VST音源 レビュー

Toontrack Stockholm SDXレビュー 重心が低く汎用性の高いサウンド

rainysongame
Toontrack Stockholm SDX レビュー 重心が低く汎用性の高いサウンド
【広告】本記事は、レビューのためにCrypton Future Media社から製品を提供頂いた上で執筆し、
アフィリエイト広告を利用しています。本記事が参考になった方は、ぜひリンクをご利用下さい。

Stockholm SDXは、Toontrackのハイエンドドラム音源Superior drummer3の拡張音源です。

  • 重心が低くザラつきのあるサウンド
  • 様々なジャンルに使用可能
  • 汎用性の高いドラムパターン

サウンドを聴きながら、Stockholm SDXに迫っていきましょう。

>Stockholm SDXお得なSDX Value Pack

Toontrack レビュー記事一覧製品一覧 SONICWIRE

サウンドを聞いてみよう。

ロック系

最初は、ロック系を聞いてみましょう。

プリセットからDistorted Reverbを選択しました。

Stockholm SDX Distorted Reverb
①Distorted Reverb

低音域の押し出し感が強く、太いサウンドですね。

Stockholm SDXは、重心が低く収録されたサウンドが特徴ですが、その特徴が良く表れています。

ドラムフレーズは、Stockholm SDXに収録されているものを使っています。冒頭のフィルもシンプルながら良いですよね。

シンプルでセンスが良く、汎用性が高いフレーズが多いと感じました。

Stockholm SDX のドラムパターン

ちなみに収録されているフレーズは、BPM120・125・144・146と、早すぎず遅すぎないテンポで固まっています。SD3のデフォルトフレーズでは、このテンポのフレーズは多くないため、補完に良いですね。

ポップス系

こちらは、ポップス系のキットです。

デフォルト状態と、私のEDITした状態とで、聴き比べてみましょう。

Stockholm SDXのポップス系キット
②Stockholm SDXを最初に開いた時に出てくるキット

②を最初聞いたときは、地味かな……?と思ったのですが、ポップス系の曲の中だと、かなりスタンダードに馴染んで聞こえますね。良いと思います。

③ ②のキットを私がEDITしたキット

③のEDITのポイントは、2つ。

  • ハイハットのリリースが長く聞こえたので、小ぶりのハイハットに変更。
  • スネアの調整。

スネアは、チューニングを若干高くして、コンプやEQの調整。
そして、リバーブをかけています。

Stockholm SDXのMIXER画面
プレート・ルームリバーブを重ねがけするのが好き。

ちなみにこのサンプル曲のピアノは、EZ Keys2のバンドメイト機能で、Stockholm SDXのドラムパターンから呼び出したままを使っています。EZ Keys2、恐るべし……!!

>EZ Keys2の金額を確認する

アコースティック系

最後は、アコースティック系の楽曲に合わせてみたものです。

こちらは、Tight Kitというドラムキットのデフォルト状態から、私がEDITしたものです。

Stockholm SDX TightキットのEDIT
④Tight KitをEDITしたもの

落ち着きのあるサウンドながら、粘っこく色気も感じます。

こちらのエディットもスネアの調整がメインとなりました。

Stockholm SDXのTight KitのMIXER画面

もともとタイトなキットは好きなのですが、Stockholm SDXの中では特に好きなキットです。

Stockholm SDXをEDITするにあたって

Stockholm SDXで余韻を出す方法

Stockholm SDXは、アンビエントマイクを足しても、それほど長い部屋鳴りが得られません。

コアライブラリや他のSDXでは、リバーブ代わりにアンビマイクを足すというのも一つの手段でしたが、Stockholm SDXのアンビマイクは、サウンド自体にふくよかさを加えるなど、質感の変化の目的で足すことになります。

余韻を出したい場合は、素直にリバーブを使うのが良いでしょう。

重たすぎる場合の便利なチルトEQ

Stockholm SDXは、全体的に重心が低く、重たいサウンドが多いのが特徴です。

「どっしりとした安定感を求めつつも、少しだけスネアを軽くしたい。」なんて場合は、チルトEQを使うのが便利です。

Surperior Drummer3のチルトEQ
スネアにチルトEQを使ったEQ例

チルトEQは、設定した周波数を軸として、+にブーストすると高音域側を大きく、低音域側を小さくするEQフィルターです。

全体的に重心を上げるのであれば、+方向にかけることで、全体の重心が高くなります。

上記画像では、スネアの基音あたりもBellで下げて、重さを減らしていますね。

他のSDXとの比較

他のSDXの私見

私が他に所持しているSDXは、以下4つ。

  • Decades SDX
  • The Rooms of Hansa SDX
  • Fields of Rock SDX
  • Hitmaker SDX

Decades SDXは、Al Schmitt氏が監修。コアライブラリや他のSDXに比べると、出音がすごくまろやか。ブロードウェイミュージカルで使われるようなキットが収録されているので、ジャズ、ビッグバンドなどの楽曲を書きたい人にとっては、喉から手が出るほど欲しいはず。

The Rooms of Hansa SDXは、ハンザスタジオで収録された拡張音源。EZ Drummer3も同じ場所で収録されていて、傾向は似てますが、圧倒的にThe Rooms of Hansaの方がキメ細かく気持ちが良いです。デフォルトのドラムからして、圧倒的に低音域が出ています。私的にタイトなキットは、特に創作意欲が刺激されます。

Fields of Rock SDXは、荒く野太いサウンドが特徴です。ジャンルは結構幅広いです。メタル系ではなくインディーロック的なサウンドであったり、音数の多い日本のポップスでも抜けそうなサウンド。ディスコに向くキット(私のお気に入り!)、あとModern Studio Kitでは、比較的オールマイティなサウンドも。パーカッションがあるのもポイントですね。

