BPMからms・Hz:計算機・算出方法
DTMでの作業中、テンポからms・Hzを計算する必要がある場合があります。
本記事では、
- 計算機
- 計算方法
- DTMでの活かし方
をご提案します。
計算機
計算するのに必要な情報
BPM
Beats Per Minutesの略。
つまり、一分間に何拍あるかということです。
ミリ秒(ms)
DTMでは、秒ではなく、ミリ秒(ms)の単位がよく使われます。英語では、ミリセカンド。
秒に1,000をかけると、ミリ秒になりますので、
0.75秒×1,000=750msです。
音価
音価は、音符の長さのことです。
1拍は楽譜上で、4分音符を指します。
4分音符を1とした時に、他の音符の比率は次のようになります。
- 32分音符:0.125
- 16分音符:0.25
- 8分音符:0.5
- 4分音符:1
- 2分音符:2
- 全音符:4
- 4拍子で2小節分:8
また、付点や3連符の場合は以下の通りの倍率でかけ合わせます。
- 付点:1.5
- 3連符:0.333……
それでは、ここで計算問題をしてみましょう。
Q1.BPM150の時、8分音符は何ms?
1拍(4分音符)の長さ:60÷150×1,000=400ms
1拍は4分音符なので、8分音符は長さが半分になります。
つまり、400×0.5=200msですね。
Q2.BPM80の時、8分の6拍子の1小節は何ms?
これも順番に考えていけば簡単です!
1拍(4分音符)の長さ:60÷80×1,000=750ms
8分音符の長さ:750×0.5=375ms
8分の6拍子の1小節は、8分音符が6つ分なので、
375×6=2,250ms(2.25秒)となりますね!
Hzとは?
音・振動などの波が、1秒間に何周期するかの単位です。
BPM150の8分音符の長さを計算すると、200msです。
これをヘルツ換算してみます。
1秒間=1,000msなので、1,000÷200=5となります。
つまり、1秒間の間に、BPM150の8分音符を5回繰り返すことができます。
つまり、5Hzと考えることができますね。
それでは、シンセで、5Hzの周期でLFOの音量操作してみます。
打ち込んだものをオーディオ化してみました。
このように、Hzを計算することで、DAW上でもテンポに同期させたLFO操作ができるようになります。
DTMでのms・Hzの活かし方
実際には、Sync機能を使うことが多いので、あまり意識することもないですが、たまに使える場面があります。
- ディレイタイムの算出
- リバーブのプリディレイを算出
- サイドチェインコンプの戻りのタイミングを算出
③は特に、計算しがいがありますね!
サイドチェインコンプの戻りのタイミング
BPM150で、パッドとドラムのシンプルなサンプル曲です。
パッドにコンプレッサーをかけ、サイドチェインのソースをドラムのキックに設定します。
BPM150の8分音符が200msなので、コンプのHOLDを190ms・リリースを10msに設定すると、次のようになります。
キックのタイミングで音量が下がり、スネアのタイミングジャストでパッドの音が復活しています。
これは、耳で合わせるよりは、計算したほうが早い例ですね。(実際には、キックの音色・リリースなどで、タイミングが変わったりもするので、耳の判断もやっぱり必要ですけど。)
まとめ
以上が、BPMからms・Hzを算出し、DTMで活かす方法です。
日々の制作に、ぜひ活かして下さい。