Sonible smart:comp3 レビュー AI自動設定を簡単にお好み設定

rainysongame
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Sonible smart:comp3は、AIを使った自動設定コンプレッサー最新作で、前作から大きな変化を遂げたプラグインです。

  • 2-D Spaceの実装。
    • AI設定に幅が生まれ、好みの調整が今まで以上に簡単に。
    • Group機能で、複数のトラック調整がシームレスに可能に。
  • レイテンシーがかなり少なく!(43.9ms→0.2ms)
    • ただし、フェーズを「Minimum→Linear」にすると41.5msに。
  • 廃止になった機能もある。
    • アップワードの廃止。
    • ニーは、Soft・Medium・Hardの3種類になり、数値の設定ができない。

サウンドを聴きながら、smart:comp3に迫っていきましょう。

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前作からの進化&変化

前作の懸念点

前作、smart:comp2については、下記の特徴がありました。

  • AI自動設定では、アタックが遅い設定が多く、汎用性に欠けていた。
  • レイテンシーが長く(43.9ms)、作編曲中に手が伸びづらかった。

この2つの特徴は、前作の大きな懸念点でした。そのため、今までsmart:comp2を使う場面は、後述する「スペクトラルコンプ」を使いたい場面や、smart:compシリーズに共通するガッチリとした質感の音が欲しい場面が主でした。

さて。
今作、smart:comp3は、上記2つの特徴(私からみると欠点)を見事に克服してくれました。

smart:comp3の進化点

2-D space

smart:comp3のGUI上の大きな特徴は、左に広がる2-D spaceでしょう。

AIにオーディオソースを読み込ませると、以下のようにAIがおすすめする設定範囲が出てきます。

上下は、Dense↔️Dynamicで、どれくらいの密度で調整するかを示します。

つまり、どれくらい圧縮するかとも考えられますね。上記はアコギのストロークで音が割と敷き詰められているソースだったため、最初からわりと密度があると判断されています。

例えば、「ダイナミクスはそこそこ残しながら、伸び抜けて大きい所だけを処理したい場合は、Y軸を下げる」や「全体的な音量差を小さくしたいという場合は、Y軸を上げる」といった考え方で運用します。

左右は、Snapy↔️Punchyで、(とても単純に言うと)アタックをどれくらい残すかを調整します。実際には、パラメーターは、アタック・レシオ・スレッショルド・リリース(Auto内部の挙動も)全て連動して動くわけですが、大まかにはアタックに着目すると運用しやすいと思います。

また、大きな変更点としては、Group機能が追加され、シームレスに他のトラックの設定に行き来できるようになりました。

同時に表示させることも可能。

これは地味に、便利です。
1回の切り替えは、たった数秒の差でしょうが、積み重なるとでかいのでは。

Input Ringing

Input Ringingは、waves vocal rider・Techivation M-Levellerなどのような、コンプレッサーの前に音量を均一化させるプラグインが内蔵されたような機能です。

Target値に向けて、あらかじめ決めたSpeedで、音量を上下させます。

検出ソースにだけ効くのではなく、ソース自体に直接作用するため、スレッショルドを-0dBに設定していると、実際に音量が上がるのも確認できます。

これで何が変わるのかと言うと、「突然音が大きくなるようなソースで、リダクションが起こりすぎて歪む」などを改善できたり、「リダクションがかからないくらい小さな音量の部分が持ち上がり聞こえやすく」なったりします。

普段からレベラーを使っている方は、挿すプラグインが一つ減らせますね。

便利なようですが、ダイナミクスがあるのが自然なソースに使うと、本来上げたい所ではない所でゲインが上がったりもするので、使い時は考えても良いように思います。ポップス的な楽曲ではOnで良くても、劇伴やクラシックなどでは意図せず、大きくなってしまうこともあるかもしれません。

レイテンシーの大幅軽減(Phase変更)

左上からPhaseを変更できるようになりました。

これにより、Minimum・Linearの2つのPhaseを選択できます。

Minimumにした場合は、レイテンシーが0.2msと、ほぼゼロレイテンシーまで抑えられています。これにより、作編曲中でもSmart:comp3を使う選択肢に入ることになります。

なぜ、コンプレッサーにPhaseの切り替えがあるのかというと、後述するSpectral Comp(周波数を2000バンドに分けて、必要な部分にだけコンプをかける機能)があるためです。

参考

EQ等でもそうですが、Linearモードが必須なのは、パラレル処理などをする時などです。

例えば、ドラムのスネアにsmart:comp3を使うとします。Minimumモードではオーバーヘッドに含まれるスネアの音と位相がずれて、おかしな音になる可能性があります。

そういう場合に、Linearモードを使う必要があるわけです。

一方、Minimum・Linearを切り替えると、Spectral Compの効き方に変化があるのも確認できます。レイテンシーを許容できる場合は、聴覚上の違いからモードを決定しても良いと思います。

