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Sonible Smart:Comp2レビュー AI自動設定の人気コンプレッサー

Sonible Smart:comp2レビュー:サムネイル画像

AIによる自動設定が人気のシリーズ最新作、Sonible Smart:Comp2が2022年7月27日に発売となりました。

前作の良さは踏襲しつつ、様々な改良が加えられています。

  • Spectral Compression:2000バンドで圧縮! 圧縮の仕方を調整できるように。
  • ゲート・エキスパンダー機能の追加
  • 圧縮度具合が見て分かるレベルヒストグラムの追加

細かくアップデートされ、隙がない仕上がりです。

サウンドを聴きながら、Smart:Comp2に迫っていきましょう。

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Smart:Comp2のサウンドを聴いてみよう!

Smart:Comp2は、ボタンひとつでAIによりコンプレッサーの設定が終わります。

トラックを再生しながら、ボタンを押すだけでOKです。

Smart:Comp2の使い方:ここを押すだけでOK。

サウンドは、いかほどか聴いてみましょう!

聴き比べてみよう!

今回は検証のために、5パートの4小節の楽曲を作りました。

  1. エレキギター
  2. ブラス(2つの音源をレイヤーしてバスにまとめる。)
  3. ピアノ
  4. ベース
  5. ドラム

5つのパート全てにSmart:Comp2を使ってみて、どのようにサウンドが変化するのかを確かめます。

Smart:Comp2サンプル楽曲トラック画像
①Smart:Comp2不使用
②Smart:Comp2を5つのパートに使用

①は、各楽器に耳を傾けると音量にバラつきがあることに気付きます。特にピアノは、強弱のバラツキが分かりやすいです。

②では、Smart:Comp2を使うことで、各楽器の強弱のばらつきがおさまり、タイトな印象を受けるのではないかと思います。

少しコンプ感が強いかな……という場合は、wetを下げることで、対処できます。

Smart:Comp2 DRY/WETの調整が可能
③5パートのwetを全て70に設定した場合

③は、この中では一番バランスが良く聞こえるかと思います。

コンプが分からないという方は特に、Smart:Comp2は頼りになるでしょうね。

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進化したSpectral Compression

Smart:Comp2では、Spectral Compression機能が進化しました。

Spectral Compressionとは、2000バンドの帯域に分けて、必要な帯域のみ圧縮する機能です。

今作では、Spectral Compressionをどのように作用させるか、好みの質感を演出できるようになりました。

Smart:Comp2 Spectral Compressionの調整画像
  • Style:0(Clean) ~ 100(Dirty)、という変化。
        Clean:透明で繊細なサウンド
        Dirty:タイトで暖かくパンチのあるサウンド
  • Spectral Comp:0~150で、どれくらいSpectral Compをかけるかの調整。0だと、全帯域にかかる普通のコンプとして動作。
  • Color:-100:Dark~100:Bright、の変化。

Styleを100(Dirty)に振り切ると、音がザラザラとサチューレーションをかけたような変化があります。

ここでは、5パート全てをStyle60・Color-30にしてサウンドの変化を聴いてみます。

②Style0・Color0
Smart:Comp2 Style60・Color-30
④Style60・Color-30

④では、暑苦しいサウンドになっているのが分かると思います。全体的に豊満になっているのに加え、特にスネアの余韻がザラザラになっているのが分かりやすいでしょうか。

前作のレビューでは、Smart:Compは歪みを与える使い方はできないと書きましたが、Smart:Comp2ではコンプレッサーによる歪みも加えられるようになったというわけですね。

Style1以上で歪みが生まれる
Styleを1以上にすると、歪みの倍音が生まれるのが分かる。

ちなみに、Colorを変化させると、Spectral Compressionがかかる重心が変化します。

Color100だと、より高音域を圧縮している。Color+100だと、より低域を圧縮している。

Colorが-100だと、高音域を圧縮しやすくなるため、結果としてサウンドが暗くなる。ということですね。おもしろい機能です。

Smart:Comp2には、Auto Gain機能が付いていますが、Auto Gain使用時に、Styleの値を上げると、露骨にゲインが上がるので注意が必要です。

