音楽理論

コード進行にメロディーをつける!丁寧解説!

rainysongame
サムネイル画像:コード理論初級編 コード進行にメロディーをつける!

本記事では、コード進行にメロディーを付ける方法を解説します。

「自分の作るメロディーって、なんとなく物足りないなぁ。」と悩んでいるあなたにも、目からウロコのテクニック満載でお届けいたします!

シリーズ構成

本記事はシリーズ記事で、コード理論初級編の最後の記事です。

この記事を読むためのおさらい

コードは、3音以上の違う高さの音の重なりのことで、コードの繋がりをコード進行と言います。

コード進行を作るには、まずキーを決める必要があります。

キーに合うコードであるダイアトニックコードは、五度圏表で簡単に見つけられます。決めたキーを中心に扇形に囲うだけです。

五度圏表
五度圏表(タップで大きく)
選んだキーを中心に扇形に囲もう。

【印刷用】五度圏表(資料付き)ダウンロード

ダイアトニックコードの役割(コードファンクション)を理解すると、コード進行を自由に作れるようになります。

コードを並べる時には、音の重ね方(ボイシング)に気を配ると、よりかっこ良くなります。

もし、上記の内容が難しいと感じるようでしたら、前の記事をご覧下さい。

メロディーをつける二つのアプローチ

感覚的?理論的?イラスト

コード進行にメロディーをつけるには、二つのアプローチがあります。

  1. 感覚的:コード進行を聴きながらハミングする。
  2. 理論的:コードに合うメロディーを理論的に導き出す。

この記事では、感覚的に作る方法・理論的に作る方法、どちらも解説します。おすすめは理論的な作り方を知った上で、感覚的に作る方法です。

ひとまずは、感覚的に作ってみましょう。

感覚的にメロディーをつける。

感覚的に作る方法は、コード進行を聴きながら、ハミングするだけです。

実際に、次のコード進行を聴きながら、ハミングしてメロディーをつけてみましょう。

JPOP黄金進行:FM7 → G → Em7 → Am7

良いメロディーかどうかはさておき、なんとなくメロディーをつけることはできましたか?

ここで二つの質問があります。

  1. Aメロ・Bメロ・サビ、どのパートをイメージしてメロディーを付けましたか?
  2. メロディーの始まりは、小節ジャスト or 小節前 or 休符から?

楽曲の構成をイメージする。

通常、歌モノ楽曲は、Aメロ・Bメロ・サビ・Cメロのように、構成が分かれています。ですから、現在作っているのが、どのパートなのかをイメージしてメロディーをつけましょう。

イントロ・Aメロ・Bメロ・サビ・間奏「Aメロ・Bメロ・サビそれぞれに、向いているコード進行やメロディーがありそうだね!」

上記のJPop黄金進行は、私にはAメロやサビっぽい印象を受けました。あなたは、どう感じましたか?

メロディーの始まる位置

メロディーの始まる位置を工夫すると、印象を変えることができます。

3つの例をご覧ください。

①小節ジャストから、メロディーをはじめる。

小節ジャストからのスタートは、「正統派!」という印象を受けます。

②小節前から、メロディーをはじめる。

小節の頭以外からメロディーが始まることを弱起(アウフタクト)と言います。

弱起の中でも、小節より前から始まっているのがこのパターンです。助走を付けて、サビが始まる感じが高まっています。

③休符から、メロディーをはじめる。

弱起の中でも、休符から始まるパターンです。一拍置くことで、余裕のある展開に感じます。

このように、メロディーの始まる位置に注意を払うだけで、様々なメロディーを生み出すことが出来ます。頭の片隅に置いておくだけで、色々なバリエーションを生み出せるはずです。

理論的にメロディーをつける。

理論的にメロディーをつける方法、基本は3つ!

  1. コードトーンを使う。
  2. 短ければ、コードトーンから外れてもOK!
  3. リズムの形を真似して使う。

斬新なメロディーを作れる応用編もこの後ご紹介します。ですが、まずは3つの基本をマスターしましょう!

①コードトーンを使う。

コードトーンとは、コードの構成音のことを言います。FM7なら、ファラドミですね。

解説用楽譜:コードトーンだけでメロディーを作った例

コードトーンだけを使って、メロディーを作りました。

コードが変わるごとに、どの音が使えるかを把握して、メロディーを選択するのです。

コードトーンで作曲していることを示す楽譜
コードの横にコードトーンを示しています。

コードトーンを使ったメロディーは、コードから外れた音痴なメロディーになることはありません。

ただ、ちょっとシンプルすぎてつまらない感じもしますね。

②短ければコードトーンから外れてもOK!

解説用楽譜:コードトーン以外も入れて、メロディーを作った例
水色の音がコードトーン以外の音

コードトーン以外の音を入れたメロディーの例です。短ければ音が外れた感じはしませんね。

こうしたコードトーン以外の音をノンコードトーンと言います。ノンコードトーンを組み込む際は、原則スケールの音から選ぶようにしましょう。

このコード進行は、楽譜のト音記号から判断するに、Key=C・Key=Amのどちらかです。Cメジャースケール・Aマイナースケールは平行調なので、使える音自体は同じく「ドレミファソラシド」ですね。(詳しくは、キー・スケールの記事にて。)

スケール以外の音は、露骨に音が外れた感じになりますので、注意しましょう。(スケール以外でも、短いければハマることもありますが、細心の注意が必要!)

③リズムの形を真似して使う。

次の楽譜をご覧ください。

リズムや音符の振り分けのこと譜割と呼びます。

この楽譜は、1~4小節の譜割を5~8小節に活かして作りました。

また、もっと小さな単位でも譜割を真似しています。

このように、譜割を真似して使うことで、メロディーが印象的なものになります。ただ、同じ譜割も続けば飽きます。どこで変化を付けるかが、人それぞれのセンスです。

以上が、「コード進行にメロディーをつける」3つの基本です。

これらを守るだけでも、たくさんのメロディーが作れます!

