oeksound soothe3 レビュー さらに使いやすく進化した定番レゾナンスサプレッサー

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oeksound soothe3は、過剰に飛び出た帯域を抑えるレゾナンスサプレッサーというエフェクトを広めに広めたsootheシリーズ最新作です。
soothe2以降、ありとあらゆるメーカーが、レゾナンスサプレッサーをこぞって出し始めました。soothe3では、一体どんな進化を遂げているのでしょうか?
- 難しかった設定が簡略化され操作しやすくなった。
- より細かくできるパラメーター(Tilt)も、追加。
- 音量依存ではなく、周波数依存のSoftモードが誕生。
- 入力信号の大きさに関係なく反応するようになった。
- 従来の音量依存で操作したい場合はHardモードを使う。
- ローレイテンシー(0ms)でも使えるように。
- 通常は、レイテンシー48ms。
- リニアフェーズモードでは、72msに。
サウンドを聴きながら、soothe3に迫っていきましょう。
soothe3に思うこと
soothe3がおすすめなのは。
群雄割拠のレゾナンスサプレッサー
前作soothe2は、レゾナンスサプレッサーというジャンルを大いに広めました。
一方で現在、過剰とも言えるほど、レゾナンスサプレッサーがたくさん世に出ています。無料ソフトも存在しますし、sootheという高額プラグインを買うか否かという視点で見ると、持っていない方にとっては、中々厳しい目で見ることになるかもしれませんね。
そんな私は今回、アップグレードでsoothe3を購入しました。
(デモってすらいません。)
例えば、Techivation M-Clarity2・M-De-Esser2・Fabfilter Pro-Q4・TB-Tech Future MBなど、レゾナンスサプレッサーや同機能が付いたプラグインは他社のものも使っています。
それでもAIによる自動設定では追いきれない時、より細かく追い込みたい時には、自在に設定できるsoothe2を使い続けてきたわけです。
また、サイドチェインを使うことで、目立たせたい音をくっきり際立たせるのもsootheシリーズの真骨頂であり、soothe2を私が手放せない理由の一つでした。
だからこそ、soothe3は迷いなく購入に至ったわけですね。
soothe2の欠点・soothe3の進化
とはいえ、前作soothe2には、欠点があったと思います。
それは、設定が難しく、簡単に音痩せしたということです。

特に、sharpness・selectivityという、レゾナンスのえぐり方・どのレゾナンスに反応させるかのパラメーターは、正解が分かりづらく、設定値を決めるにあたって、その都度調整が必要な部分でもありました。
soothe3では、その2つのパラメーターが、detailという一つのパラメーターにまとまり、より直感的に設定値を変えられるようになりました。

また、tiltという設定で、500Hz以下・2000Hz以上のふるまいを、それぞれ変化できるようになりました。
これによって、広範囲に渡って一度に抑制する場合に、低中域以下・中域・高域以上、それぞれの抑制の仕方を変化させることができます。
tiltは、普段は折りたたまれた場所に格納されています。帯域を絞って使う場合は、特別使う必要のないパラメーターとも言えますね。(つまり、初・中級者には易しく、上級者にはより細かな設定ができるようになった……と言えるわけです。)
他の進化としては、
- max cut(最高除去値)を決められるように。
- ローレイテンシーモードの追加
など、順当な進化を遂げています。
特にローレイテンシーモードは、作編曲家でも使いやすくなる大きなポイントであり、作曲しながら気になる帯域を抑えられるメリットがあります。
そして、「レンダー時にはQuality:Ultraにする」という設定もあるため、(もちろん音は多少変化はするでしょうが、)より高音質にエクスポートできる点も見逃せません。
他、細かな変更について
また、soothe3での大きな変更として挙げられていたのは、softモードが音量依存ではなくなったということです。(*hardモードは、従来の音量依存。)
これは、soothe2までは音量依存で、depthは効果の強さというよりも、実質スレッショルドを変化させていた……という意味合いだったことを指していると思います。
事実、soothe2までは、depthが標準0で、-18~+18まで変化させられます。入力音量によって効き方が変わるため、「昨日ちょうどよかった設定」が、別トラックでは効きすぎる……ということが普通にあったわけです。
一方、soothe3は、0~10までと、効果の強さとしてdepthを使えるようになり、より一貫した操作性を得たと言えるでしょう。
要するに、使いやすくなったということです!
サウンドと操作感
soothe3のサウンド
次のサンプル楽曲は、UVI Toy Suite用に作ったサンプル楽曲です。
リコーダー・シロフォン・ベル・ベースに対して、soothe3を使って、比較してみます。