削減された機能

前作から削除された機能に、アップワード・ゲート機能があります。

Smart:Comp2のカーブプリセット
画面左にある設定。

これはフリーフォーム機能と言われているものでしたが、sonible公式がYouTubeでユーザーの質問に答える形で以下のように削除の理由を語っています。

ユーザー行動の分析(そしてサポートチャネルを通していただいた質問)に基づき、多くのユーザーがフリーフォーム転送機能に戸惑っていることに気づきました。そして、最終的にはフリーフォーム転送機能はごく稀にしか使用されなくなりました。

柔軟性とインターフェース(および機能)の明確さの維持の間には常にトレードオフがあり、今回のケースでは最終的にフリーフォーム転送機能を削除することにしました。

また、ニーの設定も前作ではスライダーで連続可変できましたが、今作では「Soft・Medium・Hard」の3種類に限られています。

他の特徴

Spectral Comp

smart:compシリーズの代名詞でもある、Spectral Compは、必要な周波数に対してリダクションを行うものです。

ここでは、ベースの変化について聞いてみましょう。

①Bypass
②smart:comp3は使っているが、Spectral Comp機能を不使用
③smart:com3使用かつ、Spectal Compを使用

画像を観ても分かるのですが、主に低域がカットされており、③では、低域のもたつきが軽減され、非常に聞きやすくなっているのが分かります。

これが、smart:compのすごさですね。

今回はInput Ringingも効いているので、音量的な均一化も図られていますし、Spectral Compによって周波数的にも均一化(というより、ベースに必要な帯域だけ残)されている……というわけです。

挿すだけで使いやすいトラックになる。という所に落ち着くわけですね。

Sidechain Ducking

これも、smart:compシリーズでは、とても大事な機能です。

サイドチェインを活用することで、他のソースが鳴った時に、必要な帯域を空けられます。

これは、Wavesfactory TrackspacerTechivation M-Blenderなどのサイドチェーンエフェクトと同様の機能ですが、各社味付けが違うので、選択肢として忘れないようにするのは大事だと思います。

Sonibleラインナップ

製品名種類dynamics
bundle
smart:
essential
bundle
smart:
bundle
レビュー
記事
製品ページ
smart:
EQ4
EQレビュー公式PlB
SONICWIRE
smart:
comp3
コンプレビュー公式PlB
SONICWIRE
smart:
limit
リミッターレビュー公式PlB
SONICWIRE
smart:
reverb2
リバーブレビュー公式PlB
SONICWIRE
smart:
deess
ディエッサーレビュー公式PlB
SONICWIRE
smart:
gate
ゲートレビュー公式PlB
SONICWIRE
製品名種類metering:
bundle
レビュー
記事
製品ページ
true:
balance
アナライザー
(周波数監視)
レビュー公式PIB
SONICWIRE
true:
level
アナライザー
(レベル監視)
レビュー公式PIB
SONICWIRE

DTM初心者用の、learn:bundleもあります。

CPU負荷・smart:comp3の懸念点

今まで紹介してきた内容からすると、ほぼ弱点がないと言えるかと思いつつ、唯一CPU負荷の高さは見過ごせない点となります。

5~8%を推移しています。

Fabfilter Pro-C2で0%・TBTEC Cenozoixで2~3%という所です。デジタルコンプとして捉えると、かなり高い部類になるので、どれだけCPU負荷を許容できるか。という所が、smart:comp3の課題になりそうですね。

また、プラグインを切り替えて表示した時に、若干のもたつきがあるのも気になる所です。一旦Groupに入れてしまえば、他のトラックの設定が切り替えなく可能ですが、smart:comp3以外のプラグインを使っているトラックも、やはりありますから。

PC環境
  • OS:Windows11 64bit
  • CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core] 
  • メモリ:96GB
  • DAW:Studio One7.1
  • サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
  • バッファーサイズ:1024samples
  • オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4

まとめ

以上が、sonible smart:comp3のレビューです。

「立ち上げると同時に解析が始まるようになった。」など、地味ながらも素晴らしい変化もあり、隙は限りなく少なくなった印象です。

初心者がコンプを使うのには、今一番適しているかもしれません。ただSpectral Compがデフォルトなので、通常のコンプレッサーとは挙動がちょっと違うこともお忘れなく。(トラック全体のカラーが変化する場合もあるので。)

今回は、1曲を通して使ってみてからレビューをしましたが、使い勝手は非常に良いです。脳みそを使う量が格段に減る感じがします。「コンプ分からない!曲だけ作っていたい!勢」には猛プッシュしたい所ですね。

また文中では触れていませんが、アタック・リリースの変化の仕方を変化させたり、サチューレションの調整もできるので、玄人にも楽しめる部分はたくさんあると思います。

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こんな作品、作ってます。

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プロフィール
渡部絢也
渡部絢也
舞台音楽・子ども向け音楽を手がける 作曲家&歌うたい
物語と日常に寄り添う、
伝わる音楽を。


秋田の山あいで暮らす二児の父。
舞台&子ども向け音楽の両分野で、
言葉や物語がきちんと届く音楽づくりを行っています。

・YouTube470万再生
・総再生13万時間超


舞台・企業・行政案件などの制作実績あり。

自分が歌い手だからこそ、 歌い手が心を込められる曲を書くのが得意です。
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