どうも、Style0(Clean)の時に正常動作するような設計になっているようです。

Style60なら、+4~5dbくらいゲインが上がるため、正常なサウンド変化を聞き取るのは難しいでしょう。

Auto Gainを切って手動でOutput Gainを上げるか、Letimix/Gain Matchなどの、ゲインを変化させないプラグインを使用することをオススメします。

Spectral Compression の範囲調整

どの範囲にSpectral Compを使うかを、指定することが出来ます。

Spectral Compressionの範囲調整
↑画像下側:504Hz~3.7khzの帯域のみ緑色になっている。

この画像で言えば、指定していない帯域は、普通のコンプレッサーのように一律でリダクションがかかっています。(薄く灰色がかっていますね。)

次の画像だとどうでしょうか?

Spectral Link

こちらは、Spectral Linkを100にしているため、指定した範囲だけSpectral Compがかかり、その他の帯域には影響を及ぼしていません。

Spectral Linkを使うと、指定範囲だけにコンプレッションをかけることもできるという訳ですね。



Smart:Comp2で進化した部分

Spectral Compression以外に進化した部分を見ていきます。

プロファイルの増加

Smart:Comp2はプロファイル数が増え、より細かい分類になった。

よりトラックに寄り添ったコンプレッションができるようになりました。

2Mixに対してもかけられるようになっていますね。

ゲート・エキスパンダー機能

コンプレッサー以外の動作もできるようになりました。

スレッショルド以下の音量に対して、音量変化させることができます。

Smart:Comp2は、スレッショルド以下のふるまいを設定できる。
⑤前半2小節は通常・後半2小節にゲート

⑤の後半は、上記画像の設定で鳴らしたサウンドです。

小さい音がより小さくなるようになるため、ドラムの余韻が小さくなり、ブツギリのサウンドになっています。

このカーブについては、いくつかのプリセットが用意されています。

Smart:Comp2のカーブプリセット

レベルヒストグラムの追加

元の信号と、コンプ後の信号の、ゲイン分布がひと目で分かる機能です。

Smart:Comp2のレベルヒストグラムは、元の信号から、ゲインの分布がどう変わったかが見られる。
元の信号が灰色で、コンプ後の信号が白色の線

レベルヒストグラムがあることで、どのようにミックスが便利になるかは、今の段階では、私には分かりかねる所でもあります。今後、使用しながら、何か発見があれば追記したいと思います。

設定比較が増えた

前作ではA/B比較でしたが、Smart:Comp2では、8パターンまで切り替えられます。

Smart:Comp2はA/B比較から、最大8パターンの切り替えが可能に。

数字をドラッグすると、設定を他の番号にコピーできます。

聴き比べの際に便利ですね。




Smart:Comp2の注目機能

前作でもあった機能ながらも、Smart:Comp2でも注目の機能の紹介です。

サイドチェイン機能

Smart:Compの代名詞でもあるサイドチェインを使ったSpectral Duckingは、要注目の機能です。

次の音源は、トランペットとピアノの2トラックの音源です。

ピアノの音が邪魔をして、トランペットの音が聞こえづらくなっているのが分かるはず。

⑥サイドチェインなし

こんな時にサイドチェインコンプを使います。

今回は、トランペットの音をトリガーにして、ピアノにサイドチェインコンプをかけます。

Smart:Comp2のサイドチェイン。ここをONに。このツマミで、どれくらい強くかけるかを決める。
プロファイルにトランペットがなかったので、
一番サウンドが良く聞こえたSpeech|LOWに設定しました。
⑦Smart:Comp2によるサイドチェインコンプ

トランペットには何もかけていませんが、トランペットが聞こえやすくなっていますね!

トランペットが鳴っている時にピアノの音量が下がることで、トランペットが抜けて聞こえてきます。 しかもSpectral Duckingなので、必要最小限の帯域しか圧縮しません。

Spectral Linkの帯域指定を活用すれば、効果をもっと限定的にもできます!