Hitmaker SDXは、芯があり硬めの音が特徴で、特にミディアムテンポのポップスに向いた拡張音源です。クリアで押し出しの強いサウンドが魅力的で、初めてSDXを買う人にもおすすめできます。

あわせて読みたい
Toontrack Hitmaker SDX レビュー 最高にスタンダードなサウンド
Toontrack Hitmaker SDX レビュー 最高にスタンダードなサウンド

Stories SDXは、オールマイティなライブラリです。ロック・ポップス・アコースティックよりの楽曲、ミュージカル・オーケストラなど、本当に様々なジャンルに使えるキットで、Core Library2と言っても過言ではない内容。繊細かつ芯があるサウンドが魅力です。

あわせて読みたい
Toontrack Stories SDXレビュー 出音が良いオールマイティなライブラリ
Toontrack Stories SDXレビュー 出音が良いオールマイティなライブラリ

Stockholm SDXは?

少しザラついた重心の低いサウンドが特徴

冒頭のサウンドを聞いて頂いたように、重心が低く収録されたサウンドが特徴です

①Stockholm SDX Distorted Reverb

①を聞くと、若干粒子が荒いような、ザラッとした独特な味のあるサウンドを感じますよね。

Toontrackの公式ページでも、収録されたスタジオについて次のように紹介しています。

素朴な天井梁と木と石の両方の表面が特徴のメインレコーディングルームでは、驚くべきユニークな拡散を実現しています。ここでは、ドラムはタイトでパンチが効いていながらも、完璧なバランスで温かく自然な減衰があり、活気に満ちた豊かさを持っています。

同じく、低音域がドン!と出るRoom Of Hansa SDXに差し替えてみました。

Room Of Hansa SDX
⑤SDX Room Of Hansa:Live Room – 1970s LA Maple Alt2

⑤は、物凄くクリアに聞こえますよね。

Room Of Hansa SDXは、荒々しいインディーロックよりも、少しスタイリッシュな表現の方が向きそうに思います。

>Room Of Hansa SDXの金額を確認する

では、荒く野太いサウンドのFields of Rock SDXではどうでしょう?

Fields of Rock SDX
⑥Fields of Rock SDX:Dry – When in Chrome Default

太く、ザ・ロック!と言った感じのサウンドですが、Stockholm SDXほどザラついた感触はありませんね。

>Fields of Rockの金額を確認する

Fields of Rockの印象は元々荒々しい印象でしたし、今でもそう思いますが、Stockholm SDXのザラッとした質感は独特なものであることが分かります。

選んだプリセットから、そう感じるのかと思いましたが、デフォルトのHeavy Basicでも、同じような質感を感じます。

⑦Stockholm SDX Heavy Basic

Stockholm SDXのザラついた荒々しさは、他のSDXでは出すことができない唯一無二の味付けですね。

ロック以外のジャンルについて

汎用性のあるサウンドであることは、既に聞いて頂いた通りです。

③ポップス系
④アコースティック系

ドラム自体が派手に歌うというよりは、安定感のある黒子的な位置づけで役に立ってくれそうです。仕事人器質な印象。

このデッドなサウンドは、コアライブラリになかった部分ですので、コアライブラリの補完という意味でも、役に立ちそうです。

逆に、緻密で空気感のあるサウンドを求める場合は、コアライブラリの方が頼りになるでしょう。

CPU負荷

軽いです。

Stockholm SDXのCPU負荷

●PCスペック

  • OS:Windows10 64bit
  • CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core] 
  • メモリ:64GB
  • DAW:Studio One6
  • サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
  • バッファーサイズ:1024samples
  • オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4

まとめ

以上が、Toontrack Stockholm SDXのレビューです。

正直言うと、最初触った時に地味なサウンドにも思ったのですが、触れば触るほど、この仕事人的なサウンドに魅力を感じてきています。

派手さはありませんが、汎用性が高く堅実な黒子的な仕事をしてくれそうです。

ドラムパターンも、手数はそこまで多くないものの、実用性に優れたパターンが多いと感じました。今後の使用が楽しみです。

>Stockholm SDXお得なSDX Value Pack

Toontrack レビュー記事一覧製品一覧 SONICWIRE

こんな作品、作ってます。

previous arrow
おれたちバイキン ハッハッハッ!!
PlayPlay
シャッ・シャッ・シャーク~サメのうた~
PlayPlay
海の絵描き歌メドレー
PlayPlay
NPB日本野球機構「やきゅうたいそう だいいち」
PlayPlay
NPB日本野球機構「やきゅうたいそう だいいち」アニメVer.
株式会社林泉堂 野菜ざるラーメン TVCM
PlayPlay
アオハルするべ
PlayPlay
祭シアターHANA「パンデミック」
PlayPlay
Exist
PlayPlay
今この瞬間から
PlayPlay
next arrow
 
あわせて読みたい
【楽曲制作秘話】仕上げみがきが楽しくなる「おれたちバイキン」
【楽曲制作秘話】仕上げみがきが楽しくなる「おれたちバイキン」

プロフィール
渡部絢也
渡部絢也
子ども向け音楽の作曲家・歌うたい
こどもの日常に、うたを。
秋田の山あいで暮らす二児の父。

子どもが笑って歌い、
親子の毎日がちょっと変わる──

そんな歌をつくります。

YouTube420万再生|総再生11万時間超

NPB・舞台音楽など、企業・行政案件も多数制作。「こどもに伝えたい!」を歌にしませんか?
記事URLをコピーしました