でも、もしあなたが斬新なメロディーを作りたいなら、応用編に進みましょう。

【応用編】理論的にメロディーをつける。

応用編では、劇的にメロディーがブラッシュアップされます。

まずは例をご覧ください。

この楽譜で緑色の印が付いている音符は、ノンコードトーンかつ、音の長さが八分音符より長いものです。

基本②「短ければコードトーンから外れてもOK!」から外れた音と言えます。しかし違和感なく聞こえるのではないでしょうか?

「コードにメロディー」応用編では、

  • ノンコードトーンでも、度数を考慮した上なら自由に使える。

が加わります。

度数イメージ表を活用しよう。

次の表を見てみましょう。

度数イメージ表は、コード上でスケールの音が鳴った場合、それが何度の音程で、どんなイメージに聞こえるかを示したものです。

例えば、コードFにD(レ)の音を載せてみます。

コードF上で、ルートF(ファ)から見て、D(レ)は長六度(長十三度)の音程で、「物憂げ・どっちつかず」の印象に聞こえる。ということが読み取れます。

この表に則って、先程の応用編の楽譜をアナライズ(解析)してみましょう。

上記の楽譜は6度を多用するイメージで作曲しました。なんとなく気だるげで迷いを感じる印象から、最終的には一歩前へと進もうという印象に変わりました。

このように、コードに対して載せる音には、コードトーン・ノンコードトーンを問わず、様々なイメージを付加することができます。

次は9度を活かすメロディーの例を見てみましょう。

表現したいイメージを表現するために、ノンコードトーンを活用しましょう。度数イメージ表をご活用下さい。色々と試す中で、イメージを音にするセンスが磨かれていくはずです!

あわせて読みたい
度数イメージ表 メロディーづくりの相棒に!
度数イメージ表 メロディーづくりの相棒に!

【おまけ】テンションコードにも捉えられる?

最後は、コードにノンコードトーンを載せると、「コード・メロディー全体でテンションコードのように捉えられる」という話をして終わります。

テンションコードは、コードの応用の記事で詳しく説明します。ここでは、「基本のコードに9度・11度・13度などの音が加わったコード」と理解しておきましょう。

FM7上で、D(レ)やG(ソ)の音が鳴っているとすれば、コードとメロディー全体で、FM7(9,13)とも考えられます。

それならば、この楽譜上でFM7は間違いで、FM7(9,13)が正解なのでしょうか? 今後は、メロディーまで把握してコード名を変える必要があるのでしょうか?

結論から言うと、そんなことはありません。

例えば、知人のギタリストに、FM7(9,13)と書いた譜面を渡して弾いてもらうとすれば、9度・13度の音を入れて演奏するはずです。

しかし実際には、「伴奏はFM7のままで、歌のメロディーで9度・13度を入れるアンバランスさこそが気持ち良いのに……。」と、いう場合がよくあります。

この場合はFM7と表記して伝える方が、表現したい音楽を表現できることになります。

コードは、作曲者・演奏者の意図を表現・伝達するための手段です。絶対的な正解・不正解はないのです。

オシャレなコード進行の作り方|無料PDF

あなた自身で、格好良くオシャレなコード進行が作りたいなら、無料PDF「オシャレなコード進行の作り方」をご覧ください。

・コード進行の基礎から応用まで解説!
・ギターを使った作編曲能力がメキメキ向上!

・スマホ&PC、どちらでも快適に閲覧!

わたなべ
わたなべ

全55ページの超充実の内容をご用意しました。

ギターならではの、目からウロコのテクニック。

あなたのギター作曲・アレンジ能力は、格段にアップします!

まとめ

お疲れさまでした!
以上が、「コード進行にメロディーをつける」解説でした。

わたなべ
わたなべ

かなり深い内容まで含みましたが、
理解することはできましたか?

自分にとって耳新しいコードを使ったり、新たなコード進行を作れるようになると、どんどん新しいメロディーもかけるようになります。

次の記事では、テンションコードを含む「コードの応用」について学びましょう!

あわせて読みたい
コードの応用:sus、dim、aug、add、テンションコード解説
コードの応用:sus、dim、aug、add、テンションコード解説

こんな作品、作ってます。

previous arrow
おれたちバイキン ハッハッハッ!!
PlayPlay
シャッ・シャッ・シャーク~サメのうた~
PlayPlay
海の絵描き歌メドレー
PlayPlay
NPB日本野球機構「やきゅうたいそう だいいち」
PlayPlay
NPB日本野球機構「やきゅうたいそう だいいち」アニメVer.
株式会社林泉堂 野菜ざるラーメン TVCM
PlayPlay
アオハルするべ
PlayPlay
祭シアターHANA「パンデミック」
PlayPlay
Exist
PlayPlay
今この瞬間から
PlayPlay
next arrow
 
あわせて読みたい
【楽曲制作秘話】仕上げみがきが楽しくなる「おれたちバイキン」
【楽曲制作秘話】仕上げみがきが楽しくなる「おれたちバイキン」
プロフィール
渡部絢也
渡部絢也
子ども向け音楽の作曲家・歌うたい
こどもの日常に、うたを。
秋田の山あいで暮らす二児の父。

子どもが笑って歌い、
親子の毎日がちょっと変わる──

そんな歌をつくります。

YouTube420万再生|総再生11万時間超

NPB・舞台音楽など、企業・行政案件も多数制作。「こどもに伝えたい!」を歌にしませんか?
記事URLをコピーしました