LANDR Sampler レビュー サンプル多すぎ問題を解決!

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LANDR Samplerは、2025年5月に発表されたサンプラーです。
- 超強力なランダムなサンプル配置機能
- 3つの演奏モードで、スライス(ボーカルチョップなど)も一瞬。
- 強力なキー変換で、キーを気にせず演奏可能。
元々は「MonkeyC Audio/Rando」というサンプラーを作っていた作者が、LANDRの資金提供のもと、LANDR Samplerを制作したという経緯のようです。
普段、私はサンプルから楽曲を作ることはほとんどありませんが、LANDR Samplerの超強力な偶発性の力には、新たな可能性を感じました。
例えば、Naitive Instruments Kompleteなどを買いながら、数多あるサンプルを持て余している方々には、新たな作曲の方法や発想の入口として使える可能性が大いにあると思います。
また、普段からサンプルから曲作りする方には、強力な相棒になる可能性が十分あるプラグインです。
LANDR Samplerでサッと作ったサンプル曲
まずは、イメージを掴むために、サンプル曲を聞いてみましょう。

この曲では、ドラムやベース、ギターを打ち込んだりは、一切していません。
私が持っているサンプルを、LANDR Samplerに投げ込み、ランダムで出てきた素材を元に構築しただけです。
じゃあ、一体どういうワークフローなのか、LANDR Samplerを紹介しながら、迫っていきます。
LANDR Samplerの特徴
サンプルの登録
LANDR Samplerは、自前で用意したサンプルでも動作可能ですし、LANDR Samplesというサンプル管理ソフトを使って手に入れたサンプルを使ってもOKです。
どちらにせよ、オーディオのサンプルを元に使うプラグインです。
下の画像のように、サンプルの場所を登録します。

私自身は、Naitive Instruments Kompleteや、時々配布される各企業の無料サンプルなどを大量に持っているので、それをLANDR Samplerに読み込ませました。
ランダムでサンプルを呼び出す。
サンプルのフォルダを登録後、画面中央のLoad Samplesを押します。

すると、全鍵盤に、ランダムでサンプルが割り当てられます。
あとは、鍵盤を押せば、偶発性を楽しみながら、すぐにお好きなサンプル探しができるわけですね。
ただし、私の場合は、24万サンプルくらいあったので、このままだと流石に出てくるサンプルのジャンルが統一されずに、メチャクチャに割り当てられます。
そこでLANDR Samplerでは、名前やカテゴリ、長さなどで絞った上で、ランダム配置を楽しめるように工夫されています。
例えば、テキストサーチに「dark」と打ち込んだ状態で、下記の設定をした場合、56個まで絞られた上で、キックの素材だけがランダムに配置されました。

音のロック・ADSR・FX調整
鍵盤で好きな音を見つけたら、ロックボタンを活用して、鍵盤に音を固定します。

ADSR(エンベロープ形成)はもちろん可能です。
左端にあるパラメーター⚡️LIFEというパラメーターは、モジュレーションをかけて、毎回少し違う音が出るようになる仕組みになっています。
FXタブに移動すると、6種類のエフェクトを、個々のサンプルにかけられます。(マスターFXとして、全体にもかけられます。)

ロックされた鍵盤は、その後、Load Samplesボタン押しても変化しないようになります。
そのため、「気に入った素材はロック。他の音を探すために、Load Samplesで探す。」といったワークフローで、自身のキットを好き勝手に構築できるわけです。
ただし、Ver.2.0.0現在は、個々のサンプルに対するパン操作のパラメーターが見つかりません。
そのため、現段階では、ドラムキットのサンプラーとしては、XLN Audio XOなどの方が使い勝手が良いと思われます。
パン操作については、今後のバージョンアップに強く期待する所です。
じゃあ、LANDR Samplerが何に強いのかというと、トーナル(音程)を含む素材を、何も気にせずに好き勝手に合わせられる点です。
超強力なキー合わせ変換
サンプルの名前に「110bpm_D」などと記載される場合、自動的にテンポとキーが登録されます。
LANDR Samplerの画面上部には、キー設定があります。キー設定されたサンプルは、画面上部のキーに自動的に変更されて発音されます。

このため、キー合わせの手間を全く考えずに、音程のあるサンプル素材を好き勝手に組み合わせることができるのです。(もちろんテンポ合わせも必要なし。)
これが非常に面白い。
冒頭のサンプル曲も、Key=Aのループ素材に、Key=E♭のギター素材を合わせたものでした。

3つの演奏モード+α
LANDR Samplerには、3つの演奏モードがあります。
Normal Mode
鍵盤1つに、1つのサンプルを読み込むモードです。普通のサンプラー。

Chromatic Mode
1つのサンプルを選択した状態で、本モードに切り替えると、サンプルが半音単位で演奏できる状態に変化します。

Slice Mode
ボーカルチョップで大活躍しそうなモードです。
1つのサンプルを選択した状態で、本モードに切り替えると、波形がスライスされ、自動的に鍵盤に割り当てられます。

右にあるSENSで感度を決められますし、自分自身で波形を切る位置も調整可能です。
各鍵盤で、TRANS(音程)を+12などに設定することで、ケロケロな声を楽しめます。
サンプル曲では、まさにボーカルチョップを使ったわけですが、非常に楽しい時間でした。
惜しむらくは、ボーカルチョップの一つ一つにパン設定したいのに、Ver.2.0.0では、パン設定のパラメーターがない点です。
パン設定したい場合は、別途オートメーションでパンを書いたり、Shaper boxなどを使ったりする必要がありますね。その場合は、LANDR Sampler内の空間系FXが使えないのと同義なので、やっぱり残念な所です。バージョンアップ、頼みます!
シーケンス機能
偶発性を楽しむ機能として、シーケンス機能も搭載されています。
GENERATEボタンを押すと、自動的にランダムでシーケンスが作られます。

SPACEの設定で、空白のスペースもランダム配置できます。お好きなフレーズを作ったら、MIDIやAudioでエクスポートすることができます。
DRAGボタンから、DAWにドラッグ&ドロップでOK。

CPU負荷
CPU負荷は、内部エフェクトを使えば使うほど、CPU負荷が高まる仕組みになっています。

- OS:Windows11 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:96GB
- DAW:Studio One7.1
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:1024samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
レビューまとめ
以上が、LANDR Samplerのレビューです。
文中で、パン設定ができないと書きましたが、グループ機能もありません。つまり、「ハイハットクローズとオープンが同時に鳴らないようにする」といったことができません。
これらのことから考えるに、ドラムキットを組んでビートを作るといった処理より、音程のあるサンプル素材をスライスしたり、クロマチックで演奏したり、ということを重要視しているサンプラーなのだと感じました。
ランダム機能もあいまって、キーのことを考えず、ガンガンサンプルを重ねられる楽しさは唯一無二です。
販売形態について
LANDR Samplerは、LANDR Studioというサブスクプランと、単品買い切りの両方が用意されています。
LANDR Studioのサブスクプランでは、
- 収益の100%を保持した状態で無制限に音楽配信できる。
- オンラインAIマスタリングサービス
- LANDR Samplesのサンプルをもらえるクレジットがもらえる。
- 年間プランだと様々なプラグインがもらえる。
などの、諸々の特典が用意されています。どうぞご検討ください。
