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Excite Audio motion:dimension レビュー 宇宙を感じる空間系エフェクト

rainysongame
Excite Audio motion:dimension レビュー 宇宙を感じる空間系エフェクト
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Excite Audio motion:dimensionは、ディレイ2系統・リバーブ1系統の空間系マルチエフェクトプラグインです。

  • 残響感たっぷりなドープな世界観を作れる。
  • 各種パラメーターを変調可能。
  • 秀逸なプリセットが多く勉強になる。

サウンドを聴きながら、motion:dimensionに迫っていきましょう。

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motion:dimension概要

初めての印象

今回は、Excite Audioからレビュー依頼があり、レビューしています。

実は、発売を聞いても、心がそこまで動かなかったのは正直な所。(Excite Audioの関係者の皆さま、申し訳ない。)

なぜなら、リバーブのパラメーターを変調できることで、どのようなメリットがあるか、今まで実感したことがなかったからです。(ちなみに、ディレイについては、Fabfilter Timeless3で、散々実感済みで、効果は抜群。)

こういった印象が、「実際に触ったことにより、どう変化したか。」という所にも、着目頂けたらと思います。

どんな製品か

ディレイ2系統・リバーブ1系統の空間系マルチエフェクトプラグインです。

ルーティングや入れ替えは自由自在。

motion:dimension ルーティングは自由

私自身が普通にミックスする上では、「ディレイ→リバーブ」で使うことの方が多いので、「リバーブ→ディレイ」を使うこと自体が稀で、簡単に試せるのは楽しいと感じました。(サウンド例は後述)

画面左の円が、特徴的な見た目をしています。

motion:dimensionのパス

パスを通って、カーソルがアニメーションしながら動くのですが、このカーソルに対して引力・斥力を与えることができます。

すると、引力・斥力に反応して、後ろにあるマクロ1~6の玉が動きます。

マクロは、ディレイ・リバーブの各種パラメーターにアサインできます。

motion:dimensionのマクロ

見た目は派手ですが、やってることは普通の変調ですね。

また、面白いのは、入力した音量に応じて動作するエンベロープフォロワーの設定も可能ということ。

motion:dimensionのエンベロープフォロワー

Thresholdで設定した値まで達すると、Attack・Releaseの値で設定した通りに、マクロが動作します。

これを使うと、Threshold以上の音量に対してのみ、リバーブを付与する……。と言ったことが可能になります。

①Bypass
②キック・スネアに、motion:dimension使用(上記の設定)

これを聞くと、ゲートリバーブのように聞こえますが、原理としては違うものですね。

以上で、一通りの説明は終わったので、実際にサウンドを聞いていきましょう。

サウンドを聞いてみる。

マクロを組んだディレイの例

ディレイのFeedback・Wetに、マクロをアサインした例です。

motion:dimensionアニメーション
①Bypass
③2拍目のスネアにだけディレイをかけた例

このように、フレーズの一定部分にだけディレイをかけることができます。

ただ、Timelineの仕様が独特なため、設定については、慣れるまでは時間がかかるかもしれません。

motion:dimensionのTimeline
参考

プリセットに、Simple Pathsというカテゴリーがあります。こちらでパスの動きを読み込んだり、パスの基本を学べます。

motion:dimensionのパス

いきなりパス編集すると、面食らうと思いますので、こちらをぜひ活用してみましょう。

ベースにプリセットをかけてみた例

次は、プリセットから選択しました。

motion:dimensionのプリセット
④Bass:Bypass
⑤ベースにプリセット

プリセットは大量に入っており、わりと使いやすいものが多いと感じました。

カテゴリーも豊富ですね。

ダブっぽい楽曲に使った例

次は、ダブっぽい曲で、ボーカル・エレキに使った例です。

合計4つのmotion:dimentionを使っています。

motion:dimensionのサンプル曲
⑥Bypass
⑦motion:dimention

私はフィッシュマンズが大好きなので、こういう楽曲を作る機会を虎視眈々と狙っていたりします。(まぁ、それはともかく。)

右で「ンッチャ ンッチャ」と刻んでいるギターの設定を見てみましょう。

motion:dimensionのギター用プリセット
プリセットから選択しました。

設定がおもしろく、ディレイのDry音にエンベロープフォロワーがアサインされています。

Thresholdを超えると、Dry音が聞こえる設定です。つまり、ゲートがかかっているようなものですね。(ディレイはフィードバック0ですので、実質リバーブしかかかっていない。)

聴き比べてみましょう。

⑧ゲートOff
⑨ゲートOn

⑨の方が、明らかに歯切れがよくなっていますね!

