を軽減させたストロークを鳴らす」など、伴奏の幅が広がるのです。
- コード入力:C1~B2
- ストラムパターン:C3・C#3・D#3・F#3・G#3・A#3・C#4・D#4
- 1~5弦単音弾き:E3・F3・G3・A3・B3
- ダウンストローク(全弦):C4
- ダウンストローク(高域弦を除く):D4
- アップストローク:E4
- ゴースト:F4
- ミュートダウンストローク(全弦):G4
- ミュートダウンストローク(高域弦を除く):A4
- ミュートアップストローク:B4
Ample Ethno Banjo私見
バンジョーの楽器知識が必要ない!
バンジョーの持つ独特のサウンドを活かすためには、やはり、ボイシングがかなり重要です。
総合音源の中に入っているような通常の音源では、自分でボイシングを調べて打ち込む必要があります。が、バンジョーのコードを0から調べるのは、かなり大変です。
そして、バンジョーを使う楽曲を連続して作ることはかなり少ないですから、打ち込むたびに知識が0に逆戻りした状態でスタートすることになります。
そのためAmple Ethno Banjoは、バンジョーのコード知識が一切必要なく打ち込めるという点で、かなり優秀だと思います。
ここが難点
機能がかなり多いです。
日本語マニュアルが無いのは、結構なハードルとなるかもしれません。
実際の所、私はストラムモード以外は使っていません。ただ、ストラムモードで打ち込む分には、本ページで紹介している内容で、十分打ち込めます。
あと、私の環境では、たまに落ちるのが、非常にむず痒い。
それでも、バンジョーを打ち込む分には、これに代わるプラグインはないので、私的にはマストなプラグインです。
ミックス上の工夫
Ample Ethno Banjo上でも、マイクバランスを変えたり、ダブリングをしたりもできます。
- フェーダーの横の青いイラストボタン:マイクモード調整
- BODY:ボディの音量
- BRIDGE:ブリッジの音量
- NECK:ネックの音量
- MASTER:BODY・BRIDGE・NECKを合わせた音を最終調整
- DOUBLE:左右にダブリング
- RES.TIME:レゾナンスのリリースタイム決定
- REL:ノートを離した後のノイズ音量
- FX:FXノートの音量(ボディを叩く音など)
- RES:レゾナンスの音量
- FSA:指先のアタックノイズ音量
- FSR:指先のリリースノイズ音量
エフェクト処理も、内部である程度可能です。(コンプ・EQ・ディレイ・リバーブ)
今回のサンプル曲の場合は、外部プラグインも使っています。
サチューレーターをかけて田舎っぽいサウンドに変化させた上で、スペクトラル処理で耳に痛いサウンドを和らげました。
スペクトラル処理は、Oeksound Soothe2などでもOKです。
バンジョー自体、特徴的なサウンドゆえに、中々ミックスが難しい楽器の一つだと思いますが、上記はうまく出来た例と言えると思います。
CPU負荷
結構、重たいです。
前述の通り、私の環境では度々落ちますので、細かなファイル保存は必須です。
- OS:Windows10 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:96GB
- DAW:Studio One6.6
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:1024samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上が、Ample Ethno Banjoのレビューです。
「日本語マニュアルがない。」「操作が複雑。」「たまに落ちる。」と、懸念点は多いのですが、その反面バンジョーのコード演奏を気軽に打ち込めるという意味では、替えの効かないプラグインと言えます。
サウンド自体には不満はありませんし、本格的にバンジョーを楽曲に使いたいという方には、ぜひオススメしたい音源と言えます。