Baby Audio Transit2 レビュー 28種のエフェクトを動的に扱えるプラグイン
Baby Audio Transit2 は、2023年に発売され好評を得たトランジションエフェクトプラグインの続編です。
トランジションエフェクトとは、楽曲のセクションが切り替わる際、盛り上がりを演出するためのエフェクトです。例えば、Bメロからサビに移る前に期待感を高めるといった場面で使用されます。
Transit2では、トランジションエフェクトとしてだけでなく、マルチエフェクターとして使うために機能が強化されました。
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Transit2で作ってみた音
新機能ループを活用した幻想的な音
Loopは、設定した音価で、音を瞬間的に録音&ループ再生するエフェクトです。
マクロの値をオートメーションで上げると、ループが始まり、ディレイ・リバーブがかかる仕組みです。美しいですよね。
ドラムに対してプリセットを使った例
プリセットは838収録されており、以下はその内の一つをかけています。
オートメーションのかけ方で、全く音が変わってくるのが面白いです。
オートメーションのかけ方で、全く違う色合いを見せるので、使う人のセンスが問われるエフェクトとも言えそうですね。
トランジション&サイドチェイン
プリセットから、トランジションも試してみました。
「A→B」の間に入れています。
Aメロで使った3トラックをサブミックスバスにまとめ、Transit2をかけました。Transit2の左下にある、Mixを50%にしているので、Dry音を残しながら、Wet音も同時に鳴らすことができています。
また、Bメロでは、Transit2で新搭載されたサイドチェインも使っています。
サイドチェインを使うと、外部の音をソースにして、モジュレーションをかけられます。これまた、アイデアやセンスが問われそうな所。
Transit2で何ができるか?
上記4例をご覧頂きましたが、内蔵エフェクトは28種類と、とても紹介しきれないほど色々なことができます。
Transit2が何ができるか・どんな新機能があるかは、公式ビデオが分かりやすいです。
YouTuber・音楽プロデューサーであるAndrew Huangが監修しており、本人が説明しています。
プリセットの総数は838となりましたが、検索機能が充実しているため、選びやすいのではないかと思われます。
突飛な発想を求めるなら、プリセットは大いに結構ですが、狙ったサウンドになるものを探すのは中々難しいので、自分で組むほうが早いかもしれませんね。
各エフェクトにも、プリセットがあるので、参考になると思います。
Transit2を使う上での注意点
Transit2を使う上で、一つ注意点があります。
それは、マクロノブを0%より上にした際に、「プチッ」というノイズが発生する場合があることです。これは、エフェクトのオン・オフで発生するノイズのようです。
今回の場合は、外部エフェクト「RX De-Crakle」を使って、プチノイズを消しています。
Transit2内のノイズ対策については、下記に記します。非常にややこしいので、実際にデモ・購入後に、読みながら試すのをおすすめします。
ノイズを抑えるために、左上の歯車から、Smoothing・FX on at 0%という設定ができます。
Smoothingは、ノイズ対策のクロスフェードが自動的にされるようになるのですが、これはこれで違う種類のザラザラとしたノイズが聞こえる場合がありました。
FX on at 0%をオンにすると、マクロノブが0%の時でもエフェクトが効くようになります。結果、エフェクトのオン・オフ由来のプチノイズは出なくなります。
しかし、各エフェクトのMixをマクロできちんと設定しておかないと、マクロノブが0%でも、エフェクトはオンのままになります。
分かり辛いのがTailsというボタンの効果で、これはFX on at 0%がオフの状態のみ表示されます。この状態では、マクロノブが0%だと、全エフェクトがバイパス状態になります。Tailsはマクロノブを0%にした場合にも、最後に鳴っていたリバーブやディレイが残り続けるようになる機能です。(0%にした以降の音には、リバーブ・ディレイがかかりません。)これは、DAWで一時的にセンドでディレイに音を送るのに似ています。
一方、FX on at 0%がオンの状態では、Tailsが効きませんので、リバーブ・ディレイのみ残す……といった操作ができなくなります。
つまり、サンプル例のような効果を出すには、FX on at 0%をオフにするしかないのですが、するとプチッとノイズが発生することになり、結果的に外部エフェクトでプチノイズを消すしかない場合があるわけです。
今後のアプデに期待したいところですね。
CPU負荷
今回のサンプルでは、以下の通りのCPU使用率となりました。
重すぎるとまではいきませんが、負荷が軽いとは言い切れないレベルです。
- OS:Windows11 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:96GB
- DAW:Studio One6.6
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:1024samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上が、Baby Audio Transit2のレビューです。
新エフェクトのLoop・Reverse・Warpが、大変おもしろいです。
(ぜひ公式ビデオを参考に。)
ノイズの件を含め、惜しいと思う所もありつつも、アイデア次第でとんでもない驚きの音を作れる可能性を感じました。
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