①が、硬質でギンギンとしたサウンドなのに対して、②は比較的落ち着いて、聞きやすくなっているのが分かると思います。ベースも過度のふくらみがなくなり、非常に聞こえやすいですね。
ここまでは、正直な所soothe2の検証と同じです。
じゃあ、実際の使用感の変化についてはどうでしょうか。
使用感の変化
一番の使用感の変化は、やはりsharpness・selectivityがなくなり、detail一つに変わったことにあります。

これについては、明らかにsoothe3の方が迷いなく操作できるようになったと言えます。またtiltによって、500Hz以下・2000Hz以上の振る舞いを変化させられるようになったのも大きく、より直感的になっています。
はじめてsootheシリーズを触る人にとって分かりづらいのは、右画面のEQのような部分の意味合いでしょう。この部分は、「耳に痛く低減させたい部分を指定し、より強い低減が必要な時に調整する」ために使います。

実際に低減されている部分は、カット方向に視覚的に表示され、効果も分かりやすいです。画面下部のdeltaを押すと、実際にカットされた信号を聞くことができます。
soothe2との比較
soothe2にあったselectivityは、迷いを生みやすいノブでしたが、detailに内包されたのは、私的には大歓迎です。
また、見た目にも進化があります。
soothe2では、ノードを使ってなくても表示されてしまい、とっ散らかって見えていました。

一方、soothe3では、使っていないノードは表示されず、使う時にダブルクリックで表示させられます。

より迷いなく操作できるのは、やはりsoothe3です。
やはり上等なサイドチェイン
sootheのサイドチェインは、サイドチェイン元の信号を、くっきり目立たせる方向でのサイドチェインダッキングが可能です。
これは、Techivation M-Blenderのように、違和感なく混ぜるためのサイドチェインというより、よりくっきりと帯域を空けるのが非常に得意であるということを言っています。
以下、サンプル例です。
「ドラムの音をトリガーにして、ベースとシンセパッドにsoothe3をサイドチェインで使い、ドラムの音を際立たせた。」という使い方です。

③は、所狭しとミチミチと、音がひしめき合っていますが、④では、スペースがある中で楽にドラムが鳴っているような感じがするはずです。劇的ですよね。
このように、ある特定の音を目立たせたい時に、sootheをサイドチェインで使うのが、私にとっての鉄板の使い方です。
ちなみに、今回はプリセットを使いました。

プリセット選択中に、右上で動作の様子が見えるのが、かなり好印象です。
CPU負荷
効果のわりに軽いです。通常で、2%ほど。

レイテンシーは、通常48msですが、ローレイテンシーモードで0msにもできます。その場合、若干CPU負荷が高くなるようです。
また、QualityをUltraにすると、通常時の3倍ほどの負荷になります。それでも6%ほどと、わりと低負荷ですね。
●PCスペック
- OS:Windows11 64bit
- CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ:96GB
- DAW:Studio One7.2
- サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
- バッファーサイズ:1024samples
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4
まとめ
以上が、oeksound soothe3のレビューです。
今回は主に、アップグレードした部分や使い心地について触れてきました。かなり使いやすく、思い通りに操作しやすくなったと感じます。
一方で、「どの帯域を低減させれば、より耳に痛くないサウンドにできるか。」といった部分は、経験や学びが必要なこと自体は変わっていません。 逆に言えば、soothe3に投資して向き合えば、その部分については、得られる学びは多いことになります。
他にも群雄割拠のレゾナンスサプレッサー。sootheシリーズのメリットは、ノードを自由に動かして、低減させたい部分により強くかけられるなど、直感的に細かな調整ができる点にあると思います。あと、サイドチェインが劇的に良いこと。
また、かけすぎると薄っぺらい音になるというsoothe2の欠点も、soothe3ではdepthを最大にしても、そこまでは大きく変化しないように感じました。とはいえ、きっちり耳に痛い部分は低減されますので、これまた扱いやすいポイントと言えるでしょう。
値段は張りますが、その価値はやはりあるように思います。














