キー・スケール・ダイアトニックコードとは
本記事は、音楽におけるキーと、キーに関係の深いスケールとダイアトニックコードについて解説しています。
- 音楽知識はないけど、0から作曲してみたい!
- ギター初心者で、音楽理論に自信がない!
- ピアノはやってきたけど、理論はよく分からない!
という、あなたにピッタリな記事です。
シリーズ紹介
本記事は、シリーズ記事です。
初級編では、音楽知識0からコード進行にメロディーをつけることを目指します。
それでは、キーについて、学んでいきましょう!
キーとは
キーは作曲したり演奏したりする上でとても重要なもので、2つの意味を持っています。
- 主役の音を表す
- 主役の音から始まる、音の連なり(スケール)を示す
①主役の音とは
童謡「カエルのうた」を楽譜にしてみましょう。
この譜面の「カエルのうた」のキーはCで、Key=C(Cメジャーキー)と表現します。
Key=Cの世界では、C(ド)が主役です。
終盤「ガッガッガー」の最後は、C(ド)で終わっています。主役であるC(ド)で終わると安心感がありますよね。一方、最後の音をC(ド)ではなくF(ファ)で終えてみましょう。
思わずズッコケそうです。
違う音で終えようとしても、曲が終わった感じを演出できません。狙って、曲がまだ続くようなイメージを出すこともありますが、この例ではうまく機能していませんね。
このように、主役の音はメロディーに安定感を与え、曲において重要な役割を担います。
②主役の音から始まる、音の連なり(スケール)
キーは主役の音を表す以外にも、主役の音と仲の良い音も示します。それらの音の連なりをスケール(音階)と言います。
Key=Cの主役の音はCです。Key=Cで、C(ド)を基準にしたスケール(Cメジャースケール)は、次の図のとおりです。
Key=Cの場合、Cメジャースケールは、「CDEFGABC(ドレミファソラシド)」ですね。
Key=Eの時はどうなるでしょうか。
E(ミ)から、「全全半全全全半」と音を探していくと、Eメジャースケールは「E , F# , G# , A , B , C# , D# , E」になります。
マイナーキーとマイナースケール
コードと同じように、キーとスケールにも、メジャーとマイナーがあります。(コードの解説は、前記事をご覧ください!)
例えば、Key=Cm(Cマイナーキー)で使える、Cマイナースケールは以下のようになります。
マイナースケールは「全半全全半全全」の順で並んでいます。
スケール聴き比べ
メジャースケールとマイナースケールを聴き比べてみましょう。
同じCから始まっていても、連なり方が変わると、明るく感じたり、悲しく感じたりすることがわかります。
今度は、Key=Cと、Key=Amにおける、CメジャースケールとAマイナースケールと比べてみます。
ここで「あれ?」と思われた方もいるかと思います。Cメジャースケールと、Aマイナースケールは、使われている音の種類は同じなのです。
始まる音が変わるだけで、明るく感じたり、悲しく感じたりするんですね。
スケールで使われている音が同じ、Key=C、Key=Amのような関係を平行調といいます。平行調については、本記事の下の方で再度ご紹介します。
キーは何種類ある?
キーには、メジャーキーとマイナキーがあることが分かりましたが、キーは全部で何種類あるのでしょうか?
ダイアトニックコードとは
キーに合うコードのことを、ダイアトニックコードと言います。
ダイアトニックコードの音楽的説明
もう少し詳しく説明しましょう。
スケールを並べて、一つ飛ばしに音を3つ重ねたら、ダイアトニックコードが出来上がります。例えばkey=Cの場合は、次のようになります。
ダイアトニックセブンスコード
スケールを一つ飛ばしに4つ重ねたコードをダイアトニックセブンスコードと言います。
3和音よりもオシャレさや不安定さなどが増しているため、より細やかな表現をするのに役立ちます。例として、「カエルのうた」をオシャレに編曲してみました。
ダイアトニックコードは安心
ダイアトニックコードや、ダイアトニックセブンスコードは、スケールの音から作り上げたコードです。
ダイアトニックコードを使っている限り、キーから外れた音が入ることはありません。そのため、コード進行を作る際にも、安心して使うことができます。
作曲初心者は、まずはダイアトニックコードとダイアトニックセブンスコードだけで、コード進行を自由に作れるようになりましょう。
ひと目で分かるシート【五度圏表】
さぁ。
キー・スケール・ダイアトニックコードと、種類が沢山あり、話も複雑になってきました。でも大丈夫です!
今からご紹介するシートを使うと、キーに合ったスケールとダイアトニックコードを、ひと目で選び取ることが出来ます。
このシートを、五度圏表(英語:circle of fifth)と言います。
五度圏表の使い方
- キーを選ぶ
- ダイアトニックコード:キーの周りにあるコードを囲む
- ダイアトニックセブンスコードを把握する
- スケール:ディグリーネーム順に並べる
①キーを選ぶ
五度圏表の水色の線の外側はメジャーキー、水色と桃色の線の間にはマイナーキーが記載されています。
この中から、好きなキーを選びます。
②ダイアトニックコード:キーの周りにあるコードを囲む
選んだキーの周りにあるコードを、扇型に囲みます。
ここで囲まれたコードが、選んだキーのダイアトニックコードです。
③ダイアトニックセブンスコードを把握する
シート中段には、ローマ数字が描かれたディグリーネーム対応表と書かれた表があります。
これに則って、7を付けてみると、次のようになります。
簡単に把握することができますよね。
ちなみに、ディグリーネームとは、度数表記と呼ばれるものです。ローマ数字の「I~Ⅶ」で表現し、コードを表します。例えばKey=Cなら、
- Ⅰ :コードC
- Ⅱm:コードDm
- Ⅲm:コードEm
- Ⅳ :コードF
- Ⅴ :コードG
- Ⅵm:コードAm
- Ⅶm(♭5):コードBm(♭5)
と、「Ⅰ Ⅱ Ⅲ……」と、数が増えるごとに、「C D E……」とコードのルートも上がっているのが分かりますね。
④スケール:ディグリーネーム順に並べる
ディグリーネームの順番に、コードのルートを並べると、そのキーのスケールが出来上がります。
これで、キーから、スケールとダイアトニックコード(ダイアトニックセブンスコード)を簡単に導くことができるようになりましたね。
五度圏表で楽譜のキーを判別できる。
五度圏表は、楽譜からキーを判別するのにも使うことができます。
次の楽譜はカエルの歌のキーを変えてみたものです。キーはなんでしょうか?
上記の楽譜は、#が二つついていますね。五度圏表と照らし合わせてみましょう。
Key=DかKey=Bmか、どちらなのかをすぐに確定はできません。
上記の楽譜は、最後の音がD(レ)で終わっているため、主役の音はDのようです。したがって、上記楽譜はKey=D……と言いたいところですが、実はこの楽譜をKey=Bmとみなしてコード進行を当てることも可能なのです。
Key=DとKey=Bmのように、調号(楽譜の横左側についている#や♭)が同じメジャーキーとマイナーキーの関係を平行調と言います。
平行調のメジャーキーとマイナーキーの関係は、すごく繊細です。上記の編曲では、コードDを使わないように気を配りました。なぜなら、コードDを含めるだけで、簡単にKey=Dのように感じられるためです。
楽譜のキーが、平行調のどちらなのかは、当てられているコード進行による。ということを覚えておきましょう。
まとめ
お疲れさまでした!
以上で、キー・スケール・ダイアトニックコードの説明を終わります。
さぁ、次の記事では、コード進行の基本について説明します。
いよいよダイアトニックコードを使って、コード進行が自由に作れるようになりますよ!