コード理論 初級編「コードの基本:コードとは?」
コード(和音)は、違う高さの音を3音以上重ねたものです。
コードの作り方や表記の仕方を、じっくり丁寧に解説します。
- 音楽知識はないけど、0から作曲してみたい!
- ギター初心者で、コードに自信がない!
- ピアノはやってきたけど、コードがよく分からない!
という、あなたにピッタリな記事です。
シリーズ紹介
本記事は、シリーズ記事です。
コードにまつわる様々な情報をお届けしているので、作曲初心者の方は、ぜひ順を追ってページをご覧下さい!
コードの基礎知識
コードとは
コードは、3音以上の違う高さの音の重なりのことで、ローマ字と数字で示されます。例えば、下の図のCは、ドミソが同時に鳴ることを表します。
コードが表しているのは構成音だけで、音の重ね方は自由です。上の図のように「ドミソ」でもいいし、順番を変えて「ソドミ」でも、「ミソドミソ」と同じ音を複数重ねても、全部Cと表現します。
コード進行とは
コードの繋がりを、コード進行と言います。
コードで演奏する場合、コードの構成音さえ合っていたら、表現したい内容に合わせて、どのように演奏しても大丈夫です。(↑のように、ジャンジャンと一気に弾いても、一音ずつポロロロンと分けて弾いても良い。)
色々なコードがある
コードはローマ字と数字で表されますが、最初は複雑に思えるものもあるかもしれません。
思わず「うわっ!いやだっ!!」と叫んでしまいそうですが、実は仕組みは物凄く簡単なんです! そして、仕組みさえわかれば、暗記しなくて大丈夫!
ちなみに、↑のコード進行を演奏するとこのようになります。
コードとコード進行を理解すれば、このような音楽も短時間で作れるようになります。
ローマ字が表すもの
本格的にコードの話をする前に、ローマ字が何を表しているかについて、説明します。
「ドレミファソラシド」を、学校の音楽で習ったと思います。これはイタリア式が元になっています。音名「ドレミファソラシド」を日本式では「ハニホヘトイロハ」、英・米式では「CDEFGABC」と表現するのです。
C(ド)からC#(ド#)の距離は、半音1個と数えます。C(ド)からD(レ)までの距離は半音2個分ですが、これを全音1個と数えます。
ローマ字には二つの意味がある
実は、ローマ字には二つの意味があるのです。
- コードとしての「C」:ドミソという音の重なり
- 音名としての「C」:ドという音名
表記上は同じなので、混乱するかもしれません。コード・音名、どちらを表しているかは、文脈で判断する必要があります。
次のような文章では、どうでしょうか?
最初のCはコードを表し、後のCEGは音名を表しています。
さぁ、それではいよいよ、コードの世界に入っていきます!
3和音のコード
3和音とは、3つの音から成り立つコードです。この記事では二つ紹介します。
- メジャー:M
- マイナー:m
全部で6種類ありますが、シンプルな曲を作るには、基本の二種類だけ分かればOK!(残りは、シリーズ記事:応用編で紹介します。)
3和音のメジャーコード
表記の仕方
3和音のメジャーコードは、ローマ字のみで表します。
3和音のメジャーコードの音の重ね方
3和音のメジャーコードは、コードのローマ字を基準に、上に音を重ねます。例えば、コードCであれば、C(ド)の音を基準に音を重ねます。
コードCのC(ド)や、コードEのE(ミ)のような、基準の音のことをルート(根音)と言います。
- ルート(基準の音)
- ルートから、半音4つ上の音
- ②の音から、半音3つ上の音(*ルートから、半音7つ上の音)
これらの音を重ねると、3和音のメジャーコードの出来上がりです。
3和音のメジャーコードは、どんな音がする?
3和音のメジャーコードは明るい音の響きが特徴です。試しに、メジャーコードのみの「ちんあなごのうた」を聴いてみましょう
「ちんあなごのうた」が明るく感じるのは、3和音のメジャーコードだけを使っているからなんですね。
3和音のマイナーコード
表記の仕方
ローマ字の後ろにmを付けます。
3和音のマイナーコードの音の重ね方
- ルート
- ルートから、半音3つ上の音
- ②から半音4つ上の音(*ルートから、半音7つ上の音)
この順番で音を重ねると、3和音のマイナーコードの出来上がりです。
3和音のマイナーコードは、どんな音がする?
マイナーコードは悲しい響きが特徴です。
なんだか暗くじめっとしたオーラを感じます。
メジャーとマイナーの違いとは
コードCとCmの違いは、なんでしょうか?
Cmには、♭が一つついています。それでは、音を聞き比べてみましょう。
Cは明るく楽しげに、Cmは暗く悲しげに聞こえませんか? 違いは♭がついた一音だけなのに、音の響きは随分と違うものです。次の表を見てみましょう。
表には、音程という項目があります。音程とは二つの音の高さの間隔のことで、半音何個分かで数えます。そして、その半音の個数に応じた名前があります。
例えば、CとE♭のように半音3つ分であれば、音程を短三度(m3:マイナーサード)と呼びます。
音程の名前を全て一気に覚える必要はありません。重要なのはこれだけ↓
基本的な4和音
4和音とは、4つの音から成り立つコードで、3和音よりもたくさんの組み合わせがあります。この記事では、基本の4種類のみ扱います。
- M7:メジャーセブンス
- 7:セブンス
- m7:マイナーセブンス
- m7(♭5):マイナーセブンスフラットファイブ
4和音の構成音を見てみよう
この表を見て、コードの構成音を確かめてもいいですが、もっと簡単に分かる方法があります。それは、コードの表記を読み解くことです。
長七度M7とは違い、短七度m7は、mを抜かし7とだけ表記します。
♭5は、少し特殊です。♭5は音を加えるのではなく、元のコードの構成音に含まれるP5を♭5に変換します。
コード記号には、構成音の情報が全て書かれていることが分かりますね。
4和音の聴き比べ
4和音を聴いてみると、どんなイメージが湧きますか?
私自身は次のようなイメージで捉えています。
コード表記は統一されていない
コードの表記が統一されていたら分かりやすいのですが、同じコードでも様々な記号で表現されています。次の表は、Cに様々な記号を付けてみたものです。
例えば、メジャーセブンスにおける、CM7とCmaj7には、違いは全くありません。
表記する人の好みや楽曲ジャンル、譜面を作るソフトで、表記がまちまちになっていますが、同じものだと考えて下さい。
まとめ
以上で、コードの基本は終わりです。お疲れさまでした!
これで、基本的なコードの構成音を把握できるようになりました。でも、コードは、適当に並べるだけでは音楽になりません。そこでキーやコード進行の知識が必要となります。
次の記事では、キーについて詳しく解説します!