ちなみに、リバーブのCharacterの設定は、0だとPlate、100だとHallになり、間はモーフィングされます。上記の設定は、0なのでPlate。

参考

プレートはともかく、値が100の方がホールっぽいかと言うと、どうなんだろう。

0→100にモーフィングするとコーラスがかったような音に変化ようなイメージですね。劇的な変化というわけではないので、マクロでモーフィングさせることでしか得られない効果がある。とは思えない所はあります。

質感的には、リアルさがウリではなく、瞑想音楽やダブ、エレクトロニカなどで、クリエイティブな音作りをするのに適しているように思います。

ルーティングの変更

リバーブの前後を変えて、サウンドの変化を確認してみます。

motion:dimensionのルーティングの変更
⑪Reverb→Delay1→Delay2
⑫Delay1→Delay2→Reverb

⑪リバーブが先の方が、より怪しい雰囲気が強調されているのが分かりますね。

一つのプラグインで、簡単に入れ替えて試せるのは楽です。

惜しい点・良い点

ここが惜しい。

パラメーターをもっと増やして欲しい。

  • フィルターにレゾナンスを設定したい。
  • ディレイに、ディストーションをかけたい。
  • リバーブを、プレート・ホール以外にもモーフィングしたい。

ディレイへの歪み・急なレゾナンスフィルターなど、他のプラグインでは出来ていたことが出来ない所への不満が出てしまいますかね。

motion:dimensionのフィルター
フィルター自体は、一応あるし、マクロへのアサインもできる。
Timeless
こういうレゾナンスをかけたい。

パラメーターが多くなればなるほど、マクロを使った面白さが出てくるので、私的にはどうしても惜しく感じてしまいますね。

リバーブをマクロで動かせるメリットについては、やはりそこまで感じなかったのが正直な所。ルーティングの自由さは良いですね。

パスの操作が直感的ではない。

本プラグインは、大きく2つの習得が必要です。

  1. パス・カーソルの操作
  2. エフェクトのパラメーターの把握

パス周りの操作は、直感的ではないように思います。Timelineは、特に歯がゆいポイントでした。(未だにグラフの意味が理解出来ていないように思う。)

また、MIDI入力できないため、任意のタイミングでトリガーできないのが、物凄く残念です。これはリトリガー機能がある他のエフェクトプラグインでは、標準で付いている場合も多いので、ぜひアップデートして欲しい所。

マニュアルが簡素&日本語なし。

マニュアルは、公式HPからダウンロードできますが、結構簡素なので、もう少し詳しく説明して欲しいですね。

また、日本語マニュアルがあれば、なお嬉しい。

ここが良い。

リバーブの変調への可能性を感じる所までは、結局行かなかったものの、プリセットの出来の良さにうならされる部分は多かったです。

上で紹介したエレキへのゲート的な使い方は、勉強になりました。

パラメーターに関しては、ディレイのReverse・Re-Pitchなども面白い所です。

Delayのパラメーター

Re-Pitchをオンにすると、Timeをマクロで動かした時に音程変化がおきます。これを利用してフェイザーやフランジャー、テープのフラッターのような効果を付けるプリセットもありました。

Re-Pitchを使った宇宙的なサウンドを聞いてみましょう。

motion:dimensionのSpace Pad
ピアノに使った例

アンビエントやエレクトロニカなどでも、大活躍しそうですよね。

宇宙を感じるリバーブ・ディレイとしては、普通に良質なプラグインです。

CPU負荷

そこそこ負荷が高いです。

motion:dimensionのCPU負荷
PC環境
  • OS:Windows10 64bit
  • CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core] 
  • メモリ:96GB
  • DAW:Studio One6.6
  • サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
  • バッファーサイズ:1024samples
  • オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4

まとめ

以上が、Excite Audio motion:dimensionのレビューです。

少し厳し目のレビューとなりましたが、残響音たっぷりなドープ世界を作りたい方にはおすすめできるプラグインです。アンビエント・ダブなどにはぴったりでしょう。

また上述の通り、プリセットには学ぶ所も多いので、一通り眺めてみるのも面白いです。

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プロフィール
渡部絢也
渡部絢也
作編曲家・シンガーソングライター
「地方にいながら、音楽でご飯を食べる」で早15年。東北秋田で田舎生活しながら、音楽にいそしむ。ミュージカル等の舞台音楽、CM音楽・ファミリー向け楽曲を手掛ける。

歌詞が伝わる歌を作るのが得意。

・音楽制作依頼(舞台音楽・CM楽曲等)
・ブログ運営(音楽理論&プラグイン解説)
・教材販売
・ファミリー向けの作品づくり
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