サイドチェインコンプ(EQ)を検証したプラグインとしては、TrackSpacerGullfossSoothe2などがありますが、私としては、Soothe2・Smart:Comp2の二強という感触です。

前作はサイドチェイン時にプロファイルを切り替えられなかったのが、今回は切り替えられるようになったのは強化点ですね。また、Colorで音質を変化できるようになったのが大きいです。

サイドチェインEQがグラフに

サイドチェインと言っても、サイドチェインEQは上記の説明とは別物。

サイドチェインEQは、コンプレッサーの検出の範囲や効き方を変化させるものです。

Smart:Comp2のサイドチェインEQ。
小さな三角をクリックすると、
サイドチェインEQのグラフが登場する。

例えば、ドラムバスで、キック以外に反応させたい場合にハイパスフィルターを使って、キックの帯域を避けたりさせます。




アタック・リリース・ニーの形状変化

アタック・リリースのカーブを変化させられます。

Smart:Comp2の、アタック・リリース・ニーの形状変化。

コンプレッサーに詳しい方には、コンプレッサーとしての機能も十分なSmart:Comp2に惹かれる部分だと思います。

ニーも変化可能です。

Smart:Comp2:ここからニーを設定できる。

ソフトニー(よりグラフが丸くなった状態)だと、サウンドは透明になりやすい反面、スレッショルド以下の信号にも対しても、緩やかにコンプがかかります。

逆にハードニーにすると、突き抜けて大きな音に狙いを定め、ピンポイントでコンプをかけられる反面、パンチの効いた音になります。

Smart:Comp2の欠点

前作のレビューでは、Smart:CompのAIは、音像を引っ込める(アタックの早い)使い方は提案してくれないと書きましたが、それは今回も同じです。

わりとアタック遅めの設定となり、オートリリースも長めにかかるのが見て取れます。

Smart:Comp2のピアノの設定画像。
Piano:アタック58ms・リリースはオートだが、かなり長いのがグラフから分かる。
Smart:Comp2のベースの設定画像。
Bassの設定では、アタックが35msに。

つまり、傾向としては音の出だしが強調されるサウンド(ただし自然!)になるということですね。詳しくは、前作のレビューをご覧下さい。

トランジェントを抑えて、音を引っ込ませたいという場合は、ご自身で設定する必要があります。




CPU負荷

Smart:Comp2は、レイテンシーが発生するものの、CPU負荷は大変軽いです。

Smart:Comp2のCPU負荷

前作は立ち上がりが遅かったのですが、今作はサクサクです。これは嬉しい!

●PCスペック

  • OS:Windows10 64bit
  • CPU:AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core] 
  • メモリ:64GB
  • DAW:Studio One5.5
  • サンプリングレート・解像度:48kHz・32bit float
  • バッファーサイズ:512samples
  • オーディオインターフェース:Antelope Audio Discrete4

まとめ

以上が、Sonible Smart:comp2のレビューです。

AI処理・帯域を細かく分けた自然な圧縮が売りです。「コンプをAIに任せて、作曲に集中したい。」という方や、自然なサイドチェインコンプが欲しい方におすすめです。

音量を揃えた上で、トラックを上品に仕上げるという観点では、Smart:Comp2ほど楽なコンプレッサーはないのではないか?と思います。

素晴らしい製品です。

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【参考記事】Plugin Boutique完全攻略!安全・お得に買う方法!

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この記事を書いたのは

渡部絢也

作編曲家・シンガーソングライター
「地方にいながら、音楽でご飯を食べる」で早十数年。
東北秋田県で田舎生活をしながら、音楽にいそしむ。
メイン楽器はアコギ。歌も歌うDTMer。

・音楽制作依頼(舞台ミュージカル音楽・CMソング&BGM等)
・ブログ運営(音楽理論解説&VSTプラグイン解説)
・教材販売(使えるギターコード進行集など)
ユニット「ウタトエスタジオ」では、ファミリー向けの作品作りも。

丁寧解説がモットー。 twitterでも、ぜひお気軽に絡んで下さい。

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